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エバレット嬢の物語

エバレット嬢の死の真相を知る者は、その重みに耐えねば成らない

作者: 龍槍





「陛下。 本日、帝王学の時間に於いて、厳重閲覧制限の掛かった、機密文書(禁書)を禁書庫内で閲覧、拝読いたしました。 陛下…… アレは、誠の事に御座いましょうや?」


「アーレンハイトよ。 アレを読む段階に来たか。 そうか、その『()』が、来たのか。 王子教育、王太子教育に続き、王の修るべき『心構え(・・・)』を学ぶ帝王学に達した事を、慶ぼう。 その前に、其方の問いに応えなければならぬな」


「陛下の『言』は誠、誇らしい事には御座いますが、あの文書を拝読いたしました後では、王族…… 第一王子として、この身に流れる血に、いささか…… 『恥じるモノ』が、御座います」


「うむ。 それで良い。 その心根が、此れよりアーレンハイトの治世に活かされるのだ。 まずは、あの文書の真贋であったな。 アレは、朕の祖母。 当時の王太后陛下の『手』によるものなのだ。 事を記録に残された王太后陛下の言によれば、『最悪の中の次善の策(・・・・)』を巡らされた記録とも云える。 王国と国民を護る為の、権謀術策の限りを尽くされた、事跡の記録と云っても良い。 老いてからの事跡(・・)としては、王国の歴史の中でも特筆すべきモノ(屈指の業績)だ。 学べ。 その全てを。 あの文書の中に、王家の犯した『罪』が全て記載され、『罰』として、幾多の艱難辛苦をものともせず、この国の存続に全精力を傾けられ身罷られた王太后陛下の強い想いが残る。 この国を統治するにあたり、必ず学ばねばならぬ事だ」


「はい、陛下。 しかし…… エバレット嬢に関しては……」


「表ざたにする事は出来ぬ。 今も尚な。 いずれ…… いずれはと、思う。 彼の優秀なる淑女は、沈黙と共に、この国の礎となった。 朕も面識が有る。 素晴らしい淑女であったと。 『義姉上』と、そう呼ぶ日を待って居ったのだがな」


「陛下……」



 遠くを見詰める眼。 国王陛下の目には、何が浮かんでいるのか。 虚空をジッと見詰め、過ぎ去りし日々を思っているのか。 第一王子アーレンハイトは、玉座の前に膝を突き、国王の姿をマジマジと見続ける。 この国の第一王子として、日々研鑽を積み、努力を重ね、この国の統治者とならんとする若者には、文書の中の『愚か者達(・・・・)』の、余りにも愚かな行いに痛める心すら持ち合わさない。


 溜息を吐き出したくなる気持ちをグッと我慢し、真っ直ぐに国王を見るアーレンハイト第一王子は、言葉を紡ぐ。 静かに…… そして、己の疑義をぶつける様に。




「陛下は…… エバレット嬢に、どのような『償い』をされているのでしょうか?」


「民の心に安寧を。 国を富まし、周辺国に侮られぬ『誇り』を根付かせる。 この国の民は、高位貴族も、民草も変わりはない。 あまねく、この国の民である。 朕の想いは、その一点に集約される。 エバレット嬢が愛した『この国(・・・)』を、衰退させ滅亡させる訳には行かぬ。 それが、朕の『償い(・・)』である」


「それは、国王としての『御宸襟(・・・)』に御座いましょうか、それとも、父上(・・)御心(・・)なのでしょうか」


「……よいか、エバレット嬢は、この国の歪さを、『己が命』を賭す事によって、統治者としての自覚を促されたのだ。 朕は、そう思う。 いや、思いたいのだ。 よって、研鑽を積み、努力を重ねるのだ。 問いに応えよう。 この想いは、朕の…… 余の…… いいや、私の本心である」


