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井上君と博士  作者: たこす
本編
6/9

料理ロボット

博士

「井上君、井上君」


井上

「なんですか、博士」


博士

「お腹すいてない?」


井上

「そういえば、そろそろお昼ですね。すいたといえばすきました」


博士

「そうじゃろう、そうじゃろう」


井上

「博士の満面の笑みがなんともいえず、不安なんですけど…」


博士

「井上君にはいつも助けてもらってるからの。お礼のつもりで料理を作ってみたんじゃ」


井上

「博士みずから!?」


博士

「うむ。日本男児の永遠の憧れ、肉じゃがじゃ」


井上

「いや、別に憧れでもなんでも…」


博士

「まあまあ、食べて見たまえ。井上君への愛の証じゃ」


井上

「き、気持ち悪いこと言わないでください…」


現れたのは、肉じゃがというよりは、グロテスクな謎の食材がぎっしりの真っ黒いスープだった。


井上

「あ、あの、博士、これはなんですか…」


博士

「いやあ、初めて料理なんて作ったわい。なかなか難しいもんじゃの」


井上

「………ていうか、煮立ってますけど。グツグツと…」


博士

「おいしそうじゃろ?」


井上

「いや、全然……」


博士

「難しかったんじゃぞ。特に、このタバスコの分量とか…」


井上

「タバスコ入ってんの!?肉じゃがに!?」


博士

「何言ってんの。当たり前じゃん。まるまる2本は入っとるわい」


井上

「これ、罰ゲームか何かですか」


博士

「まあまあ、一口だけでも毒味……じゃなくて、味見を」


井上

「毒味って言いました!?毒味ってなんですか!?もしかして、博士は食べてないんですか?」


博士

「食べれるわけないじゃん」


井上

「ないじゃんって、当然のように言わないでくださいよ」


博士

「あ、いや、ほら。自分の作った料理なんてさ、食べる勇気ないもの」


井上

「それを人に食べさせるんですか!?」


博士

「さ、遠慮せずに、ググッと…」


井上

「ググッと…ていう料理じゃないんですけどね。じゃ、一口。パクッ」


博士

「どうじゃ?」


井上

「…………ぶべらっ!!!!」


博士

「い、井上君!!」


井上

「ごほ、ごほ、ごほ……。み、水を…」


博士

「ほれ、水じゃ」


井上

「ごくごくごく………。あーーーー!!生き返った」


博士

「だ、大丈夫かの?」


井上

「博士、はっきり言います。今後、料理はしないでください。死人が出ます」


博士

「そんなにひどい?よかった、味見しなくて」


井上

「しろよ!!」


博士

「やっぱり科学者は料理には向いてないのぉ」


井上

「科学者というか、博士が料理に究極にむいてません」


博士

「ま、そんなこともあろうかと、お料理をしてくれるロボット造ってみたんじゃ」


お料理ロボ

『はじめまして』


井上

「はじめからそいつで作ってくださいよ」


博士

「だって、お料理ロボよりワシの手作りのほうがおいしかったら、意味ないじゃん」


井上

「博士の料理よりマズイ料理は、おそらく世界中探してもありませんね」


博士

「ま、これで自信を持って世に送り出せるな。このお料理ロボは」


井上

「どの辺が!?」


博士

「紹介しよう。お料理ロボットの『ロボット料理人コックシェフ』じゃ」


井上

「料理人かコックかシェフか、どれか一つに絞ってください」


お料理ロボ

『どうも、板前のロボット料理人コックシェフです』


井上

「さらにもう一つ肩書が増えた!?」


博士

「こいつは、今までのロボに比べると、ずいぶん人間ぽいじゃろ」


井上

「そうですね、映画でよく見るアンドロイドって感じですね」


お料理ロボ

『ジョン・○ナーを殺すために、未来からやってきました』


井上

「いや、それ『ターミ○ーター』になっちゃってるから!」


お料理ロボ

『I'll be back』


井上

「合わせなくていいよ!!」


博士

「これでいてけっこう料理は上手いんじゃぞ」


お料理ロボ

『何かお作りしますか?それとも、誰か消しますか?』


井上

「怖いよ!!消さなくていいよ!!」


博士

