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覚えてる夢に限ってハチャメチャ

初めて登場人物の心象を地の文で描きました。下手くそですが許してください。

 おっす、俺淵生!

 前回のあらすじ! パーティではっちゃけて寝た! 以上!

 今回は寝たあとの話だな。テンポが悪いという自覚は作者もあるらしいし、今回はもうちょい踏み込む感じだな。

 さて、豆知識か……キスタリアにも犬とか猫とか、地球にいる動物と非常に似通った動物が存在する。だから馬車とかもあるし、犬や猫を飼う習慣もある。料理されたりもするけど、植物はかなりかけ離れたものになってるから、果物やスパイスなんかはずいぶんと俺達から見て変わったものになってる。ってとこか?

 よし、本編どーぞ。




――――――――――――――――――――――――



 淵生は目が覚めてすぐに理解した。

(夢か)

 ベッドで緋奈を抱き枕にして寝ていたはずなのに、白い柱が立ち並び、黒い床と壁、屋根に覆われた宮殿の様な場所に立っているのだ、夢で間違いないだろう。外は暗いが、薄気味悪い形のランプが柱に一つずつあり、宮殿を照らしている。

(夢でここに来たってことは……緊急の連絡か? )

「残念! そんなんじゃあ無いんだなこれが」

 奥の方から誰かが歩いてくる。5、6歳程の少年に見える。顔や首筋に何か紋様のようなものが浮かんでいるのがわかる。

 淵生は彼をよく知っている。なぜなら……

「なんだ親父か、帰るか」

 この少年、こう見えて結構な歳である。所謂ショタジジイといわれる存在だ。捨てられていた淵生を育てた、いわば養父である。

「え、酷くない? 淵生俺の扱い酷くない? 薄々気づいてたけど俺の事きら、あっ待て夢から覚めようとするな」

「嫌いではないけどアンタの事だ、下らない事で呼んだんだろ? 」

「何言ってんだよ、久しぶりに可愛い息子と話がした「お邪魔しましたー」待ってホント待ってお願いだからさぁ! 」

「……ハァー、何だよ」

「あー、いや、ね? お前()()異世界に飛ばされたろ? しかも今回はクラスメートも巻き込んでるときた。お陰様で俺たちの仕事が多くなっちまったんだよ」

「それは申し訳ないと思ってる。だが今回は俺のせいではねーぞ」

「いや、それはわかってる。あの……見てくれから勇者! って感じのやつが召喚されたのに巻き込まれたんだろ? 」

「ああ、どうやら俺はお呼びでないらしくてな」

「それで緋奈ちゃんとぐっすりしてるわけだ」

「……そこまで見てるのはどうなんだ? 」

「いやーお前が彼女連れてくるなんて思わなかったぜ! その調子であと2人頑張れ! 」

「嫁3人作れとか人間の価値観でどう思われるか知ってる? 」

「そんでこっからどうすんのかと思ってな。神依とも話し合ったんだろ? 」

「毎度のことだが話をコロコロ変えんな……とりあえず俺は観光。神依は他のやつらの面倒見るってさ。戦争なんかに参加するし、経験者として残っておくってさ」

「彼一人で戦争終わりそうだけどね」

「んな事できるかよ。世界そのものに甚大な被害が出るわ」

「向こうの神擬きは? 」

「ついでに殺っとく。毎度の事だしな」

「いつもすまんね! あ、あいつ曰く空間の歪み修正し終わるのそっちの感覚で遅くても1年だってさ」

「わかった。当分観光できそうだな」

「よし、要件は片付いたし帰れ」

「アンタほんとになんなの? 言われなくても帰るわ。お袋や兄貴達にもよろしく言っといて」

「なんかあったら呼べよー」

「親父だけは絶対呼びたくねー」

 ナレーションを挟む余地がない会話をするだけして淵生は宮殿から姿を消した。1人になった“親父”は、

「……また強くなってねーかアイツ。そろそろ俺も殺されそうなんだが? 」

 と不穏なことを呟いた。



 淵生は目が覚める前に理解した。

(まだ夜か)

 体感的にさほど時間が経っていない。2、3時間といったところか。緋奈もぐっすり寝ている。

(……俺普段どうやって時間潰してたっけ? )

