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九尾の孫 【結の章】 (1)  作者: 猫屋大吉
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中立(なかだて)

駄筆で申し訳、ありません。遅々として進まない事もあるかもわかりません。生温かい目で見てやって下さい。少し、補足を加えて改訂しました。

夜の1:00を回った。

机で眠っていた。

中司優介、探偵である。

【神】や【妖】によって禍を受けた人間との間に立ち解決をして行く。

日本神話の時代から続く中司家の二男、36才、独身である。


空腹で目覚めた優介は、寒い中、コンビニへ行く決意をする。

そこへ1本の電話が掛って来た。



携帯電話が鳴り、優介は、電話に出た。

電話の向こうから若い女の声が 聴こえた。

「夜分遅く 申し訳御座いません・・・。わ、私、相馬優子と申します。今、近所のコンビニ前から電話しておりますが、今から御伺いさせて頂いても宜しいでしょうか?」

「コンビニに行く所だったので、コンビニで御合いしましょうか」

「解りました。寒いので中で待ってます。」

優介は、引出から財布を左手で取ると小銭入れをズボンのポケットに押し込み、ダウンジャケットを掴み取り、部屋を出てエレベーターに乗り込んだ。

外は、かなり冷え珍しくみぞれに近い水雪が 降っていたが、構わずにそのままコンビニへと急いだ。


この近くのコンビニと言えば、事務所を出て大通りの信号を超えたところのただ一件しかない。

コンビニの中は、暖かく若いカップルが奥のパンの陳列棚の所で物色しており、レジには、ビールをカゴに数本入れてツマミを握りしめた 少し、顔の赤いおじさん、雑誌のところにショートカットで細っそりとした体型にスリムなジーンズ、ピッタリとしたヒールブーツを履いた若い女性が いるだけだった。

優介は、雑誌の置いてあるショートカットの女性の側に行くと名刺を差出しながら、「失礼ですが、相馬優子さんですか?電話を頂いた中司優介と申します」 挨拶をした。

すると女性は、優介を見て「すいません、こんな時間に御呼びたてしまして。相馬優子と申します」頭を下げる。

「職業柄、時間に関係無く来られる方が多いので、気にしないで下さい」

「他の探偵さんや神社の宮司さんの方々に聞き、中司さんだと 皆さん 口を揃えて仰るものですから 連絡先を教えて頂き、電話させて頂きました。あっちこっちを探して回っていたのでこんな時間になってしまいました。あの、父が、」

優介は、相馬優子の話を手の平を挙げて遮ると、

「まぁ、詳しい話は、事務所の方で伺います。事務所に何も置いてないので 飲み物、食べ物を 少し 買って来ます。飲み物、リクエスト有ります?」

「すいません。私も食べる物を買います。昼からずっと食べて無かったものですから御一緒させて頂いてもよろしいでしょうか」

「もちろん。カゴ、取ってきますね」

買い物も終わり、2人は、レジに向かう。

カゴの中身は、のりデラックス弁当2つとホットコーヒー3本、ミルクティー1本、お茶1.5リットル1本、唐揚げ、アメリカンドック2本。

「あっ、私、払います」

優子が財布からコンビニ専用のカードを出して支払いを済ませてしまった。

コンビニを出た二人は、いつの間にか、雪に変わった寒空の下、事務所へと急いだ。

事務所の中は温かった、つけっぱなしになったヒーターが、頑張っていた。

雄介は、心の中で文明に感謝した。

優介は、優子にソファに座る様に言い、キッチンへ行きコップを2つ取って来ると、ソファーの前の机に置いた。コンビニで買ったお茶を注ぎ、コンビニの袋から弁当を取り出し机の上に広げ、相馬優子と反対側の迎合せのシートに座った。

じっと黙って下を向いている優子に優介は、

「冷めますから先に食べましょう。話は、その後で」と言いい 弁当の包装を2つ解き、唐揚げ、アメリカンドッグを開けた蓋の上に無造作に並べ、箸を優子に差出し、受け取るのを確認して食べ始めた。

しばらくすると優子も食べ始めたので、頃合いを見て、

「【不思議】【怪異】等に関係する事ですよね」と言うと優子は、

少し焦って噎せたように咳をし、コップ一杯のお茶を飲み流し込むと

「はい。・・・・」と言い、沈黙した。

「うん、間違い無く、俺の分野だ。落ち着いたら詳しい話を聞かせて頂きます。」

食事を先に終えた優介は、コーヒーを持ち、席を立ち、灰皿が置いてある窓際に行ってタバコを吸いながら待った。

(かなり、切羽詰まっている様だな。こういう時は、自分から話出すまで待つのが、懸命か、)と優介は、考える。



優子が話し始めた。

彼女は、父と2人きりの家庭だったらしい。母は、優子が 幼少の頃に亡くなっていた。優子の父は、大学の教授をしており、人間の脳波エネルギーの研究をしていたそうだ。

優介は、イメージで福来友吉博士が出て来て霊視?。超能力研究?

