2話 あれ?俺生きてた?
本日2話目です。
ある意味本編スタートですが、字数少なめになってしまいました。
ーー意識が戻っていくような気がする。
気がついたら、志露賀は陽だまりのそそぐ、黄色い花の花畑にいた。
身体は傷は無くなっていたが、服が白い肌触りの良い生地で出来た古代ローマ人のような格好になっていた。
確かトガっていうんだったけ。
「天国っていうのかな?ここは」
誰もいないが、とりあえず振って沸いた疑問を呟いてみた。
「いえ、ここは天界ですよ」
不意に背後から女の人の声が聞こえた。
「誰だ、まさかあいつ本当に来やがったのか」
可能性として思ったことを言いながら振り向くと。
天使がいた。
淡くきらめくプラチナブロンドの髪をストレートにして、身長は少し俺より低い165cmくらいで綺麗なエメラルドのような瞳、目鼻立ちのくっきりした綺麗な女性がいた。
格好はこれまた古代ローマ人が着てそうな服(もちろん女性版の方だ)を身にまとい、髪の上に草冠をかぶっているが、一つだけ明らかに違う点があった。
腰辺りに羽があった。
彼女は微笑みながら、こう言った。
「私は、ティナリーゼと申します。残念ですが貴方の仰っている方ではありませんよ」
俺は突然の自己紹介に戸惑い、とりあえず名乗り返した。
「俺は、和谷 志露賀。年齢は17で、好きなタイプは貴女です」
とりあえず相手の見方を見るために戸惑わせることを言ったがどう出るか。
「まあ!そんな事言ってくださるのは和谷様だけです、有り難うございます」
ティナリーゼはとても嬉しそうに微笑む。
志露賀は笑顔のまま思った。
うわー読みづらいタイプだよこれ。
こういうのは大体、腹黒パターンか天然猫被りパターンかガチ天然パターンの3種類なんだけどなぁ。
ティナリーゼが微笑みながら。
「ところでそろそろ移動しませんか?」
「えっどこに?」
「神殿です」
いや、どこだよ。
ティナリーゼさんからいきなりの提案に、条件反射的に聞き返したら一言で返された。
「待たせては悪いので早く行きましょうか」
他にも人がいるっぽいし急いだ方がいいか。
「じゃあ行きましょうか。でどうやっていくんですか?」
「勿論飛んでいきますけど?」
……。
ティナリーゼは和谷に羽がない事に気付き、
「えっと堕天使の方でした?」
「いやえっと人間ですけど」
…………。
「いやいや、和谷様はご冗談がお上手ですね」
「まあティナリーゼさんには負けますけどね」
ティナリーゼは微笑んだ顔が固まり。
志露賀は苦笑いをしながら思った。
あれ?よくわからないぞ?なんでそんな反応なの?
「ととととりあえずは神殿にお越しください」
ティナリーゼは慌てた口調で手を差し伸べた。
まあとりあえず相手のペースは崩せたみたいだな。
志露賀は苦笑いのままそう思った。
今日はとりあえずここまで。
明日投稿する回はイチャイチャシーン多めです。