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説得のような何か。

「話聞けよ」

「僕は……僕は……」


10分間くらいずっとブツブツとしゃべり続けている。気持ち悪い事この上ない。


(もう面倒だな。適当に能力使って把握するか)


人体評本ヒューマンブック


この男の人生を本としたものを生み出す。そこそこ便利な能力だが、まぁ他の下位互換になってる感はある。


本の主の声をBGMとしながら伝記を読む。


なんともまぁ悲惨な人生だ。そこそこにな。親は早くも他界し、子供の頃も能力が原因でいじめられてきたそうだ。


だが、俺の同情を買う程ではない。悲しいと言えば悲しいが、それなりにありふれている物語だ。殺されかけたとか、そんな感じだとそこそこ面白かったのだが、特に命の危機もないままにイジメられ、で、ちょっと優しくされただけで依存してそいつに尽くしているとかほざいているストーカーに変わりはないだから。


「詰まらん人生だな。悲しくないのか?」

「貴様に何が分かるというのだ!?」


急に首をグリン!と回しこっちを物凄い形相で睨みつけて来た。まるで町中で暴れまわる精神異常者キチガイのようだ。


「さぁ?」

「貴様ァ!」


こっちを殴りつけてくる。


ガン!


鉄をハンマーでたたいたような音が響く。俺の皮膚は現在鉄などの金属と同等の硬度になっているため、ただの人間では皮膚を傷つける事すらできない。


「あぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」

「うるせぇ黙ってろ」


喉から音を発せないようにする。まぁその空間の原子を固定するだけの簡単な動作であるため一瞬で終わる。


「―――!?!?――!!?」

「声なくてもうるさいなお前。とりあえず話聞け」


とりあえず体の制御権奪い、対面のソファに座らせる。


『動くな』


言霊やっぱ便利だわ。というかわざわざ物質操作しなくても言霊でよかったじゃん。ボケたかな。概念にそんなものあるのかは知らんが。


「とりあえず俺の話を聞け、OK?」

「――!?」


頭の中に言葉叩き込んでやろうか。面倒だし。いやでもまぁ言葉による対話が必要か。テレパシーとかはっきり言って不快感半端じゃないし。


頭の中に直接声を叩き込まれるというのはかなりストレスを感じるからな。


「さて、お前、どうやら結構に不幸な奴みたいだな?」

「――」

「で、ちょっと優しくされたらコロっと惚れちゃったと」

「―――!!!!」


物凄い怒ってるっぽいがどうでもいい。外傷すらつけられない奴に何が出来るというのだ。


「ま、いい。話聞いてたならまぁ分かってるだろ?明日、警備員のフリをするからちょい離れた隙に俺を狙って殺しに来い。全力で。ナイフとか鉄パイプ使っていいぞむしろそれを推奨する」

「――」


当たり前だ、というような目線でこっちを睨んでくる。


「その時に、お前に反省と罪悪感を埋め込むから警察に捕まって来い」

「――――」


嫌だね、とでもいいそうな顔だ。まぁ言えないのだが。


で、そのあと普通に開放した。実際、どうとでもなる問題だしな。

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