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エッヘンと父の形見

林檎の歌から四件目に空き地があります


昔オリオンというお店でした


オリオンのお店のママはオーちゃんと呼ばれてました


葵のママと小町ママが話しをしてました


葵のママ

オーちゃんは出す物はキライで舌を出すのもイヤがって風呂に入って首も出さなかったのよ!


小町ママ

いやだ お亡くなりになったの


葵のママ

そうじゃないのよ お金一番 命二番 心三番ね


小町ママ

もしもし


葵のママ

お店のミネラルウオーターも水道水なのよ


小町ママ

風の便りで金を残して千葉県に土地を買って喫茶店を開いているって聞いたわ


葵のママ

命二番だからもう亡くなったかしら


小町ママ

私は心一番よ


葵のママ

オーちゃんみたいなケチいないわ お金を残すおネエなんてえげつないわよ!私のお店は毎日赤字なの!


なげいてます


葵のママ

お店の名前も葵から赤に変えよう〜髪の色も真っ赤にして真っ赤な振袖着てくるわ


素晴らしいしい発言をしました


オリオンというお店が在った場所は建物を大家さんが取りこわしそのままになってました


オリオンのお店があった隣には静かにポツンと一軒のお店がありました


源氏名は富佐子と言ってどうも誰かの名前のようでした


ふさちゃんと呼ばれてました


少しひげが濃いのと足のすね毛がもう少し薄ければ美しく見えるママです


足のすね毛を気にしてパンツスーツ姿で後ろから見るとキャリアウーマンに見えました


スカートの時は黒いパンティストッキングをはいてました


自分ですね毛を抜いてみたところ片足も終わらないうちに痛くてがまんできません


それからはエステチックサロンに行って脱毛をします


ふさちゃんはお店の二階に住んでました


ダイエットだとバタンバタン何か運動をしている音が外まで(ひび)いてました


ふさちゃん

太るのは体質なのよ!


太ることは食べすぎじゃないと言ってました


お店に出るときはしずしずと来ます


少しでもお酒が入ると元気になっておしゃべりをしてうさぎのように飛びはねました


お店の名前はひらがなで うさぎ と書きました


店内はカウンター五席でママがお酒を飲んだとき意外は非常に静かなお店でした


おネエは自分の過去を話すことはあまり好きではありません


ふさちゃんは自分のことを隠そうとしないでむずかしい顔をして過去を語りました


ふさちゃんがまだ男だったころ相思相愛そうしそうあいの彼女がいました


幸せが絶頂の時お付き合いしていることが彼女の家に見つかります


格式が高い彼女の家では猛反対をしました


結婚どころか会うことも許されませんでした


ある日格式高い家からだんな様のお使いの者だという一人の男が来ました


お使いの者

結婚とは家と家のつながりで家格の問題である


ふさちゃん

はあ~ああ


お使いの者

エッヘン!だんな様がそのように話をして来る様にと・ここでもう一度エッヘン!と言いました


ふさちゃんは口では言い表せないほど落ち込みました


心の中でガッチャ〜ンと何かが壊れる音が聞こえました


もうこの世の終わりだと思い死が長い間頭の中から離れませんでした


生き地獄を味わいそれからの生き方考え方を変えました


それから一年位して彼女は病気で亡くなったと聞きました


ふさちゃんには彼女は自ら死を選んだのだと思いました


それ以来彼女になって生きる決心をして女になりました


地方を転々としておネエの修行を今のお店にたどり着きました


ふさちゃんは骨董こっとう等古い物を集める趣味が有ります


歳をとったら骨董とコーヒーのお店を出そうと大それない夢を持ってました


骨董とか古い物を集めるようになったのはすでに亡くなっている父親の趣味が原因でした


ふさちゃんはかなり若い頃からよく父親の骨董を見て来ました


父親が亡くなった時にも集めた骨董がありました


兄弟と身内

そんなゴミどうしようもない


誰も引き取りませんでした


仕方なしふさちゃんが全部引き取って自分の部屋の中に押し込んで置きました


父親の形見だと思って整理しているうちにその世界に引き込まれて行きました

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