「……承知いたしました。 もっと、もっと深く読み、今後の指針と致しましょう」


「宜しい。 其方の献身と努力を、期待する。 あぁ、期待するな」


「精進いたします。 今後の研鑽と努力の指針として、お願いしたい儀が御座います」


「何であるか、申してみよ」


「有難き幸せ。 陛下はエバレット嬢をご存知であると、義姉様と御呼びすべき人であったと、そう仰いました。 わたくしは、知りたいのです。 王太子妃エバレットとして、国葬で葬送された彼女。 当時の事を詳しく知る方法は御座いません。 禁書の記述も矛盾だらけなのです。 よって、悲劇の王太子妃としてのエバレット嬢の通説は、全て作られたものと感じております。 エバレット嬢が身罷られた後、何が行われ、何を隠蔽し、どう関係者を処遇したのか。 現在の王家と高位貴族達との関わりの嚆矢について…… 最も近くでその状況を(つぶさ)に見てこられた陛下に…… ご教授頂ければ、これに勝るものは御座いません」


「…………王家の罪を語れと、そう申すか」


「はい、陛下」




 しっかりとアーレンハイト第一王子を見詰めた国王。 その眼は真摯な光を帯び、口元はしっかりと引き結ばれる。 沈黙が二人の間に落ちる。 沈黙は重く、続く。 国王の脳裏に浮かんでくるのは、かつて義姉様と呼んだ可憐な淑女が、王家の者としての『矜持』を語る声。



 “覚悟無き者に、民の安寧を担保する事は出来ません。 状況を読み、組上げ、未来を紡ぐ事は、この国を率いる者には、必須の資質です”



 国王の頬に苦い笑みが浮かぶ。 ただ、彼女の言葉が心内に反響した。 覚悟を決めねば成らない。 これから、この国を率いる予定の若者へ…… 英俊たる第一王子へ…… 息子へ…… 自分の知る全てを、王家の罪を告解しなければならないと。




「よかろう。 長き話となる故、アーレンハイトも座るが良い。 茶も…… 私が淹れよう。 且つて、そうであったように。 本来ならば、玉座に座る筈も無かった愚王の三男。 そんな男児が『見て』『聞いた』事を、お前には伝える。 お婆様もお許しになるであろう。 罪は、王家に有るのだ。 それを償うのは…… 私の役割なのだからな」




 国王は自ら茶器を操り、馥郁たる香りの茶を淹れる。 アーレンハイト第一王子が着いた応接テーブルの上に白磁の茶器をならべ、ポットから自ら注ぐ。 目を丸くしてその様子を見詰めるアーレンハイト第一王子。 苦い笑いを浮かべている国王は、彼の前にドカリと座り、同じ手で自分の茶器にも注ぎ入れた。




「普段はしないが、親子の語らいになるのだ。 偶には、父親らしい事もさせよ。 いや、それでも珍しき事か。 王家の者とは言え、末児の三男、双子の王女も居ったでな。 先王()先王妃()の関心は薄かった。 ならば、こんな事も出来ようものよ」


「陛下は…… いえ、父上は……」


「お婆様の掌の上で、必死に踊っているのだ。 この国を安寧に導くためにな。 崩御されても尚…… しかしな、その呪縛の様なモノは、私の代で収斂させる。 アーレンハイトが『登極』する頃には…… この呪縛から、解き放たれるようにすると誓おう。 まずは、『覚悟(矜持)』の問題よな。 さて…… 話は、エバレット嬢が天に召された翌日の貴族院会議からだ……」




 ――――― ☆ ―――――




 その日の朝議。 貴族院会議は満席の中始められた。 全てを見下ろす陛下の御前、中央の宰相、各大臣職の背後、右席側に法衣貴族である、王城に於いて各部局の長が居並び、左席側に領地貴族の代議員達が着席していた。


 国王陛下の直ぐ横には、ファルクス王太子が座っており、その手には奏上文が有り緊張に顔を強張らせている。 出席者達もその様子に、多少の笑みを浮かべている。 近くには側近として、若き公爵クラージュ=エネスト=ウルガストも控えていた。


 クラージュ卿が、巧みに『根回し』した為、ファルクス王太子の手に有る奏上文の内容は、既に高位貴族の中では共有され承認すらされて居た。 そう、王太子妃となる人物に付いて、変更の申し立て書である事だった。 国王陛下も、既に了承済みである事すら、暗黙の了解とされて居た。 この会議に於いて、議会承認を経て、正式に決定される事となる。


