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 泉ケイの実家を見つけるのは簡単だろう、という私たちの楽観的な予測は外れた。

 中学の卒業アルバムには、泉ケイの情報は載っていなかった。というか、クラスメイト全員の情報が載っていなかった。住所載っていなければ、電話番号も載っていなかった。載っていたのは名前だけ。個人情報の保護が叫ばれる時代だけはある。

 数人の元クラスメイトに聞き込んで、ようやく泉家の住所を調べ上げることができた。

 さらに、幸か不幸か、泉ケイの情報を若干だが入手できた。泉家に関することだ。

 泉ケイの父親は、株式会社イズミ製図という会社の社長らしい。イズミという自分の名前を社名に使うあたり、彼は経営に深く関わっているのだろう。

 株式会社イズミ製図をネットで調べてみると、ホームページがすぐに見つかった。

 ホームページは非常に簡素な作りだった。あまりにも地味すぎて、素人が作ったような印象すら受ける。

 会社情報を見ると、社員数は百人ちょっと、資本金五億、事業内容は機械の設計だった。これらの情報見ても、私たちにはイマイチ理解できなかった。高校生の限界なのかもしれない、たぶん。

 だが、理解できた部分もあった。主要取引先だ。契約先のページには、有名企業の名前がズラリと並んでいたのだ。S社、F社、B社など、そうそうたる顔ぶれだった。

 おそらく、イズミ製図は、世間的な知名度は皆無だが、業界内では有名という会社なのだろう。世の中には、表に出ないだけで、高度な技術力を持った会社が数多く存在しているのだ。これは会社だけではなく、人間にも当てはまる話だが。

 いずれにせよ、得た情報を元に、私たちは泉家の存在する都内の高級住宅街を目指した。

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