表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/62

ヤルヤル詐欺と良い人

久しぶりに星がきれいに輝いている夜のことでした

今日もオコゲでにぎわった林檎の歌でしたが、お店はお客も帰って一段落して時計を見ると朝方の1時でした

小町ママはお店のドアに鍵をかけてお疲れさんのビールを飲もうとしていました鍵をかけたお店のドアがガタガタと音がします 誰か開けようとしていました

小町ママは「アレレ誰よこんなに遅く」思いながらもドアの鍵を開けました

そこに立っていたお客は、星の王子様でもなく、神様でもありませんでした

山下家のご主人が一人で少し疲れた顔をして立っていました

小町ママ「お入りなさい」優しく向かい入れました

山下家のご主人「遅いのに迷惑かけるね」

言いながらカウンターの右隅に座りましたそこの席が何時も山下家のご主人の座る席です

小町ママはすぐに「いいのよ 私も一杯飲むつもりお付き合いして山下のパパ」そう言うと二杯の無鉛クリスタルグラスのショートを出しました

小町ママはなんとなくライムジュウスを飲みたくて「ビタミン不足はお肌に悪い」

ライムを買ってきました 買ってきたライムを半分に切り無鉛のクリスタルグラスのふちに半分に切ったライムを丁寧になすりつけました 日本酒「春日山」を注いで それから残ったライムを絞って無縁クリスタルグラスにしぼりました ふちになすりつけたライムに少しのシュガーを付けて飲ム人はオツよと小町ママのご推薦で山下家のご主人が林檎の歌に来ると必ず飲みました 

山下家のご主人は口当たりがよく日本酒が引き立っていてライムの香りが素晴らしいと褒めながら飲みます かなり気に入っているようでした

少し飲んで、小町ママは山下家のご主人の様子が何時もとは違うことに気が付きました

「山下のパパ今日はどうかしたの?」聞いてみました

小町ママはお酒が入ると山下のパパと呼ぶようになります

山下のパパは「う~ん う~ん」と唸るばかりでした

小町ママは「何かあるなら言っちゃいなさい スッキリするわよ」

話を聞く気満々で「まさか便秘じゃないでしょうね」もし便秘だったら素晴らしく効くスムージー作るわよ

山下のパパは小町ママの質問に「違う」と言いました 「私には言えないことなのね」山下のパパ「今ままでになく腹がって気分がすぐれない 二度と話をする気もない」ひどくご立腹です

小町ママは「騙されたのね」 山下のパパに向かってはっきり言いました

山下のパパ「鋭いね~ママは そうなんだよ」小町ママが「いくらやられたの?」

山下のパパは「全部初めから話すよ 聞いて」涙ぐんでいました

山下のパパは会社の代表者でした他に保険を扱っている部署がありました

担当社員は一人で山下家のご御主人の義弟が担当していました

口下手で営業がうまくありません まじめすぎると言うか 農協か漁業組合当たりに勤務する方が適当と思いましたが まあ身内ですから 

夏の始め頃なのに妙に蒸し暑いひでした 事務所にヒヨッコリ大林ズルマサ君が現れて何か言いたそうでした

山下のパパはないか相談でもあるのかなと聞きました

大林ズルマサ君は「ここで保険の勉強をさせてくれないか?」と言いました

この年代になってもまだ勉強したいことがあるんだと思い「良いよ」と返事をしたそうです

小町ママは「どうしてそんなにズルイ人だと見抜けなかったの」少し口を尖がらせて言いました 

大林君はとても良い人ぶっていてズルだとは気が付くすきも与えませんでした

保険の担当者のことも仕事は出来るかと聞かれました

私は営業があまりうまくないが真面目すぎるくらい真面目だと隠し事をするつもりもなく 正直に話した

大林ズルマサ君はそうかそれなら俺が教えよう 教えさせてくれと熱心に言った 何も考えずにそれではお願をしますと頼みました

よく考えてみれば大林ズルマサ君は自分が保険の勉強をしに来たはずでした

何とか潜り込もうと考えていた大林ズルマサ君にとって好都合だったに違いありません

大林ズルマサ君は結果的に何もしません 出来ませんでした

他に保険部の担当者と話をしていると大林ズルマサ君は必ず俺がヤルから俺が行くからと言いましたが全く実行されませんでした 結果論ですが

ヤルヤル詐欺 後で分かったことです

大林ズルマサ君が来て少し経ってから経理のナガシマ君の様子を聞いてきました

「仕事が出来るのか?」そして今度は経理のナガシマ君に社長はどうか「仕事しているのか?」 二人で内緒話をするようになってからナガシマ君と仲良くするようになっていったそうです

そしてパジャマだとかTシャツだとかをくれたので 貰ってしまいましたと頭を垂れて報告しました 小町ママはつまりモノスゴク安いもので買収された訳よね 鋭く分析しました

