メイ界ノ探偵 飽く魔な王子と人間(ジンカン)メイド 1
夜型人間の僕は夕方の3時に起床した。光を浴びて目覚める人間に反意する生活で、将来の健康は大丈夫か?
安心してくれ、科学的に夜型が悪いという根拠はない。10時から2時が成長ホルモンで美容にいいとかも、時間は関係ないのだそうだ。
というわけで、人によって向いている生活リズムがあるのだ。天才は夜型が多いというしな。
「おそようございます。本日も長いウンチクをお聞かせいただき、ありがとうございます」
メイドのアイド・ナウサが淡々とした話し方で、ベッドメイキングを始めた。
「今日の依頼は?」
「珍しく1件ありますね」
僕はディーツ王国からジャポネスに観光がてら、趣味で探偵活動をしている。
狭い事務所なので雑務は本国の屋敷より早く済み、彼女も探偵の助手として活動を開始する。
サイトのメールにひやかしか本気かわからない名の“ヒュプリス”なるユーザーが送ってきた様子。
「ちょうどいいな、依頼がほとんど来ないのはミステリーのセオリーだからな……」
「依頼が来ないと困るのは主ですが」
「その通り!! 僕はこの1週間の0依頼で退屈してるんだ!!」
「いきなり情緒不安定にならないでください」
◆