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第402話 会長vsメフィスト

―アレク視点―


 俺はクロノスの剣を振るう。こいつなら魔王から距離があっても攻撃が届く。

 魔力剣を振るう。魔王の死角から攻撃が襲いかかる。さらに、もう一撃。あらゆる方向から遠距離攻撃をかける。さすがの魔王でもこの攻撃には守りに入らなくちゃいけない。


「ぐぬ、おもしろい。あらゆる方向から猛攻か!!」


 魔王の連続攻撃が止まった。チャンスだ。ナターシャと目配せをして俺たちは攻撃が止まった魔王との距離を詰める。


 ※


―会長視点―


 アレクは無事に魔王に近づけたか。これでよしじゃな。

 わしは目の前の大悪魔に集中する。まさかこの大舞台で魔王の息子と手を組むことになるとはな。不思議なものじゃ。


 メフィストは、かつて同化したエレンの姿になっていた。


「異色コンビが私の相手なのねぇ。とても楽しみよ」


「クーデター騒ぎの時、わしになすすべもなくやられた女の姿が好きなのかな? 大悪魔よ」


「あの時は、この女の肉体に宿っていたからねぇ。でも、今は違う。私はあの時にこちらに戻って来れたからねぇ。あんたたちに邪龍と一緒に封印された屈辱は忘れないわよ。ギルド協会会長・ジジ様?」


 古い話だ。邪龍はいわば、大悪魔・メフィストのサーヴァント。

 すべてを仕組んだメフィストがどうしてエレンが呼び出すまで動けなかったのか。それは第1次邪龍戦争の時に、わしらが邪龍ごと封印していたからだ。大事な女性を失う代償を払いながら……


 邪龍教団の本来の目的は大悪魔の復活。

 邪龍を復活させたのは、メフィスト復活の前哨戦だった。


「どうして、封印したお主の復活をわしは止めなかったか、わかるか?」


「止められなかったの、間違いじゃないの?」


「それは違う。お主をあえて復活させたのじゃよ。封印は、あくまでもその場しのぎのことじゃった。問題の先送りじゃよ。当時のわしらの手元にある戦力ではお前を滅ぼすことができなかった。だが、今は違う。お主を消滅させることができるすべてのピースは整った。だから、お前が復活するまであえて介入はしなかったのじゃ」


 お前だけは決して許さない。いや、わしを利用したすべての者たちに復讐を果たす。それがこの100年のすべて。


「悪い人ね。まるで、怒りに燃えた復讐鬼じゃないの?」


「否定はしない」


「あら、まだなにか隠しているような顔ね。それにここにいる復讐鬼はひとりだけじゃないものね。ねぇ、パズズ??」


 やはり、この者もすべてを賭けて復讐に生きている者か。同じ匂いを感じていたが、やはりな。


「お前だけは決して許さない。ここですべてを終わりにしよう、大悪魔・メフィスト!!」

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