 “茶番”とも云える。 様式、形式に則る為だけの、モノである事は、出席者全員『知って』いた。


 宰相が、貴族院議会の開催を告げる。




「まず、第一の議題。 ファルクス王太子殿下より、陛下に奏上の儀 に、御座います。 殿下、宣誓台にお上がり下さい」




 頷くファルクス王太子。 ゆっくりと席を立ち、中央の開けた場所に設置してある宣誓台に向かう。 高揚し、上気した面持ちは、初々しく少年の様でもあった。 


 宣誓台に着き、片方の手を上げて今まさに、国王陛下に奏上しようとした時に、貴人入場の音が響き渡る。 何事かと議事堂の中が騒然とした。 国王陛下の背後の扉が開き、静々と王太后陛下が議事堂の中に歩みを進めた。




「は、母上、何事に御座いましょうや」


「陛下には、ご機嫌麗しく。 が、今はそのような茶番を進める暇は無いぞ」




 極めて冷徹な王太后陛下の声。 凍るような、刺し通すような澄んだ声音は、ざわついていた議事堂を一瞬の内に沈黙させる。 また、王太后陛下の着衣を見て、不審に思う者も出始めた。 王太后陛下の着衣は黒のドレス。 ベールも又、黒。 大喪の礼装であったからだった。


 息を吸い、良く通る声が議事堂の貴族達の耳朶を打つ。 その内容に、一同が息を呑む。



「良く聴け、王国の藩屏たる諸卿よ。 昨夜、そこなファルクス王太子の婚姻予定者である、エバレット=ニールス=ウルガスト公爵令嬢が、病に倒れた。 設備面から、直ぐに王太后宮に於いて、これを診察治療致したが…… 残念ながら、本日未明、王太后宮に於いて、治療の甲斐なく、薨去(こうきょ)した」


「「「「な、なんと!!」」」」




 異口同音に、貴族達は驚愕を口にする。 そんな彼等を冷たく見下ろしながら、王太后陛下は言葉を続ける。




「エバレット=ニールス=ウルガスト公爵令嬢は、ファルクス王太子の婚姻予定者である。 準王族として遇されてしかるべき者であった。 また、余と諸外国に赴き、余の片腕として諸国との交渉に尽力した。 誠に天晴であり、余人を置いて為す事が出来ぬ事跡である。 国の体面を鑑み、交渉事には余の名を使って居ったが、その実は全てエバレット=ニールス=ウルガスト公爵令嬢が差配によるもの。 この事実に鑑み、諸国に対しての発表は、()()()()エバレット、薨去と伝える。 諸国の者達も、エバレットの名を出せば、そう受け取る。 外務卿、宜しいか」


「は、ハッ! 承りました」


「さらに、事跡(・・)の重要性に鑑み、ファルクス王太子との婚姻は未だならずとも、準王族としては異例な事であるが…… 王太子妃相当者として、国葬に付す。 急な事なれど、早急に諸国に通達すべし。 また、国葬は準備期間を二十日とし、明星月が晦日に執り行う。 法衣貴族諸卿には、その準備を成してもらいたい」


「「「ハッ、御意に!」」」


「亡骸はその間、ウーラベルト大聖堂に安置。 ツァーレゴダック神聖王国より、聖王猊下の来訪を伏し願うものとする。 歴訪の諸国に対し、迅速にその旨を通知し、葬送に参列を願え」


「御意に!」




 諸侯の顔に緊張が漲る。 国葬と成し、諸外国の重鎮が訪問するとなれば事は重大。 国の体面を護る為には、何としても国葬を成功させねばならない。 目の前にあった、『茶番』など、吹き飛ぶ。 宣誓台で、奏上文を持ったまま、固まるファルクス王太子。 何も言えずに只震えている、そんな王太子に王太后陛下は極めて冷たい視線を投掛け、言葉をぶつける。




「ファルクス。 残念ながら、お前の婚姻予定者は身罷った。 お前の婚姻予定者は、再度選定せねばならぬ。 周知を集め、それに相応しい令嬢を選ばねばならぬ。 社交外交に強く、他国の言語、情勢に精通し、交渉を成し、我が国の理に成る様に誘導できる者をな。 たかだか、公爵家の娘と云うだけでは、候補にすらならぬ。 研鑽を示し、努力できる者を選ぶ。 選ばねば、この国は滅びの道を歩む事に成る。 お前の婚姻予定者は白紙となった事、ゆめゆめ忘れるで無いぞ」


