入学式②
僕は周りを見渡した。多分、3組であろうものが、僕の周りに群がっていた。まだグループは出来てなく、1人1人が物静かにクラス発表表を美術館の絵を見るように、ガン見していた。
そうか、俺はこいつらと1年間過ごすのか。頼むから常識あるクラスにしてくれよ。そんなことを願いながら僕は、指定された下駄箱まで歩いていった。
『はーい、1年間、1年3組の担任をします、中村です。よろしく。』
ぱっと見、20代後半の男性の教師が声をあげた。僕らの担任となる教師だ。よかった、やりづらさはなさそうだ。頭の固いおばちゃん教師よりはましだ。
僕は周りを見渡した。そこそこの進学校であるからだろう。男女比は3:7といったところか。やはり女子のほうが多い。
『自己紹介がてら、隣の席の子と自己紹介でもしてみようかー』
いきなり担任の中村がそう言った。多分、物静かな教室を見兼ねたんだろう。えーと、僕の隣は...。
『結城真美です、南中出身です、1年間よろしく!』
僕の隣の席の子の結城は元気よく僕に話しかけた。綺麗な顔立ちに、黒髪のセミロング。大きい目。あまり、美を追求してなさそうなので、髪を整えてなかったり、化粧も一切無関心そうだった。
なので、一般的な、可愛い、美人という部類とは何か違う。でも化粧などしたら、こいつは化ける。確固たる自信があった。
『えー、新城翔です。えー、東が丘中出身です。えー、よろしく。』
『えー、多すぎだし笑。てか東が丘中出身なんだね!珍しい!』
『あ、知ってるんだ』
『いやー、私こうみえても、陸上やってて、すごく強い中学校だった記憶はあるよ!』
確かにうちの中学校は陸上が県でトップレベルで強かった。近くに大きい山や、広いグラウンドのおかげだろう。
僕は彼女の太ももに目をやった。確かに陸上をやってそうな足をしていた。そしたら急に彼女は足を、手で覆い隠した。
『何見てんのよ!笑』
『え....あ!』
『へんたーい』
彼女は上目遣いできつい言葉を投げかけてきた。それはずるいだろう。女子にあんま興味ない僕でもちょっとドキッとした。
なんやかんやで、担任の話、自己紹介、配布物も終わった。
『えー、いよいよ君たちも高校生となったわけだがハメを外さぬようしっかりと、勉学にも励むように。今日はまだ日直は決まってないからこれにて、解散!』
みんな一斉に立ち上がる。僕も宗一郎とその日は帰った。