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不思議話。  作者: ヨスガ
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それは会館の出来事。


 赤子の頃の記憶があります。

 祖母に背負われ、ちゃんちゃんこで包まれている記憶です。

 祖父母はとある会館の住み込み管理人として雇われており、だからそこに孫である私が居るのは別段おかしい事ではありません。その筈です。

 おかしいのは、恐らく首がすわったばかりであろう私がその風景を覚えている事です。

 本館の位置、井戸の位置、外にしかなかったお手洗い。

 会館は移動に伴い解体されています。物心ついた頃に見る事は叶わないのです。

 大人になった頃祖母に会館の茶けた写真をみせて貰った時に記憶を思い出し、背負って貰ってたよね、この後ろ暗いお手洗いあったよねえと話し、祖母が関心するという出来事がありました。

 いえ、よう覚えとるなあと関心してくれたと思っていたのですが、表情は真顔だった気がします。

 今となっては怖くて聞けないのです。この記憶は本当に赤子だった私のものなのかと。

 会館があったのは、住み込みで管理人をしていたのは、本当に私が生まれてからもだったのか、と。


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