第7話 世界ランク
「それでは、お待たせしました。おふたりの結果をまとめたレポートです。おふたりとも、成績優秀者になりますので、全国のギルドに結果を貼りだされることになります」
「わかりました」
この成績優秀者は、ギルドから保証された意味合いをもつので、信用度が格段に上がり、次の仕事につながりやすいそうだ。とはいっても、俺たちはS級とA級冒険者なので、信用はすでに抜群。そこまで目に見えた結果には繋がらないかもしれない。
「それでは、まずはナターシャさんからです。こちらになります」
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氏名:ナターシャ
職業:神官(職業内序列5位)
ギルドスコア:380(A級)
能力
体力:450(世界ランク980位)
魔力:800(世界ランク21位)
攻撃魔力:650(世界ランク101位)
治癒魔力:880(世界ランク6位)
補助魔力:860(世界ランク9位)
魔力防御力:780(世界ランク19位)
総合白兵戦技能:180(世界ランク測定不可)
総合白兵戦防御力:350(同上)
知力:950(世界ランク4位)
総合能力平均値:655
総合能力ランク:432位
判定:A級下位相当(※冒険者クラス認定は本人の能力以外に実績も反映されるため、この判定はあくまで参考です)
主要実績
・南大陸の伝染病の病原菌の解明
・ウーラル国における難民問題で、医療分野において多大な功績をあげる。
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「ひゃー、さすがは現代の聖女様だ。魔力関係と知力が怪物クラスじゃん」
「得意分野では他の追随を許さないタイプだな。まさにプロフェッショナル」
「こういう総合値は、専門家には低く出やすいのに、A級か。やっぱりバケモンだわ」
みんな感嘆しているが、俺にとってはこいつよりも頭がいい奴が全国であと3人もいることに恐怖する。どんな異次元の天才だよ。
「それでは、お待ちかねのアレクさんの結果がこちらです」
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氏名:アレク
職業:魔法戦士(職業内序列1位)
ギルドスコア:950(S級)
能力
体力:890(世界ランク9位)
魔力:980(世界ランク2位)
攻撃魔力:990(世界ランク2位)
治癒魔力:―(―)
補助魔力:950(世界ランク2位)
魔力防御力:890(世界ランク9位)
総合白兵戦技能:940(世界ランク3位)
総合白兵戦防御力:930(同上)
知力:820(世界ランク89位)
総合能力平均値:923
総合能力ランク:2位
判定:S級相当(※冒険者クラス認定は本人の能力以外に実績も反映されるため、この判定はあくまで参考です)
主要実績
・魔王軍西方師団壊滅
・伝説の秘宝"龍の涙"を発見
・魔王軍幹部クラーケン討滅
―――
「はぁ」
俺は自分の診断結果がまだ信じられなかった。いや、いくらなんでも高すぎの過大評価だろう。勇者パーティーの何でも屋、便利屋としてしか俺は活動していないぞ。
「なあ、1位って、ニコライさんだよな」
「ああ、でも、ニコライさんは、彼しかできない勇者が持つ光の魔術の能力値2000が特別評価に加わっているから……」
「じゃあ、それを除くと、もしかして総合値って入れ替わっちゃう?」
「間違いない」
「おいおい、みんなさすがにペーパーと実技試験の結果で動揺しすぎだ――」
俺が言い終わる前に、ナターシャが抱き着いてくる。
「センパイ、すごーい。世界ランク2位で、実質1位じゃないですか。やっぱり、先輩は"器用貧乏"じゃなかったんですね。"世界最強のオールラウンダー"だったんですよ~カッコよすぎます!!」
「へー、そうなんだー、って、俺が世界最強!?」
すごい反響をいただきまして、自分でもビックリしています(´;ω;`)
皆さんに楽しんでもらうために書いているので、少しでも満足いただけたら幸いです。
今日の夜にでもまた、投稿していこうと思います!