 月に1時間寝れば大丈夫な淵生。すっかり目が覚めてしまったらしい。しかし、今淵生はそれ所ではなかった。

(つか緋奈さん力強い! 抱きしめんのはいいけど加減してくれ! いやしてください! 肋骨とか背骨とかミシミシいってるから! 折れるっ、折れるって!! )

「……淵生ぇ。……えへへ〜♪ 」

(可愛いなちくしょう! 嬉しいけども! このままだと死ぬ! 潰れる! 本当に寝てんのかよ! )

 その華奢な見た目からは想像もつかないレベルの怪力で抱きしめられている。女子高生の平均身長を少し下回る身長、そして細い四肢。淵生はそんな少女に抱きしめられ、潰されかけているのだ。

 何を馬鹿なと思うかもしれないが、淵生は体の防御力の一点だけは非常に弱い。小指で軽く小突かれただけで命に関わるぐらいだ。また、緋奈も想像を絶する怪力だ。具体的にはビルひとつなら軽々持てる。

 そんなわけで、今淵生は彼女の腕から抜けなければならないが、下手に動いて起こしたくない、という状況である。そして淵生は、

(……このまま死ぬのも悪くないか)

 覚悟を決めた。または諦めた。幸いこの世界は時間が元の世界と同じであるらしい。緋奈が目覚めるまでどれぐらいかは分からない。だがまあ、今は体感で2時ほど。あと4時間もすれば起きるだろう。そんな願望混じりの希望を持って、取り敢えず淵生は目を閉じた。緋奈が起きる6時間前の出来事である。



――――――――――――――――――――――――


『おい、オマエ。大丈夫か? 』

『……君、は……?』

『俺? まぁ、お前を助けに来た王子様ってとこだ』

 ……懐かしい夢。その声を聞いて、何故か、もう大丈夫なんだって思った。

『助けて……くれたの……? 』

『おう。あとは家に送るだけだな。お前ん家どこよ? 』

『……あ、う……』

 家には、帰りたくなかった。ここも怖いけど、家はもっと怖い。

『……嫌、帰りたくない……』

『え? なんで?』

『……』

 お父さんとお母さんは、いつも喧嘩してる。私がいてもいなくても。でも、言えなかった。助けて、なんて。今あったばかりの君には、言えるわけがない。

『……なるほどな。要は両親を仲直りさせればいいのか』

『え? 』

『残念だったな。俺は考えてることがわかるんだ』

『……』

『今あったばっかでも、俺がお前を助けてやりたい。それだけだよ。だから安心しろ。お前の願いを、想いを、聞いてやる』

『……うん』

『お前の口から聞かせてもらおう。さあ、何を望む? 』

 凄く、説得力があった。その微笑みは、いつか本で読んだ魔王みたいだったけど、素敵だって思った。信じていいって思った。信じたいって思った。だから、

『……お父さんとお母さんと、笑ってたい。家族で、仲良くしたい……お願い……助けて』

 助けを求めた。名前も知らない、魔王みたいな男の子に。

 それを聞いた男の子は、()()の髪を靡かせて、愉しそうに笑った。



――――――――――――――――――――――――


 目が覚めて3秒で理解した。

「……夢」

 そして隣にいたはずの淵生がいない。もう起きたらしい。

(……いい夢、なのかな……確かに私は、救われた)

 あの夢は、昔の記憶。あの銀髪の少年の事は両親と幼なじみ以外信じてはくれなかった。まあ、当たり前であろう。

(……突然目の前に現れた、なんて、信じてくれるわけないものね)

 懐かしさに浸っていると、声がした。

「おはようさん。抱き枕にすんのは構わんが、俺は豆腐ぶつけられただけで死ぬんだ。今度は加減してくれよ? 」

「……おはよう、淵生。ごめんなさい」

 愛しい人の声。聞くだけで頬が緩む。あと、また一緒に寝てくれると言ってくれているのも嬉しい。普段は理不尽だけど、優しいところが隠されていない。彼のこういう所が、信者達も好きなところなんだろう。

「よし。……さて、表情直せ、着替えろ。待っててやるから飯行くぞ」

「うん」

 今日から訓練。戦争のために。怖いけど、彼がいれば何とかなる、気がする。

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