エピソード2_神武東征
ここは高千穂、日向の戦士、ミチノオミ(ミチ)とオオクメ(クメ)が訓練合宿のなか、ひととき休息をとっている。
「王家の鏡はまさに情報戦力だ。」
「可也山の山幸彦王から玄海灘の海幸彦殿下に光通信を届ける、アマテラスの鏡だ。」
「ミチ殿、イワレ殿下とイツセ隊長の連携も磐石だ。」
「クメ殿、良き訓練基地を得たものだ。熊曾の民は日向国と呼ぶようになった。」
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明けて翌日。
「ミチ殿、ここ高千穂で頼もしい戦士が育ってきた。」
「4期生がヤマトの使者を助けたというが」
「我らに助けを求めて瀬戸内の船旅を続け、満身創痍で筑紫にたどり着いた。」
「助かったのか?」
「ミケヌ殿下のもと保護されている。」
「ヤマトがどうしたというのだ。」
「ヤマトは瀬戸内の東の日出る丘の向こうにある。今では暗黒カルト集団の支配下で民が苦しんでいる。」
「暗黒カルトとは?」
「ドグーの呪いをもって恐怖政治を行っている。ナガスネヒコという山の賊に率いられている。」
「日向からヤマトに攻め込むのは無理だ。補給基地が必要だ。」
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明けて翌日。
「クメ殿、イナ匕殿下の韓国情報が届いた。2代目奴国王ナノツには銀の印鑑が届くそうだ。」
「いよいよ筑紫を帝国派の配下に組み入れるというのか」
「帝国の中では、我ら伊都国の戦士は奴国王の用心棒に成り下がることになる。」
「奴隷制度には反対だ。」
「そうだ、我らは民が豊に暮らす和の国を創るため、ここで訓練を積んでいるのだ。」
「鉄製農機具と土木工事で大規模農業を広めるのだ。」
宿営地の幕が開いた。
「イワレ殿下とイツセ隊長がおみえだ。」
「オオクメ、ミチノオミ、我らはヤマトを目指す。」
「春までにいくさ船を用意する。」
「隊長と私は戦艦ヤマトに乗船する。」
「4期生を連れて、瀬戸内に補給基地を確保する。」
「ミチノオミは通信と運搬部隊を整え、オオクメとともに第2班で出発してくれ。」
「最新兵器、鉄剣戦隊が腕を振るうときが来る。」
「ヤマト平和維持軍の発進だ。進もう、我らは誇り高き独立派。」