4話 話が進まないんですけど…
何とか今日中に書けました。
前回少なくなったので少し多めですが、サブタイ通り話はあまり進みません。
さっきまでとても幸せな時間を過ごしていたのに、そろそろそんな事も終わりを迎えそうだ。
なぜなら神殿というべきものが見えてきたからだ。
「やっと着いたというべきか、もう着いてしまったというべきか」
「いやいや飛べば10分かからない所からどんだけ時間かけて来てるんですか」
「だって羽ないし俺、いいよー別にティナリーゼだけ1人で行って来ても、なんかするんでしょ?」
「いじけないで下さいよ〜、ごめんなさい和谷様と仲良くなれたし、私もとても楽しい時間でした」
ティナリーゼさんはもう少し警戒した方がいい、これだから天然はまったく。
少し溜め息を吐きながらやれやれと手をひらひらさせる志露賀。
一方無言で前を飛びながら先導してたティナリーゼは自分で言いながら顔を真っ赤にして俯いていた。
あれから10分くらい会話もなく歩いているとやっと入り口と思われる荘厳な扉の前に着いた。
神殿の形は純白のノイシュバンシュタイン城っぽくて、所々に金の装飾が施されてて、
扉は縦長のアーチ状で、縦6m横4mくらいの観音開きタイプだ。
近くで見ると圧巻だなーと思っていたら、扉がズズズッと音を立てながら開き始めていた。
とりあえずティナリーゼのほうを見てみると、出会った時の微笑みは消えて真剣味のある無表情となっていた。
「和谷様どうぞ入られてください」
少し不気味になったティナリーゼに言われ、恐る恐る中に踏み入れると、そこには数人の天使と1人だけスポットライトのように光に包まれた神々しい方がいた。
「あれ絶対神様だよね?」
「和谷様、本当に失礼の無いようにして下さいね!」
「えーでも俺神様とか信じてなかったし、ある意味神様から見放されて死んだようなものだし」
「そんなこと言わずに、絶対のお願いですから!」
「なら貸しにしとくからね」
ため息をつきながら了承する志露賀に、明らかにホッとしたティナリーゼ。
それを見て微笑を浮かべる神様っぽい人。
「俺やっぱ無理かも」
いきなりのリタイアをした志露賀。
ティナリーゼは慌てて理由を聞くと、
「俺やましい事しすぎて居心地悪いんだよね」
と苦笑いをしながら言う志露賀を見てティナリーゼが少し悩み、上目遣いで言った。
「私も一緒ならいけますか?」
あざとい、あざと可愛すぎるよティナリーゼさん。
ティナリーゼ自身は、知らない所に1人だと心細いかと思い、着いて行くと言っただけだった。
そんな事は露知らず志露賀の不安は無くなった。
扉から真っ直ぐ通路の奥にいる神様っぽい人が、にこにこしながら手招きしている。
神様っぽい人の両脇にすごい綺麗な天使が2人目を閉じて佇んでいる。
その手招きに応じ、志露賀達はとりあえず神様っぽい人の5m手前くらいまで進んだ。
「和谷様立ち止まって、和谷様の生きていた頃の場所の最敬礼をして下さい」
えっ何それ、高校生に最敬礼しろと言われてもなぁー。
志露賀は数歩進んで、自分の思う一番の敬礼をしてみた。
それは腰の角度90度の直角のお辞儀だった。
「面を上げよ、若き人族よそなたの名は何というのだ?」
神々しい神様っぽい人、ていうか神様は見た目が20代でとても色白でティナリーゼが着てる服と同じのを着ていた、髪は美しく穢れなど知らない新雪のような白い髪で後ろ髪を結ってお団子纏めてある。
顔は顔のラインがすっきりとして桜色の綺麗な唇が白い肌にとっても合っている、目も綺麗な深紅の目をぱっちりと開いているが可愛いというより凛々しいという感じだ。
