死神さん現る!?
皆さんこんにちは。俺の名前は三野元 壱矢。ごく普通の高校一年生です。いや、ごく普通の高校一年生だと思います。とでも言うべきだろうか。まあ俺のことは措いといて本題に入りましょう。例えばもし、もしもですよ。皆さんの前に死神と名乗る者が現れたら、皆さんは、あなたは、どうしますか?
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ここは、どこだ‥‥‥?
見渡すと、青い空がどこまでも広がっていて、ぽつぽつと色取り取りの花が咲いている草原だった。
俺は、一体、なぜ‥‥‥?
「─────────、───?」
人の話し声が聞こえてくる。
人が、人がいるっ!!
俺は走った。人がいるところまで。走って走って、よおやく見えた。
黒いローブを着た男性と、白いワンピースを着た長い髪の女性が居た。だが。
「君がここに来るのはまだ早い」
黒いローブを着た男性が俺の方に手を向けた。
俺が立っている地面が沈み始めた。
「うわあああああああああああぁぁあぁぁぁあっ」
気が付くと俺は自分の部屋のベッドの上にいた。
「またあの夢か‥‥‥」
そう、いつも。いや、最近になってよく見る同じ夢。とても不思議な夢。小さい頃はごくたまにしか見えたり見えなかったりだったのに、だんだん年を重ねていくうちに、見える回数が増えていったのだ。しかもそれは、夢でつくられた感じではない。本当に、あそこが、あの青い空が広がる草原があるように感じるのだ。
「俺がおかしいの、か‥‥‥?」
目覚まし時計を片手に呟くが、当然、返事は返ってこない。
時計の針が指す時刻は6時15分。学校の準備や身支度を整えるにしても、とても余裕である。
「とりあえず、朝飯でも食べるか‥‥‥」