「そろそろ暑くなってきたから冷やし中華でも作ってもらおうかの」


井上

「あ、いいですね。作れるんですか?」


博士

「得意料理じゃよ」


井上

「ロボットに得意料理なんてあるんだ…」


お料理ロボ

『かしこまりました。ウイーン』


井上

「お、胸から包丁が出てきた…。っつーか、怖いところにしまってますね」


お料理ロボット

『ぴぴぴぴ。冷やし中華、始めました!!』


井上

「そのかけ声、必要!?」


お料理ロボ

『まず、まな板を用意して…』


お料理ロボの股間からまな板が飛び出てきた。


井上

「い、嫌な場所から出てきましたね」


お料理ロボ

『きゅうりを細かく切ります』


ウイイーーン。


お料理ロボは、腕を高々とあげ、振り下ろした。


ダンッ!!


井上

「そこまで腕あげなきゃダメ!?」


ウイイーーン


ダンッ!!


ウイイーーン


ダンッ!!


井上

「そこまで固くないよ、きゅうり!!普通に切れないの!?しかも、狙いが定まってないからぶつ切りになってるよ!!」


お料理ロボ

『さて、次は…』


井上

「きゅうり3回しか切ってないよ!!ほとんど残ってんじゃん!!」


お料理ロボ

『からしですね』


井上

「からしじゃないよ!!それ、どっちかっていうと、最後の締めだから!!」


ぎゅううう……


お料理ロボはからしチューブを握りつぶして、まるまる1本ぶん出した。


お料理ロボ

『完成です』


井上

「どこが!?」


博士

「うん、上手そうじゃの」


井上

「いやいや、博士。これ、冷やし中華じゃありませんから」


博士

「ふぉっふぉっふぉ、何を言っとる井上くん。冷やし中華といったら、きゅうりにからしじゃろ」


井上

「どこが冷やし中華なんですか!?」


博士

「ぽりぽりぽり…」


井上

「普通に食べてる!!」


博士

「なかなか、すごいじゃろ、このお料理ロボ」


井上

「別の意味ですごすぎです」


お料理ロボ

『……………』


井上

「あれ?お料理ロボが包丁見ながら固まっちゃいましたけど」


博士

「あれ?ほんとだ」


お料理ロボ

『……………』


井上

「な、なんか怖いんですけど…」


博士

「大丈夫大丈夫。なんたって、お料理用のロボなんだから」


お料理ロボット

『……………』


井上

「ほ、包丁持ったままフリーズしたロボットって不気味ですね…」


博士

「うーん、なんじゃろ。井上君、ちょっと中の配線見てくれない?」


井上

「嫌ですよ…。包丁持ったままのロボットに近寄るのなんて」


博士

「大丈夫大丈夫。いざという時は救急車呼ぶから」


井上

「そこ!?いざという時って、そこ!?」


お料理ロボット

『………は!!いかんいかん!!ぶるぶるぶる』


井上

「あ、動き出した…」


お料理ロボ

『あやうく、暗殺モードに移行するところでした』


井上

「暗殺モードってなに!!??」


博士

「危なかったのぉ、井上君」


井上

「博士の造るメカは危なすぎます」


お料理ロボ

『落ち着け、落ち着くんだ私。これは包丁、料理の道具、暗殺の武器ではない…』


博士

「お料理ロボよ、お前は料理人じゃ。それは料理の道具じゃ。自分を思い出せ」


お料理ロボ

『料理人…、料理の道具………。ハッ!!思い出した!!思い出しましたよ、博士!!料理人だったころの自分を!!』


井上

「っつーか、あれは料理とはいわない」


お料理ロボ

『包丁は、食材を切るための道具ですね!!』


博士

「そうじゃ!!そうじゃよ、お料理ロボ!!」


お料理ロボ

『誰かを消すための武器ではないんですね!!』


博士

「そうじゃ!!包丁は武器ではないぞ、お料理ロボ!!」


井上

「勝手に盛り上がってますけど、言ってる内容は普通ですよね」


お料理ロボ

『わかりました、博士!!ようやく自分を取り戻しました!』


博士

「うんうん、よかったのぉ」


お料理ロボ

『命令してください!!次は、誰を消しましょう?』


井上

「取り戻してないよ!!」


最後までお付き合いありがとうございました。つづきます!!

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