そんな感想を抱きながら、少しだけ顔を上げて目を合わせると突然目の前に人ではなく脇にいた天使がすごい剣幕で立っていた。
「人族風情がニシア様と目線を合わせるなどと、図にのるな」
「ごごごめんなさい」
謝罪大事謝罪大事、とりあえず社畜国家出身の身としてまず謝ってみたけど、次やったら殺されそうな感じで見られたんだけど。
「良いから下がれミア、お前の方こそ出しゃばるな」
神様に神対応されたよ。
「改めまして、ひっ日本人の和谷 志露賀と言います」
ミアと呼ばれた左側の天使がすごい睨みつけてくる。
「なるほど志露賀というのか、ほぉー」
興味深そうにジロジロ志露賀を見ながら話しかけてくる神様もといニシア様。
「ところで、天界には何用かな?志露賀」
「えっニシア様が呼んだんじゃっ!ひっ」
不意に殺意を向けられ、咄嗟にその方向を見た。
「ニシア様などど気安く人族風情が呼ぶんでないわ!」
「ごごごごめんなさいミアさん」
「私の名前も呼ぶな!」
「ごごめんなさい」
ミアさんすっげぇ怖いよ…。
「良いからもう口を挟むなミアよ、それで私が呼んだとはどういう事だ?」
「ティナリーゼからは聞いてないんですか?」
そう言いながらティナリーゼの方を向いたが、ティナリーゼは膝立ちで忠誠を誓うような格好で固まっていた。
「あのー、ティナリーゼさん?生きてますかー?」
「そいつはまだ動けんよ」
「どういう事ですか?」
ティナリーゼは固まったままだが、代わりにニシア様が答えた。
「そいつはな、まだ天使位階が低いので私の身から出ている神気に対応出来ていないから固まっているだけだ、安心して良い」
いきなりゲーム感増した気がするけど一旦そこは置いとこう、そのゴッドソウルとやらが俺に効いてないのは何故なんだ?そしてエンジェルランクって何?
「志露賀は知らなそうだから教えてやろう、天使位階とはその名の通り天使族のランクだ、主に上級、中級、下級に別れている。
そして神気に抵抗出来るランクは上級からだからまだ下級のそいつには抵抗など全く出来ん」
「一応の確認なんですが俺には効いてない様な気がするんですけど」
「それは人族は元々神に信仰という概念が遺伝子に組み込まれているからな、天使族と違い寿命も短く何より神に反抗し堕天使とかにはならんしな」
要は、天使族から堕天使が出た場合の予防策とかで、人族は元々神には逆らえないように作られているって感じかな。
「ティナリーゼさんって下級天使だったんだ、ちなみに年齢とかってどのくらいなんですか?」
今のうちに聞いておこう、あくまで興味本位だ。
「ん〜と、確か下級は人族の数え方だと100歳から1万歳くらい、中級は1万歳から1億歳くらい、上級だと1億以上ってところだな、ちなみにそこのミアは上級だから5億4063歳で、その横のシャリーナは2億8950歳だな!私はシークレットだ!」
なっなるほどねぇー……。
「まあ天使位階は各々の成熟度によって上がるからミアなんか1万6000歳辺りで上級になったから本人の能力次第って所だな」
志露賀はぽかーんとした顔で満足気に笑顔なニシア様を凝視していた。
「ニシア様?なぜ私とミアの年齢を話されたのですか?」
ニシア様の右側に立っている目を閉じた天使が大魔王の様なオーラを放っていた。
ーー数分が経ち、シャリーナの矛が治った所でニシア様が口を開いた。
「そ、そろそろ良いかの?さっきも聞いたが私が呼んだとはどういう事なのだ?」
志露賀は一瞬ハッとした顔をし、直ぐに真面目な顔に戻り日本で殺された事やここまで来た経緯(ティナリーゼさんとの楽しい時間の事は除く)を話し始めた。
次は土曜に上げようと思います。
少し早くなるかもしれませんが、とりあえず頑張ってみます。