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手みやげと無かった話

おネエ様方大募集

おネエ通り発展振興会

住所 自分で探し出すこと

電話 上記に同じ


募集要項

年齢条件  無制限

体格    条件なし

面接場所  やたら

    

詳細

その1 職種 おネエ


その2 中途半端 無責任でも可


その3 お酒を飲める人又は酔った振りが出来る人


その4 履歴書持参(偽りの履歴も記入可)写真(不要)


その5 親族 友人 知人におネエが居る人は特別優遇


その6 社会保障 (国民健康保険 国民年金)は自己責任で加入  


その7 国籍 人種 一切問わず


その8 営業時間その他 やりたい放題


必要条件

その1 女らしく 時々男らしく華麗にふてぶてしくしたたかに生きることが出来ること   


その2 地球上のすべての生物にこよなく愛を持って接すること


その3 新聞を必ず毎日二紙以上読むこと


その4 ファッションメイク話術判断力が有りそしていきであること


その5 ただちに感謝感激が出来ること


その6 厚化粧ができること


その7 後ろ指を差されても平気で居られること(後ろ指を差すのは自由)


その8  嘘泣きができること


その9  雑食性であること


参考条件     


必要とされるのは女らしさです


女性よりも女らしく生きられること


差別では有りませんが女性はおネエには適してません


女性はオナベ又はオコゲになる事をご提案します


オコゲ希望の方はお気に入りのお店に直接出向いていただく事を激しく希望します


オコゲ希望者は履歴書不要です


やや高価な手土産は必需品です


手土産参考   

みずみずしい果物などが喜ばれます


特に千疋屋の三万円以上のマスクメロンもしくはマンゴー国内産に限るなど


特別に舟和の餡子玉も非常に喜ばれます


あくまでもご参考にしてください


    東京都推薦でない

    おネエ通り発展振興会

    会長 高級クラブ葵


でしゃばりのペガサスのママが張り紙をわざわざ数えて回ると22枚ありました


チラシ広告の裏等さまざまな大きさの紙に書かれてました


ペガサスのママが息を切らして葵のお店に行きました


葵のお店に着いたペガサスのママはガニマタでした


ペガサスのママ

ハァ ハァ ハァ


葵のママ

あれ どうしたの 落ち着いて


ペガサスのママ

葵のママ 手書きで22枚も書いたの?


葵のママ

達筆たっぴつすぎてバレたのね 確か23枚書いたの


ペガサスのママは親切に言いました


ペガサスのママ

早く言えば手伝ったのに


葵のママ

でも ママは字書けたかしら?


ペガサスのママ

プゥーーー!