「………………な、なぜ。 エバレットが………………」


「ファルクスの問いは、要領を得ぬ。 好む言葉だけを聞き、自らの目で物事を見ず、判断も出来ぬ者に、王太子は重かろう。 ……研鑽を求む。 善き王とならんが為に、何を成せるかを、考えよ」




 辺りが凍り付く程の冷気が王太后陛下から漏れ出す。 怒りよりも、恐ろしい『無関心』な瞳の色。 その言葉から、既にファルクス王太子は王太子に能わずと、そう云っている様なモノだった。 震えながらも、自身の身を顧みて、問題が大きすぎる事に気が付き、視線を国王陛下に向ける。


 国王陛下も又、茫然自失となり、視線を彷徨わせていた。 諸外国との交渉事は、王妃の国務でもあるが、自身の妃がその能力が無い為に、母である王太后陛下に一任していた。 その王太后陛下が一番に目を掛け、大切に育てて来たモノ……


 その者こそ、ファルクス王太子の婚姻予定者である エバレット=ニールス=ウルガスト公爵令嬢であったと、ハッキリと認識した。 ウロウロと所在無げに彷徨っていた視線を、王太后陛下に向ける国王陛下。 しかし、そこに見たのは、国王に向けるような顔では無い、峻厳で冷たい王太后の(かんばせ)であった。


 王太后陛下は、議事堂を出る為にクルリと身を翻す。 その後ろ姿を、呆然と見送る国王陛下。 その耳朶に、微かに王太后陛下の声が届く。




「国王たる者、感情を顕わにするなど、見苦しい。 亡き先王に何と申し開き出来ようか。 あな、悔しや、口惜しや。 息子の教育に失敗したと、痛感させられる。 これは、わたくしの罪。 重き罪です」




 切り捨てるような、そんな声音であった。 怒りと、失望に苛まれた声であった。 国王陛下は、腰を浮かしかけた玉座に崩れる様に座り込む。 議事堂内は、王太后陛下の言葉により、『国葬』に向けて、全ての貴族が行動を開始し始めた。


 閑散とした議事堂の中で、茫然自失とし所在無げに居並ぶのは三人。 国王陛下と、ファルクス王太子、そして、全てを画策した、クラージュ=エネスト=ウルガスト公爵しか、残されていなかった。





 ――――― ☆ ―――――






「父上。 それでは、エバレット嬢の自死を、病死と偽ったのは、当時の王太后陛下に御座いますか」


「そうだ。 エバレット嬢は、王太后陛下(祖母陛下)と巡った諸国での事跡は、それはそれは、凄まじい程の成果でな。 この国を護る為に、敵対国同士の仲を取り持ち、宗教国家と獣人族の連合との『宗教論』の差異を埋め、海運国と大国との間に通商の道筋を付けた。 巡る国々で徐々に知名度とその聡明さが知れ渡り、この国の王太子婚姻予定者…… 詰まるところ、婚約者と云う事で、更なる信用と名声と賛辞をその身に受けていたのだ。 エバレット嬢を疎かにするなど、正気の沙汰では無い。 が、それをしてしまったのだ、兄上(ファルクス王太子)はな」


「もし、エバレット嬢が自裁したと知れ渡れば……」


「諸国よりの反発や、侮蔑の念は計り知れぬモノとなったであろうな。 急な病を得て、身罷った。 国葬に付し、国を挙げてその死を悼み、冥福を祈っている…… という、形を取らねば、どのような事に成ったか」


「まさしく…… それで、国葬は?」


「恙なく、終わった。 弔問外交に於いて、兄上(ファルクス王太子)が、エバレット嬢の事をよく理解して居らぬ事も又、諸国には筒抜けになったがな」


「それは…… また……」


「頭は良かったのだよ。 しかし、余りにも…… 『良い子(・・・)』であったな。 素直に過ぎると云うか、箱庭の王様……か。 すべてが、お膳立ての後、目の前に運ばれるのだ。 アーレンハイトには、信じられぬだろうがな」


