オコゲと幸せそうな顔
ドレミファソラシドのお店ではおネエさん方とそれぞれオコゲ同伴で日帰り旅行に出かけます
一年に一度の大イベントです
軽井沢つるや旅館の手前の軽井沢ショピングアレイに立ち寄りました
中庭が有る通りの突き当たりにシブレットという喫茶店が有りました
てんねんの氷で作ったカキ氷がすごく美味しいと聞いた一行はシブレットに立ち寄りました
ミルクイチゴの天然のカキ氷を注文しました
北アルプスのような高さと気高さの盛り付けとその天燃氷の味におどろきました
美味しい 美味しい 美味しい
たくさん書きたくなる位のノートが必要でした
中学生の頃大好きな美代ちゃんの名前をノートにたくさん書いたことをお思い出しました
気高く出された天然のカキ氷をスルスルと飲み込むように食べました
頭が痛くなった人は誰も居ませんでした
一緒に旅行に行ったのはレミママと 鈴子ネエさん 夕子ネエさん カレンちゃんです
それとそれぞれおネエに2人や3人必ずついているオコゲと今回はオコゲ友達も一緒でした
行きがけに大宮で乗り換え新幹線あさま509号の座席指定席に乗りました
座ってすぐに戦前からおネエをやっている葵のママの話になりました
レミママ
ババアの歳は80を超えているわよねえ〜ばけものよお〜
オコゲ
お店の名前も“葵じゃなくて“怪にした方が・・
鈴子ネエさんもそれに続きました
居ない人の悪口を言い合いました
おネエは居ない人の悪口を言うのは普通のことです
悪口を言いながら軽井沢の旅行も楽しく終わりました
ドレミファソラシドのカレンちゃんが笑顔で葵のお店に来ました
美味しそうなモモを持ってます
何かとっても素晴らしいことが有ったと思われるような軽やかな足取りでした
お店に入ると葵のママがカレンちゃんを見てニッコリ微笑みました
葵のママ
「おや カレンちゃんうれしそうだね 何か良い事でもあったの」
カレンちゃんもニッコリ微笑んで美味しそうな黄金モモをママの前に出しました
カレンちゃん
どうぞ召し上がれ!とても美味しい桃なの
ご機嫌に手渡しました
葵のママはモモは少し時期はずれで遅い かしら?と思いました
カレンちゃんのやさしい お申し出なのでいつものように早速にいただくことにしました
葵のママ
おかけなさい
葵のママはカウンターの中に入り黄金モモの皮をむき始めました
すぐ黄金モモの皮を剥いている間に香りとみずみずしさが分かりました
葵のママ
いや〜これは美味しそうね〜
カレンちゃんから差し入れのあった黄金モモの皮をスルスルとむき終わりました
モモを八等分にして見事に種からはがします
カレンちゃんは葵のママの見事な腕前に見とれていました
葵のママは桃をカレンちゃんの前に大事そうに差し出しました
モモを見ると赤いふちの付いたキレイなお皿に乗せて二本の黒文字を刺してあります
カレンちゃん
どうぞ ママ召し上がれ!
やさしく言いました
葵のママ
そう いただくわ
葵のママは遠慮しないでいただきました
食べてみたら うまい こと おいしい事 美しいこ言葉では言いあらわせません
葵のママの口に シュッ〜シュッ〜と美味しい黄金モモが吸い込まれて行きました
カレンちゃんは楽しそうに見てました
黄金モモもいよいよ残りが一切れになると葵のママは遠慮しないでシュッーと飲み込みました
葵のママ
ちそうさま!
最後の一切れも見事に吸い込んで黄金桃は終了しました
赤いふちの付いたお皿の上に黄金モモの代わりに幸せそうな葵のママの顔が在りました
食べ終わった後 幸せそうな顔のママはカレンちゃんにたずねます
葵のママ
どこで買ったの?
カレンちゃん
インターネットなの
まだ幸せそうな顔の葵のママは分からない様子でした
葵のママ
イ?ネット・?クラリネットなら分るけど?
優しいカレンちゃんはゆっくり説明しました
パソコンでいろんな所を見ていると美味しそうな黄金モモにたどり着きました
気がつくとクレジットカードのナンバーを打ち込んでました
翌々日のまだ早い午前中カレンちゃんのところに岡山県の農場からの見事な黄金モモに起こされました
配達してくれた優しそうなお兄さんが申し訳なそうにしてくれました
岡山からはるばる来た黄金モモを許すことにしました
そして岡山から来た黄金モモを冷蔵庫に入れて冷やしました
少し冷たくなってから葵のママのところに持って行きました
一番先に黄金モモを持ってお邪魔したカレンちゃんの優しい説明を聞いてました
葵のママ
便利な世の中になったねぇでも見もしないで買って大丈夫かい?
ひどく感心すると同時に葵のママらしい心配をしました
カレンちゃん
大丈夫よ
葵のママ
想像もつかなよ どっこい しょ〜お〜
左側にかしげた首をそのまましばらく居た葵のママでした
かしげた頭を左手で元に戻すと子供の頃を静かに話し始めます