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人を好きになるということは  作者: ヒュウガ
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黒柳さんとトショシツ

まだ、黒柳さんです。

まだまだ続きます。

昨夜の悪夢のせいで殆ど飯が入らなかったし、全然眠れなかった。しんど。

(むくろ)おはよう。元気ないなどうした?大丈夫かよ」

「あぁ、おはよう。単純な寝不足だ気にするな」

葛葉(かつらば)は俺の顔色を見て声のトーンを下げていた。意外とちゃんとしてんなこいつ。

あの黒柳とかいうやばい人にも見習ってほしいね。


「あっ!黒姫だ」「なんでこのクラスに?」「俺に用かな?」「んな訳ないだろ」

そんなクラスの男子達が騒ぎ始める、黒姫ってなんだよ。まぁどうでもいいわ始業まで寝よう。


「三枝くんいるかしら」

そんなたった一言でクラスが静まり返る、俺聞き覚えしかない声に不安を覚える。

「黒姫ってお前かよ.......」


そんな俺の心境を無視するかのように男子たちの視線の先にいる俺を見つけ教室内の俺の元へ来る。

「今日図書委員の仕事があるから昼休み図書室へ来てくれるかしら?」

「あぁ、図書委員の仕事か了解した」


そんな業務連絡っぽいものをして教室を出ていく黒姫もとい腹黒姫(勝手に命名

勿論仕事があるわけない、もしあるとしてももう1人の白雪さんも呼ぶはずだ。昨日言ってた事だろうだから図書室に来いと言ったんだろう。一応気を使ってくれたのだろうな、多分。


そんな業務連絡を聞いてか、「良かった〜ただの委員会の話か」「白姫の次は黒姫かよって、○したくなる所だったぜ」なんてそんな安堵の声が聞こえる。っておい、今○すって言ったやつ怖いからやめてくれそういう事言うの。

「なぁ、お前って黒姫とも仲いいんだな」

「どこを見てそう思ったんだよ、ただの業務連絡だったろ。というより俺は白姫だの黒姫だのが気になるんだが?」

何だそのファンタジーな二つ名?は。

「まぁ知らないよな。初日から結構有名だったんだぜ。1年生の中ですば抜けて可愛い人が2人そしてその2人がそれぞれ白と黒を連想させるから白姫の白雪さんよ黒姫の黒柳さんって訳」

連想って言ううか名前から取っただけじゃねぇか。姫とか大げさすぎると思うがな。へっ。





〜そして時は流れ昼休み〜

とてつもなくめんどくさいが行かないと何されるかわかったものでは無いので行くしかない、そう思いながら図書室へ重い足を運ぶその途中に人とぶつかってしまった。


「おっと、大丈夫ですか?すみません、ぼーっとしてたもので」

悪いのはおそらく俺なので倒れそうになっている相手の体を支えながら謝る。


「あ、いや、だ、大丈夫です、すみません、こちらこそ、あ、ありがとう、ございます」

コミュ障なのか言葉がたじろいでいる、そんなに怖いかな。ってあれ?


「副委員長ですよね?図書委員の」

そう、俺が珍しく人の顔を覚えているのは理由がある、この副委員長だけ自己紹介してないのだ。委員長がサラッと名前を言ってはいたが、自分で名乗っていないので不思議な人だと覚えていた。


「わ、私のこと、し、知ってたんですね、1年A組三枝骸君」

学年クラスまで覚えている、記憶力良いんだなぁ俺とは逆だ、なんて思っているとやべっ遅れると何言われるかわからん人を待たせてるんだった。


「すみません、副委員長、用事あるのでここで失礼します」

そんな事を言いながらそそくさと小走りして図書室へ向かう。


「お・そ・い!」

あ〜あめんどくさいそうなやつ怒らしちゃった、どうしたものか。

「すまない、人とぶつかってしまったから少し遅れてしまった」

「人とぶつかった?まぁならしょうがないわね。気をつけるのよ」

「あっはい」

なんでそういう所は真面目感だしてんだよ。


「それでね、はい!作ってきたから食べて感想を聞かせて欲しいの」

「すごく気が乗らないですお腹空いていません」

「じゃあ感想聞かせてね?!」

そして相変わらず俺の声が届いていません!


しょうがないどうせ昼飯はこれしかないんだ、食うしか無いな。パクっ。

「どうかしら?」

「うん。まずい。味付け間違えてるだろこれ」

「うそ!パクっ。ごほっ。ごほっ。ほんとだわ。何間違えたのかしら」

「てか味見してねぇのかよまじか」

とても食えたもんじゃない。いかにも和風のお弁当が甘い。馬鹿だろこれ。


「食えたものじゃないわね、ごめんなさい。お金は払うから今からでも購買でも...」

「あ?購買とかもう残ってないだろうな。昨日もあんまし飯食え無かったから腹減ってんだよ」

と甘いはずの、絶対味付け間違えてる弁当を食べる。


「食べれたものじゃないし無理しなくていいです」

「まずいのは変わらん、作ってきたんだし残したらもったいないだろうが。食うわ」

そう言って、甘味の弁当を綺麗に平らげ弁当箱を返した。


「食ったな割と量入ってたな。まずかった。ごちそうさま」

「男の子が食べるものですから少し量を多くしたのですけれど結果それが裏目に出てしまいましたね。ごめんなさい。それとありがとうございます」

「あぁそれで多かったのか。まぁちゃんと味見はしろ」

じゃあなと(むくろ)は教室に帰って行った。


「ごほっ。ほんとに食えたものでは無いですよね。三枝君はこれをあの量食べた訳ですよね。ほんとに優しい人です。次はぜっったい美味しく作ってみせますからね!まずっ」

美味しく作ることを胸に決めながらまずい自分の弁当を食べる黒柳さんでした。




教室に帰った三枝はというと

「どうした骸!帰ってくるなりお茶がぶ飲みして。そんな仕事したのか?」

「えっ?ああそうだよ。めちゃくちゃしんどかった。死ぬかと思ったわ」

「骸でもそんな表情するんだな」

「まぁな」

いやまじで食わなきゃよかった。うっ。吐きそう。我慢我慢と。

まじでどうやったらあそこまでまずいの作れんだよほんとに。

あいつを黒姫とか言ってるやつ全員にあれ食わしてやりてぇな。


いやだめだな、下手すれば死人が出る。

あーー帰りたい。


うっっ。









途中で出てきた副委員長の女の子は波切なきり 鈴加すずかと言います。関わらなくはないです。

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