「……伯父上の暴挙は、それが故の?」


「国王に…… 至高の玉座に就く為に、潜在的敵対国に付くなど…… 何を考えておったのか、私にも判らぬ。 あぁ、判らぬよ」


「……それで、父上が?」


「あくまで、予備の立場であったのだが、そうも言ってられなくなった。 その事が判ったのは……」



 遠い目をした国王陛下は、続きを語る。 遠き在りし日に、自身に舞い降りた、人生の分岐点の話。 その中で語られる、幾つもの陰謀と、策謀の数々。 その時になって、初めて理解出来た事。


 とうの昔に、(さい)は投げられていたのだと。





 ―――― ☆ ――――





 ブルーガルス第三王子が王太后陛下に招聘され、王太后宮に伺候すると、一人の貴族が既に王太后宮『謁見の間』に伺候していた。 顔の見覚えは無い。 そして、此処に呼び出される理由すら思いつかなかった。 時間前には伺候していたが、ブルーガルスにとって、王太后陛下は近寄り難い人物でもある。 緊張に顔を強張らせ、何を申し付けられるのか…… 畏れと不安が綯交ぜになり、手が震える。


 小心者なのだと、自分の事をそう理解しているブルーガルス第三王子。 出来物のファルクス王太子、爽やかで、裏表の無いように見せる事が出来るバーリアン第二王子と比べ、只々平凡で、特筆すべき事が何もない自分を、情けなくも仕方無いと諦めてもいた。


 俯き加減に、自分の足元を見つつ、王太后陛下を待つブルーガルス第三王子に、見知らぬ貴族が声を掛ける。




「第三王子。 お初にお目に掛かります。 拙は、ゲラルディーニ侯爵家が当主、ナクリーン=ノエヴィア=ゲラルディーニに御座います。 お見知り置きを」


「ご丁寧なご挨拶、痛み入ります。 第三王子、ブルーガルスです。 若輩者故、何も知りませんが、良しなに。 ところで、ナクリーン卿は、此度の招聘について、なにかご存知か? 私がこの宮に呼ばれる理由が思いつかないのだが……」


「拙も又、急なお呼出しに御座いましたので。 あまり、王都に来た事も御座いません」


「……そうですか。 王都にいらっしゃらないとは? ゲラルディーニ侯爵家といえば、建国以来の名家の筈。 何人もの宰相を輩出された家系と、伺っておりますが?」


「……あまり、王家とは関わりたくありません。 不敬を承知で申し上げれば、今や我がゲラルディーニ侯爵家は、王家の藩屏とは言い難い」


「……つまりは、何かしらの確執が、王家との間にあったと?」


「あぁ…… ブルーガルス殿下はご存知ないのですね。 ある意味、緘口令が敷かれたのも同義でしたので若い世代には、当時の混乱は教えていないと、そう云う事でしょうか」


「混乱? ですか。 少々、判りかねます」


「本人を前に云う者は居りますまい」


「本人?」




 ブルーガルスは、不思議な感覚に襲われた。 見知らぬ漢は、僅かな嫌悪感を瞳に浮かべ、ブルーガルスを見詰めていた。 しかし、その嫌悪は、彼に向けられたモノでは無い事も又、何故か理解できる。 彼を通して、誰かに強烈な嫌悪を持っている。 そう云う風に、見えたからだった。 背後から、老女の声が掛かる。 疲れ切った声音だった。




「ナクリーン。 久しいな。 済まぬ、呼び出したのは、お主に頼みたい事が有るからなのだ。 王家との確執は理解して居る。 敬愛する兄を奪ったのだ、嫌悪するのは仕方の無い事。 そして、今度は、姪御までも…… この婆の頭であれば、幾らでも下げよう。 跪いて許しを乞えと言うのならば、そうしよう。 しかし、ナクリーン。 王家に忠誠を誓えずとも、この国、この国の民の為に、動いては貰えぬか」


「陛下…… 過去は…… 塗り替えられませぬ。 しかし、未来ならば、幾らでも。 陛下に許しを乞えと、拙は申し上げる事は出来ません。 それをすべき御方は、自身の罪を自覚しておりませんから。 当事者でも御座いません、陛下は。 ただ、御身内で有るだけで」


