路地とプププッー
リリアンのお店とソロモンの宝は並んでました
リリアンとソロモンの宝の間には半間ほどの路地がありました
路地は行き止まりの未だに舗装されてません
誰の持ち物なのか分らない路地でした
誰の持ち物か調べるつもりもありません
そこに一本のカクレミノという木がありました
カクレミノという木は夏になると気づかないような花を枝に一週間ぐらい付けます
はかわいそうに咲く花に何十年にも渡り誰も気が付いた人は居ませんでした
カクレミノは葵の二十歳で処女のママが来たときにはすでに同じ場所にありました
葵のママ
天狗様がいたの
葵のママ以外はカクレミノにいた天狗様を知っている人は他には誰も居ません
残念ながらカクレミノも昨年の冬 雪の降る日に一生を精一杯生きたかのように息絶えました
今は何も植えてありません
七月終わり頃カクレミノがあった場所にツルが地を這うように伸びてきたのを発見しました
何のツルなのか分からないでいました
八月の中旬にツルに小さい黄色の花が咲きました
八月の終わりころになると葉っぱの影に隠れるように実がなってました
実はたてじまのもようがみえました
葉っぱを恐る恐るそう〜とめくりました
発見したのはまぎれもなく小さいながらも頑張っているスイカでした
それからが大変です
おネエ通りでは毎日お店に出てくるのが早くなりました
早く大きくな〜あれ!
励ましてその周辺に出てきた雑草を取ったりしました
スイカの周辺を葵のママが首を縦に振りながら見回って居ました
葵のママ
ふ〜ん ふん ふん うんうん
大きくなる頑張っているスイカを可愛がって見守ってきました
おネエ通りでは素晴らしい喜びを感じながら楽しみに待ってました
誰が行き止まりの路地にスイカを植えたのか?
種をまいたのか?
という話が持ちあがりました
結局分かりませんでした
いかにも頑張っていると言わんばかりのスイカの素性は疑問符のままでした
頑張っているスイカはのびのびとすくすくと12センチ位に成長してきました
大喜びのおネエ通りでした
葵のママが実はスイカを食べながら路地を歩いたと話しました
葵のママがプププッ--と上品に種を飛ばしたのは私だと申し出ました
だから自分のスイカだとは言いません
素性はやや判明してやれやれと思いました
それから3日ほどたって事件が起きました
行き止まりの路地に有った頑張っているスイカが突然消えました
スイカはどこえ行ったのか?ひとさわぎが起きました
誰が取ってしまったのか?その不届き者は判明しませんでした
一番あやしいのは葵のママです
葵のママ
わたしゃスイカはキライいよ
誰も聞きもしないことを言い回ってました
葵のママはプププッ--を忘れてました
スイカは・美味しかったのか・甘かったのか・赤かったのか・分らないままでした
一番がっかりしたのはお花のママでした
行き止まりの路地を突き当りまで何回も行ったり来たりしてました
いかにも頑張ってるスイカが在った場所を何回も見てまわってました
お花のママ
はあ〜〜あ〜
最後に大きなため息を吐いて内またでトボトボとお店に帰って行きました
二番目に力を落としたのはソロモンの宝の弘田三枝子に良く似たミコちゃんでした
満月の夜お客とお店の外に勝手に縁台を出してスイカをずうずうしくも食べるつもりでした
おネエ通りでは突然消えてしまったスイカを取ってしまった犯人が分かりません
おネエ通りのおネエさん達が集まって犯人探しをすることになりました
スイカの犯人を探すためにおネエ通りのお店の全員が集まる日にちを決める事になりました
お花のママとミコちゃんと小町ママとレミママとペガサスのママが話し合いをしました
明後日の午後三時にドレミファソラシドで会合を開くことに決まりました
その結果をでしゃばりのペガサスのママが葵のママに一番に伝えに行きました
ペガサスのママ
明後日の午後三時にドレミファソラシドのお店に集合して欲しいの
葵のママ
御前会議だね
ペガサスのママに嬉しそうに答えました
ペガサスのママ
違うわよ午後の三時よ木曜日のぉ〜
もう一度確認をするように話しました
葵のママ
分かってっるよ だから御前会議って
うるさそうに言うので仕方なしもう一度伝えました
ペガサスのママ
それじゃ〜お願いね!午後三時に
念押しをしました
しかしペガサスのでしゃばりのママは本当に分かったのか心配でした
ペガサスのママ
そうだ!少し早めに来て一緒に行こう
独り言をいいながら葵のお店を後にしたでしゃばりのペガサスのママでした