第13話 S級冒険者
「「「「「S級冒険者!?」」」」」
あっ、反応するところそこなんだ。てっきり婚約者のほうかと――
みんなの反応に、ナターシャ満足気の表情だ。
「ええ、世界で20人しかなれない"あの"S級冒険者ですよ~ 彼は、ひとりで戦争全体に大きな影響をもたらすほどの実力者なんです」
「もしかして、アレクさんって、昔、勇者ニコライ様のパーティーにいらっしゃいましたか?」
村長さんが恐る恐る聞いてきた。
「はい、今はわけあって、独立しましたが、ニコライは昔、相棒でした」
「……」
「じゃあ、バル攻防戦で、魔王軍西方師団の師団長ゾークと勇者様を一騎打ちさせるために、護衛部隊を一手に引き受けたという伝説は……」
ベール先生も質問してきた。なんで、みんなオドオドしているんだ。
「ああ、他のパーティーメンバーとは乱戦の中ではぐれてしまったので、仕方なくですね。ゾークには、ニコライの光の魔術しか勝機がなかったので、あいつの体力温存を最優先にしたんですよ」
「しかたなく、数百匹の魔物を……」
「さすがに、あの時は死んだかと思いましたね」
「えっ、もしかして、魔王軍幹部のクラーケン討滅作戦の際に、大きな損害を負ったギルド精鋭部隊の撤退時間を稼ぐために、ひとりで殿を務めて、クラーケンとひとりで10分以上決闘を挑んだ伝説も」
ドルゴンたちの叔母さんもおそるおそる聞いてくる。みんな説明口調すぎない?
「本人は時間感覚とかなかったんですよ。ニコライたちの到着があと数秒遅れていたら、まちがいなくやられていましたし。作戦終わったら、重傷で1カ月の病院送りでしたし――」
「お兄ちゃん凄かったんだよ。私を助けてくれた時、おっきな熊の魔獣と一騎打ちして、攻撃全部かわしてやっつけちゃったんだ~」
アイラちゃんもなぜか、張り合うように俺の伝説を付け加えた。
「もしかして、あの森のデスベアーをですか――以前、全員B級冒険者のパーティーに討伐を依頼しても、みんな重傷を負ってしまい討伐失敗したあの森の主を? ギルドの調査だと、突然変異体でA級クラスの脅威だと言われていたんですが――」
「あ~、やっぱりあのデスベアー普通のやつより強かったんですね。1回攻撃弾かれたんで、正直焦りました」
「お兄ちゃんは、2回しか攻撃を当てなかったんだよ。2回目の攻撃で、魔獣が一瞬で燃えちゃったの」
「内心、ドッキドッキでしたけどね~ 本当に助けられてよかったです」
「「「「「本物だあああああああああああああああ」」」」」
今日、何度目だろ、この反応。
「じゃあ、この前、新聞に大きく書いてあった世界ランク2位になったアレクさんですよね」
「そうですよ、私の婚約者は世界2位です」
いや、そこはどうしてナターシャが答えるの?




