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僕の歩んできた道  作者: ゼブラ
3/5

入学式③

 『ただいまー』


 僕は家のドアを開けた。


 『おかえり、お兄ちゃん』


 妹の優が出迎えた。


 『お兄ちゃん、学校はどうだった?』


 『ん、ああ、まぁ普通だな』


 『普通ってなに笑』


 『普通は普通だよ』


 『ふーん、あ、今日は私が料理当番だから期待しててね』


 『よろしく』


妹はまだ中学2年生なのだが家事をほぼ、完璧にこなす。僕たちのお父さんは1年前に車の衝突事故で亡くなって帰らぬ人となった。

 いきなりすぎて、泣くというよりは、頭が真っ白になった。昨日まで普通にいるべき場所にいた人が急に今日になっていなくなる寂しさは僕は妙に嫌ってる。他人に恩情を受け渡しすぎなのか。それはわからない。


事故もあり、専業主婦だったお母さんは、社会復帰した。いきなりのことであり最初は苦労していたようだが今では上手く溶け込めているようだ。


『周りに若い子が多いから話題についていくのが大変』


最近のお母さんの口癖だ。


お母さんは朝10時に家を出る代わりに、帰ってくるのが夜2時くらいだ。何の仕事か聞いたことはない。でも何となくまともな仕事ではない気がする。

家事は妹と2人で当番制である。しかし僕が受験生だったこともあり、去年は妹がほとんどやってくれた。今年度からは僕と交互に日替わりでやっている。


日も暮れ、風呂に入った。僕はいつも、風呂の中で考え事をする。1番落ち着ける場所だからだ。


『結果を求めるな。悔いなき道を選べ。』


亡くなった父がよく口にしていた言葉だ。僕にはまだ意味がわからない。そういう経験がないからだろう。僕は自分でいうのもなんだが、空気は読めると思う。 一歩引いた場所から人と話すことが出来るので状況を把握できる。だから、僕は自分で自分のことを頭が切れると思っている。色んな経験もしてきたからこそ、言える。


はぁ、明日も無難な1日を過ごそう。そんなことをつぶやきながら僕はお風呂を出た。

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