などと想像してると、どうも違う様だった。

脳波は、絶えず、他人と干渉し合ってると言う事らしい。それも干渉しあっている本人同士は、意識せず、勝手にそうなっているらしい。

博士 いわく、出会いとは、最初から脳波が干渉していた人間同士が 物理的に会っただけで、云々 だそうだ。

難しい話は、わからない。まして学者の考えている事等、猶更なおさら

ま、それは、どうでも良い事なので、先へ進むと、

優子の父親である博士が、亡くなる前に 優子に

「すまない。私は、人ならざる者と契約した。若かったあの頃、どうしても向こう側を知りたかった。だが、其れは、人が、知っては、いけない事だった。すまない・・・人であって神や妖の中立を受け持つ人がいる。その人を探し出しなさい。で無いと 優子、お前自身が涅槃の泥に没する事になってしまう。私は、愚かな契約をしてしまった。許しれくれ」

そう言い残し 亡くなったそうである。

父の死後、自宅や職場で 一人の時に

「約束は、28才の誕生日だ。忘れるな」と、

何処からともなく声が、聴こえたり で、怖くなった優子は、職場に体調不良と言う事で長期休暇の申請書と病院の診断書を提出し、現在、長期休暇中とし、父の遺言に有った様に優介を探したと言う。



優子は、「私、今、26なんです。後、2年後、何があるのかわからなくって、不安で、さみしくて・・・・」

と、下を向き、静かに泣いた。

優介は、慌てて綺麗なタオルを取りに走ると彼女の手を取り、タオルを握らせ、その手を両手で優しく包んだ。

そして、優介は、自分の特殊な立場を語りだした。

「神代の時代から続く中司家の血は、神様達や妖達も近寄る事の出来ない強力な結界を形成してしまう。その為に中司家は、中立を保って来れた。人に禍を成す物を消滅させる力がこの結界にある。だから、俺の付近に魔が寄る事が出来ない空間が出来上がっている。ここに居れば安全と言う事になるが、本当の自由はない。真相を暴き、事件が解決する事に寄って貴女は、自由に成れるその為に協力は、惜しまないが、貴女の協力も当然、必要になる。だから事件が解決するまで行動を共にして欲しい」と言った。

優介が、コーヒーを勧め、落ち着きを取り戻すまで向かいの席に座って待った。

数分の沈黙が支配した後、彼女は、休暇を出してから優介を見つけ、此処に来るまでの事を語り出した。

「友達にも相談した。でも真剣にはなって呉れなかった。興味本位で聞いて来る者も中に居た。相談内容を打ち明けて 本当に心配してくれたのは、その分野は中司とこだ と 答えてくれた連中の中でも数人だけで、以前、に依頼した人達だったんです。彼らも又、過去に禍を受けた者達だったから解ってくれた。その中には、神社の神主さんや色々な神事に携わる人達も何人か居ました。この事務所の場所は、同業の探偵さん、名前は、真宮寺さんに教わり、先程のコンビニまで連れて来て頂いたんです」

「真宮寺、あ~、あいつか、良く知ってるよ」

それからは優子はコーヒーを一口飲んで

「こんな職業があったなんて本当に私、知りませんでした」

「特殊すぎますからね、アンダーグラウンドですから」

優介は、笑いながら答えた。

「でも、私、こんなにすらすらと事情を話せた事に自分自身驚いています」

時計は、朝の5時を回っていた。

優介は、仮眠する様に勧め、予備の厚手の毛布と枕を渡してソファーの一つをフラットにして、簡易ベット作り、電気をす。

机の上のパソコンのディスプレーだけが光を放っていた。

優介は、パソコンの前の椅子に浅く腰を掛け、足元にある段ボール箱に足を乗せ、そこで寝る事にした。

30分程すると、全てを話して 安心したのか、彼女の静かな寝息が、聞こえだしたので 優介も瞼を閉じた。

事務所兼自宅のその部屋は、2人の寝息だけをディスプレーの光が照らしていた。


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