にきびあとの顔に割れ目が出来ました


厚化粧にひびが入ったままガニマタで帰っていきました


葵のママのおネエ大募集が成功だったのかどうか?まったく知る由も在りません


おネエ通りの空いていたお店二件が営業をすることになりました


またまた活気が出てきたおネエ通りです


一軒は紅のママのお店に向かって右隣でした


若いおネエで未だ二十代半ばでした


カウンター8席でそんなに大きいお店ではなくクイーンという名前のお店でした


レースクイーンに興味があるようでした


とてもスタイルのいい美しい現代顔をしているママです


葵のママ

若いのに感心な子だねぇきっと親孝行に違いないよ


すごく気に入ったようでほめちぎってました


もう一軒は他の場所でおネエバーを開いていたのを引越をして来ました


もともとどこにいたのか言いません


新しいお店の名前はポン太と名前をつけてありました


お店の名前がポン太ですからママの呼び名はポンちゃんと自分で決めてありました


今回は葵のママも出番がありませんでした


ポン太のお店のママの名前のことを言いました


葵のママ

川に落ちたようだねえ ポッチャン でしょ


ポンちゃんの住まいは少し離れてました


地下鉄で来て駅からお店まで歩いて来ます


帰りはほとんどタクシーで帰りました


余り遅くなるとお店に泊まってました


帰りのタクシーは何時も同じタクシーと運転手にお願いをしてありました


いつも来る歳を取った運転手のことを執事しつじと呼んでました


お店の開店の前にポン太のママが鎌倉の豊島屋の鳩サブレを持って歩いてました


葵のお店に行きました


ポンちゃん

ポン太です よろしくお願い致します


あいさつすると持ってきた手土産の袋を葵のママの前に出しました


葵のママは差し出された手さげ袋を見ません


葵のママ

だめよ こいう物は受け取らないの


そう言いながら鳩のマークが付いた黄色い手さげ袋の取っ手をつかんで引き寄せてました


ポンちゃん

ママ 私の気持ち


葵のママ

そうなの 遠慮(えんりょ」なしでいただくわ


すでには鳩のマークの付いた手提げ袋から鳩サブレの箱を出してありました


葵のママは豊島屋のもらったばかりの鳩サブレの箱を開きました


特別に川根のお茶も入れました


葵のママ

ポッチャンもお食べよ


ポンちゃん

ママどうぞ お食べになって


葵のママは鳩サブレを真ん中で割ってシッポの方から食べ始めました


葵のママ

豊島屋の鳩サブレはここが一番美味しいの


大変ご機嫌よくはとサブレを食べました


ポンちゃがカウンターの奥に目を見ると張り紙がしてありました


何時もニコニコ現金払い あなたもニコニコお店もニコニコ


書いて有るのが見えました


ポンちゃんは葵のママに言いました


ポンちゃん

ママ そろそろカードにしたら


やさしく言いました


葵のママは財布を取り出しました


財布の中から古くて何が書いてあるか分からないカードをポンちゃんに見せました


葵のママ

カードなら早くから持っているよ


ポンちゃん

あれ〜え〜


得意そうにテレホンカードを出したのを見て話は無かったことにしました


葵のママはすこぶるご機嫌がよくイズミカルにポンちゃんに言いました


葵のママ

ちょいと♪ お待ちよ♪ 車屋さん〜


歌いながら席を立ってカウンターの奥の方でごそごそと探し物をしてました


探していた物が有った様子です


葵のママ

ヘエヘエ〜ここに在ったかい


何かビニール袋を取り出しました


ビニール袋はほこりまみれでした


葵のママ

ふうーうーうー


ビニール袋のほこりを思いっきり吹き飛ばしました


葵のママ

ああああ れれ


ポンちゃん

ママどうしたの?


葵のママ

「え え え ちょっとめまいが 大丈夫よ そんな歳じゃないから」


ポンちゃん

ママ 無理しないでね


葵のママ

私は ムリとムダと虫がキライなのよ


今度は時間を掛けてビニール袋のかたくとじた結び目をようやく解きました


中から割合きれいな梅の模様もようの千代紙に何かつつんでありました


包んである千代紙をていねいに開けました


真ん中に割かし大きく「賜」と書かれた四角の白い箱が出てきました


それをカウンターの上に乗せしばらく両手を合わました


箱をポンちゃんに両手で箱を渡しました


ポンちゃんが持っている白い箱のふたを葵のママはゆっくりだいじに取りました


中から真ん中に菊の紋章が印刷されタバコが出てきました


所々カビが見えました


良く見ると一本欠けてました


それを葵のママははっきりした口調で言いました


葵のママ

恩賜煙草おんしのたばこである!のよ


タバコを両手で頭の上までうやうやしく上げました


皇居に勤労奉仕に行ったときにたまわったとても大切な物だと説明をしました


葵のママ

今まで見せたことも空けたこともないの神棚に置くべき物なのよ


ポンちゃん

そうなの 始めてみるわ


葵のママ

いただくときも御紋章は燃やしてはいけないのよ!


いかにも大切そうにポンちゃんに説明をしました


ポンちゃんは一本欠けていることが気になりました


ポンちゃん

九本入りなの?


葵のママに聞いてみました


葵のママ

十本入りよ


答えました


閉めかけた恩賜の煙草の蓋をもう一度ていねいに開けました


葵のママ

一本 二本 三本 四本 五本 六本 七個 八個 九・ ん


こわれ物にさわるように大切に数えました


やはり九本しかありませんでした


葵のママ

そうだ!天狗様が持っていったに違いないわ


天狗様の責任にして恩師の煙草の物語はようやく終りました


おネエ大募集と書かれた23枚目の張り紙はお店の一番奥に張ってありました

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