表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/421

第5話 レジェンド級冒険者と冒険力判断テスト

 レジェンド級冒険者。

 それは、S級冒険者でも特に実績を残した選ばれし者だけが、名乗れる称号だ。

 軍人なら元帥。

 官僚なら終身名誉宰相。

 冒険者ならレジェンド級。


 この役職が最高の名誉を持つ。


 500年の歴史をもつ冒険者ギルドでも、レジェンド級冒険者に任命されたものは、わずか10名足らず。その中でも生きて、称号を授与された人はわずかに3人。他の者たちは、困難なクエストに成功したものの命を落として殉職し、死後の昇進となっている。


 レジェンド級に生きて昇進したのは、魔王の分身のひとつを討伐した勇者イール。魔王軍最高幹部の四天王の筆頭であった冥王(めいおう)を単独で撃破した大賢者ジジ。魔大陸にひとりで潜入し、地図を作り上げた探検家で史上最高の地理学者タレス。


 俺はこの3人に並ぶために、冒険を始めたはずなのに……


「どうして、ギルドでペーパー試験を受けてるんだよ~」

「先輩、テスト中なんだから、お静かに」

「ごめんなさい」


 ギルドの受付で「アレクさん、そういえば、5年に1度は受験しないといけない冒険力判断テストですが、まだ未受講のようですね。いい機会なので、やっていってください」と言われてしまい、「先輩がやるなら私も受けまーす」というナターシャと一緒に受験することになった。


 こいつの座学の知識は、半端ないから絶対に負けるの分かっているのに……S級冒険者の威厳が……


 ※


「それでは、次は攻撃魔法の測定診断です。この魔力測定装置に、手を置いてくださいね」

 受付嬢さんは、そう言って機械の説明をしてくれた。これをやるのも久しぶりだ。


 俺はゆっくりと手を置く。

 そうすると装置が反応し、魔力を数値化してくれることになる。


 俺も一応、魔法職よりの人間なので、専門家ほどは高くないが、まあまあの結果が残せるだろう。

 少しはナターシャにカッコつけることができればいいのだけど――


 0→10→100と数値が上がっていく。だいたい、100で駆け出し黒魔導士レベル。300で中堅。500でベテラン。700でA級黒魔導士クラスで、だいたい世界ランク30位くらいだ。たしか、あの忌々しい女賢者エレンは、1000を少し超えて、世界ランキング1位だったはず。


 あいつは、ムカつくがポテンシャルだけは高いんだよな。

 俺が目指すのは、700くらい。さっきやったナターシャは、攻撃呪文を専門にしていないのにもかかわらず、650でなかなかの成績だったから、それくらいは抜いておきたい。


 よしよし、順調に伸びている。700→800。おお、やっぱり俺、結構、魔力あったんだな。ちょっと安心。これくらいで止まれば、イイ感じだろう。


「おお、さすがは腐ってもS級だな」

「すげー、800超えるのはじめて見たー」

 外野も少し騒がしくなってきた。ちょっと恥ずかしいぜ。


「えっ」

 受付嬢さんも驚きはじめる。A級最高位に近い900の数字を突破したからだ。


「おい、どこまで上がるんだ? 900超えたら、S級の黒魔導士や賢者と同格じゃねえか」

「やべえよ、あいつ。器用貧乏の代名詞・魔法戦士のくせに、どうしてこんなすごい攻撃魔力を持っているんだ」

「止まるぞ、ランクは何位だよ」


<測定値:990>


「うお~」

 その数値を見て歓声が巻き起きた。


「すご~い、アレク先輩、S級の専門家と同格じゃないですか~」

 ナターシャも横でテンションが上がっている。


「ランク出るぞ、みんな静かにしろ」


<世界ランキング:2位>


「「「おおおおおおお」」」

この度は素敵なレビューをいただきまして、本当にありがとうございますm(__)m


まさか初日にレビューをいただけるとは思っていませんでした( ̄▽ ̄;)


読みやすさ重視の甘々ファンタジーを目指すので楽しんでもらえると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