3話 ここはやはり天国ですか?
イチャイチャ回です
あれから約1時間歩き続けていた。
「聞いてないよーティナリーゼさん、こんなに歩くなんて、すぐって言ったのにー」
「和谷様は羽をお持ちにならないからこんなに掛かるんですよ!本当なら10分も掛かりませんよ!」
「歩きの時間で教えてくれよ!誰が羽有りの話ししてんだよ!察しろよ!」
「いいから歩いてくださーい」
「飛んでるティナリーゼさんには言われたくないよ」
30cmだけ足下を浮かしているが、羽はほぼ動いていない、それを指摘したのだが
「それは神のみぞ知るですね」
と濁された。
こんな感じで少し距離が縮まったが、神殿まではまだまだ距離が遠いらしい。
「ねぇ、ティナリーゼさん魔法とか道具とか無いの?」
「私にそんな魔法が使えたら、もうとっくに使ってますよ」
「まあティナリーゼさんが居てくれるだけで、俺は歩く気が湧いてくるよ」
「ならもっとスピード上げてくれませんか?」
「スキンシップがあれば、やぶさかでは無いけどなぁー」
ティナリーゼはすうっと僕の頭の上まで飛び上がり、そっと志露賀の肩に肩車のような形に着地した。
「和谷様これなら早くなるんですよね?」
少しドヤ顔をしながら志露賀に乗っかって問いかけるティナリーゼ。
ティナリーゼさん、それはご褒美だ。
「ティナリーゼさん、やはり貴女は女神では?」
「何言ってるんですか?和谷様それは女神様に失礼ですよ」
真面目な顔をしながら顔を上に向けティナリーゼに聞いた志露賀を、嗜めるように言うティナリーゼ。
だが志露賀の狙いは上に向いた時に見えるおっぱいだった。
しかし当然のように気づかないティナリーゼの純真な瞳を見て、つい目を逸らす。
が、何故目を逸らしたのか考え気づいてしまったティナリーゼは顔を真っ赤にしながら。
「和谷様は、私の事を本当に好きなのですか?」
「えっ!まっまあタイプですよ、ティナリーゼさんとても綺麗だから」
焦ったー、何故にデレたんだティナリーゼさん。
ティナリーゼは正面から告白というものを受けた事がなかった。
お世辞も含めて一回もなかった。
だからなのか天使族でも無い志露賀という異性に対してすごく気になっていた。
「とりあえずそろそろ、あのぉーティナリーゼさん降りませんか?」
顔を染め頬に手を当て、妄想をしていたティナリーゼは志露賀の問いかけに気づき、慌てて降りようと飛んだが、脚に変に力が入り太ももが志露賀の顔をしっかりと掴みそのまま5m近くまで上がってしまった。
「はあぁっ⁉︎ごめんなさい、すっすぐ離しますから」
やっとその事に気づき、慌てて離すと地面に仰向けになって幸せそうな笑みをして気絶した少年がいた。
ーーあれ、俺寝ちゃった?確かあの時顔が甘美な匂いに包まれてそのまま天に行ってる気がしたんだけど。
とりあえずティナリーゼさんに迷惑掛けるのも悪いから起きないと。
志露賀は目を覚ますと直後目を見開いた。
「ティナリーゼさんここは天国ですか?」
「何ボケてるんですか?和谷様ここは天界です」
志露賀は、今ティナリーゼの太ももに膝枕をされていた。
それだけでも幸せなのだが、志露賀の目線の先にはお椀型の綺麗な形をしたおっ……、乳道雲があった。
その間から少し顔を覗かせたティナリーゼがこちらを心配そうな顔で見ている。
「これが竜の巣か」
「何言ってるんですか、竜はこんな所にはいませんよ」
「あっすいませんこちらの話です、ところでどのくらい僕は胸ってい……、失礼、眠っていたのですか?」
「ところで、とか真面目な顔して胸見ながら言われてもしかも言い間違えるとか、はぁ〜和谷様はかなりエッチですね」
「まあまあとりあえず質問に答えてくれよ」
「そういうの起きてから言うものですよ」
名残惜しそうに太ももをさすりながら起き上がる志露賀。
そんな志露賀を残念な目を向けながらティナリーゼは志露賀の頭をコツンと軽く小突く。
本人が気づいてるかはわからないが、ティナリーゼは今この時をとても楽しそうに過ごしていた。
その顔を見て志露賀は思った。
これガチ天然パターンだな。
次の回でやっと神殿に着いて物語が進みます。
今日中にUP予定ですのでお待ちを。