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僕の歩んできた道  作者: ゼブラ
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数学の授業①

4月某日。授業が始まった。えーと1限目は国語か。

もともと得意教科、不得意教科は特にない。良く言えば、

平均的,悪く言えば平凡。ちょっと漢字が違うだけでこんなに意味合いが

違うなんて。言葉は面白いな。


この学校の授業くらいなら多少さぼっても,ついていける自信はある。

適当に買ったばかりの教科書と昨日近くの書店で買ったノートと中学生の

頃から使っているお気に入りの紺色の筆箱を自分の机の上に出した。


 頬杖をつきながら、ぼーっと黒板を見ていた。

ん?隣の席の結城のほうから、ガサガサって音が聞こえる。

ちょっとチラ見したら、何か鞄の中を探っているようだった。

どうやら、ペンと消しゴムがないようだ。筆箱を忘れたようだ。


まだ自己紹介しあっただけの仲だしな~。

はい、貸してあげるよ!って言えるほどのイケメンでもないしコミュ力もない。

どうしようか、迷っていた。


『結果を求めるな。悔いなき道を選べ』


急にお父さんの口癖が頭をよぎった。

僕はこう決断すると、周りを見ずに行動するタイプなのだ。

お父さんの口癖に心が動かされ、今決断した。


僕は筆箱から、ペン一本と...消しゴムが一つしかない。

半分に切っても、結城は使いにくいだろう。僕にはペンについている消しゴム

があったので、まるまる一つあげよう。


 僕は机の下から、ペンと消しゴムを結城のほうに差し出した。直に渡そうと

思ったが、さすがに目立ちたくなかったので自重した。

結城は、5秒間くらい気づかなかったが、僕の必死のアプローチに

やっと気づいた。そして結城は受け取った。

 

 結城は軽くこっちを向いて、口パクで何か僕に伝えようとしていた。

僕には通じた。


『あ・り・が・と』


彼女はペンと消しゴムを握りながら、嬉しそうな顔をしてた。良かった。

 






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