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井上君と博士  作者: たこす
本編
2/9

カンニングマシーン

博士

「井上君、井上君」


井上

「はあ、なんですか博士」


博士

「最近の高校生は大変じゃな」


井上

「な、なんすか。いきなり…」


博士

「いや、実は近所の子が受験生でな、勉強を教えてくれと頼まれたんじゃ」


井上

「博士に頼むなんて、なんともまあ特異な子ですね」


博士

「言ってる意味わかんないんだけど…」


井上

「で、教えてあげたんですか?」


博士

「う、うむ。それがな、難しすぎてついていけんかったんじゃ」


井上

「博士、頭いいんでしょ?」


博士

「ま、まあ、理数系なら得意なんじゃが…」


井上

「語学だったんですか?」


博士

「英語じゃよ」


井上

「ああ、それなら博士にはわからないかもしれないですね」


博士

「じゃろ?サイン・コサイン・タンジェントなんて聞かれてもわかるわきゃないよ」


井上

「博士、それ数学です…」


博士

「え!?うそ!?」


井上

「三角形の距離とか長さとか求めるやつですよね?」


博士

「いや、だって、xとかyとか、よくわからん『あるふぁべっと』使ってるし…」


井上

「数学でも使うでしょ」


博士

「なんだ、数学だったのか。“π”って記号見て、あれ~どっかで見たな~って思ってたんじゃ」


井上

「円周率でしょ、それ!!博士、ホントに理数系得意なんすか!?」


博士

「ば、ばかもん。わしゃこう見えても理工学の専門家じゃぞ」


井上

「怪しすぎますよ」


博士

「なんとでも言いたまえ。とにかく、わしゃ、その子のために秘策を思い付いたのじゃ」


井上

「秘策?」


博士

「これじゃ」


井上

「なんだか持ちにくそうなシャーペンですね」


博士

「博士オリジナル・シャープペンシルじゃ。またの名を“カンニングマシーン”という」


井上

「いやいやいや、名前からして完全にアウトでしょ!!」


博士

「これがあれば、完璧にカンニングができる!!」


井上

「ドヤ顔で言わないでください」


博士

「まあまあ、まずはこのカンニングマシーンの効果を見てみたまえ」



博士は1枚のプリント用紙を手渡した。



井上

「なんですか、これ」


博士

「数学の模擬テストじゃ。ワシが作った」


井上

「博士が?うさんくささ爆発っすね」


博士

「きみ、軽くワシをバカにしとるじゃろ」


井上

「要するに、この模擬テストをこのカンニングマシーンを使ってやれと、そういうことですね?」


博士

「そうじゃ。使い方は、テストの問題文に沿ってペンの先をなぞるだけじゃ。そうすればおのずと回答が出てくる仕組みになっておる」


井上

「なるほど、完璧なカンニングが出来るわけですか」


博士

「では、やってみたまえ」


井上

「えーと、第一問。1+1=?……博士、問題が数学じゃなくて算数なんですけど」


博士

「ま、第一問じゃしな。最初は軽めになっておるのじゃ」


井上

「そっすか。えーと、まずはペン先で問題文をなぞる…。こうか?」


カンニングマシーン

『いち、たす、いち、は』


井上

「うわ、しゃべった!!」


博士

「カンニングマシーンは、問題の解答を音声によって知らせてくれるのじゃ」


井上

「カンニング以前の問題なんですけど…」


カンニングマシーン

『ぴぴぴぴ、出ました。答えは136です』


井上

「違うよ!!大幅に違うよ!!博士、バカです、こいつ」


博士

「あれ~?おかしいな」


井上

「答えも違うし、そもそも音声で答えを教えるってところがすでに無理なんですけど。カンニングになってません」


博士

「だって、音声で知らせたほうがわかりやすいじゃん」


井上

「不正がね」


博士

「念のため、次の問題やってみてよ」


井上

「はあ、わかりました」



2×7=をスキャンする井上君。



カンニングマシーン

『に、かける、なな、は』


井上

「なんで問題文も読み上げるんだろう」


カンニングマシーン

『ぴぴぴぴ、出ました。……じゅう………ご?』


井上

「なんで疑問形なんだよ!!しかも間違ってるよ!!」


博士

「え!?うそ、2×7って15じゃなかったっけ?」


井上

「14ですよ!!」


博士

「へえ…」


井上

「いや、へえって…」


カンニングマシーン

『ぴぴぴぴ、出ました。14です』


井上

「言い直すなよ!!っていうか、こっちの言葉聞いて言い直しただろ!!」


カンニングマシーン

『いいえ。そんな不正はしておりません。カンニングマシーンの名にかけて!!』


井上

「その名前自体、怪しいんですけど!!」


博士

「ま、まあまあ、この機械、数学が苦手なんじゃ。どっちかっていうと語学が得意じゃしの」


井上

「数学っていうか、算数でしたよね」


博士

「ここに英語の問題集がある。やってみたまえ」


井上

「一抹の不安がぬぐえません」



問題文をスキャンする井上君。



カンニングマシーン

『え~と、なになに』


井上

「お前はおっさんか」


カンニングマシーン

『“This is a pen”を、訳せ』


井上

「なんじゃそりゃ」


カンニングマシーン

『ぴぴぴぴぴ、出ました。でぃす、いず、あ、ぺん』


井上

「ただ読んだだけだろ!!」


カンニングマシーン

『あ、間違えました。ディシィズァ、ペ~ン』


井上

「なに、外国人ぽい喋り方に言い直してんの!?そうじゃなくて、日本語に訳せってことだよ!!」


カンニングマシーン

『は?問題の主旨がわかりかねます』


井上

「お前の思考回路がわかんないよ!!」


博士

「う~む、なかなか思うようにいかんのう」


井上

「博士、全然役に立たないっすよ、こいつ。頭悪すぎです」


博士

「そりゃそうじゃ。だって、ワシと同じ知識しか入ってないもん」


井上

「ああ、なるほど。………って、博士、あたま悪っ!!!!」



最後までお付き合いありがとうございました。つづきます!!

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