そんなことをしているうちに大林ズルマサ君は経理のナガシマ君に社長はゴルフクラブを買ったようだけど会社の経費で落としているのか?等と聞くようになりました

会社はメインのは製紙会社の仕事で社員数は10人ほどです それでも何とか全員で食べていける状態でした

作業服も大林ズルマサ君が来る前は別にところに注文していました

大林ズルベーが来て社長話が有る「作業服を自分の所でやらせてほしい」と話がありました 現在作業服を注文して居る所は大した付き合いもなかったので

大林ズルマサ君の所から取ることにしました

大林ズルマサ君「今までの金額と一緒でいいよ」で値段も決めてしまいましたが大林ズルマサ君は作業服の値段は経理のナガシマに探りを入れて聞きだしていたと後から分かりました

小町ママ「ああぁ!見積書は必ず取るのよ商売の鉄則よ」その通りだと思いました「毎回取るのよ請求書はキチンと目を通しているの」質問に答えられませんでした経営者としての甘さが見事に出た出来事でした

小町ママは「それからね だめよ 友達とはカネの行き来はしないことよ

はっきり言いました

大林ズルマサ君が

「冬服を取る時なので冬の作業服はどうしたらよいか」聞きました

「何時も現場の責任者が決めることになっている」と伝えました

大林ズルマサ君は急いで現場に行くと言って出かけました

何日か経って出てきた請求書を観ました 作業服ズボン 作業上着 Tシャツが2枚計6人分の請求書がきました それも私には見せずに直接経理に持って行って相談してある とのことでした Tシャツ等は買って支給したことはありません 

そんなことをしたら下着もパンツ ももひき も 靴下も全部になりかねません

現場の責任者に後で聞いてみたところ「Tシャツは有った方が便利だよね俺が社長に報告しておくから貰っておきな」と言って半ば強引に注文させられたことが分かった

「俺が社長に報告しておく」が現場から報告が上がらないように仕向ける騙しの手口でした

大林ズルマサ君はきっと夏に売れなくて余ったTシャツを現場の責任者をだまして売ってしまった

それ以来大林ズルマサ君からは作業服その他一切購入はしていない

小町ママは「そう言うことはずるい奴は観ているのよ だめよ他人任せは」

大林ズルマサ君は他にも騙そうともくろみがあった

「うっかりいい人だと本人が何回も言ってので良い人に思えてしまった」と

小町ママに行ったら「相変わらずいい人ね 感謝 感謝などとわざと聞こえるように言う奴は気をつけるのよ~」

それからしばらくして投資してあったカネが少し増えて帰って来たと経理のナガシマから報告がありましたが事務所内で聞いていました それを大林ズルマサ君が耳を大きくして聞いていたとは・・

次の日大林ズルマサ君が何時もは10時出社なのに珍しく早く会社にきました 

私に話があるからちょっと外に出ないかと 近くの歩道にあるベンチに誘われました 大林ズルマサ君が言うには「洋服の問屋に借金が有って支払えないので

個人破産をしなくてはならない」と言いました 「だから会社の手伝いが出来なくなる 自宅も売らなければならない」と真顔で話しました

いろんなことでひっかけられていたので今度ははっきり分かりました

昨日戻って来たカネ目当てだとはっきり分かりました 「そう大変だ頑張って」

と言っておきました しかし何時まで経っても個人破産はしませんでした

小町ママは「カネ貸しちゃあだめよ 絶対に山下のパパいい人ね~」

分かったことは大林ズルマサ君は「カネを貸してくれ」とは言わない 「カネを出してやってほしい」 もしくは「カネがなくて困ってるだから奥さんが店を閉めた後お風呂屋に掃除に行っている少しでも稼がないと」そう言われて保険の勉強をさせてやるつもりがいつの間にか給料を払っていました

時間は朝10時から15時まで 土日月曜日休み 20日勤務 月20万の給料

小町ママは「時間給2千円!やだー私が明日から行く~」

山下のパパは「電話番だけだよ」「いいわ いいわ行く 私行く」

小町ママはそう言っても午前中に起きた試しはありません

後から他の人に話を聞いて大林ズルマサ君のやり口がはっきり分かりました

大林ズルマサ君は決して他の人がいる場所とか事務所内では大事な話はしません

必ず外に呼び出して2人だけで話します 特にカネの話はそうでした

そして 問題を指摘されると「俺はそんなことは言わない」と逃げ道を作ってありました 他に聞いている人が居ないからどのようにも言えます 

これが大林ズルマサ君の騙しのテクニックでした

小町ママは 山下のパパ「勉強代安かったわね ほほほほ・・」

笑っていましたが何時か仇討 を 目が光っていた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