「まずは、座って欲しい」





 王太后陛下の言葉に、ブルーガルスとナクリーンは、席に着く。 王太后宮の王宮侍女が茶の用意を済ませると、壁に張り付くどころか、謁見室を退室する。 三人だけの、極秘の会合である事は、その事でも判る。 流石に鈍いブルーガルスでも、現状がかなり異常な状態であると理解し、冷や汗が背筋に流れ落ちるのを感じた。


 席に着くと、王太后陛下は首を垂れ、ナクリーンに言葉を掛ける。 常に無い真摯な声音。 それが、何を意味するか。 ブルーガルスには理解出来なかったが、ナクリーンには理解出来た。 ……王太后陛下が何を言い出すのかは、まだ判らないが、彼女が本気(・・)であると。




「……済まぬ。 頼まれてくれまいか」


「それは、お話次第に御座います」


「成程。 では、願いの件であるが、此処に居るブルーガルスを、お主の家で預かって貰いたい。 勿論、王都では無く、領地ゲラルディーニ侯爵領に於いてでな」


「それは…… 如何なるご存念で? 当家に “養子に”との思し召しか?」





 真摯な瞳に、嫌悪の感情が乗るのをブルーガルスは見る。 そりゃそうだよな、と一人納得しても居た。 ゲラルディーニ侯爵家は既に継嗣が居る。 まだ、未成年ではあるが、大層出来の良い漢だとは、噂にも聴く。 礼法院には在籍せず、ご領地で研鑽と努力を重ねられている その方(御継嗣)が居ると云うのに、自身をゲラルディーニ侯爵家に養子にと成れば、継嗣交代となりかねない。


 王太后陛下は少々驚いた顔で、手を振り違うと云う意思表示をする。




「ナクリーン。 いくら厚顔無恥な王家とは言え、その様な事は申さぬ。 いや、なに…… 願うのは、ブルーガルスをお主の領で鍛えて欲しいのだ。 身体だけでは無く、心も、そして、この国の未来を背負う矜持も」


「えぇ? いや、しかし……」


「王宮と礼法院では、まともな『矜持』を教育する事は出来ぬのよ。 それは、王都に居る高位を含めた貴族達の言動を見るに明らか。 あたら「血」を重視し、個々人の能力を軽んじる。 さらに、自身の持つ権能を、あたかも持って生まれた権利のように振舞う。 民草を軽視し、この国の基盤をも蔑ろにする愚か者達。 中には、そうでない者もいるが、その数は多くは無い。 主も判っておるであろう、その事は?」


「真実を見極める御慧眼、誠に…… ですが、何と言いますか…… 本気(・・)で御考えで?」


「この国は病んでおるのよ。 それが、エバレットを死に追いやった。 自死などと…… 王室典範で求められるのは、王家の矜持に他ならぬ。 そして、それを真正面から捉え、成した…… 国を想い、民草に慈愛を示し、国家を強く(したた)かに成そうと、努力し研鑽して居った、あの子を追い詰めた。 余は、誓ったのだ。 病を払い、正道に立ち戻ると」




 深く沈考するナクリーン。 敬愛する兄エルネストの婚姻を無効と成し、仲睦まじい夫婦を引き裂くばかりか、ゲラルディーニ侯爵家の当主という地位まで奪い取った王家。 その点でいえば、なんと虫の良い事を言うのかと、怒りすら湧き上がる。


 しかし、昨今の状況を鑑みれば、王太后陛下の考えている事の末端は理解出来た。 万が一に備えるのだと、そう思った。 王太子、第二王子は、王都での教育にどっぷりと浸かっている。 よって、王太后陛下の云う『まともな矜持』は、持っていない。 云わば、悪い意味で、王家の人間そのものと云う事が出来た。 


 しかし、目の前にいるブルーガルスは、まだ染まっていないと。 染まる前に、ゲラルディーニ侯爵領に於いて、建国以来保持し続けている、王国の本となった『矜持』を植え付けて欲しいとの思召しだと、そう理解した。


 判らないでは無い。 しかし…… と、ナクリーンは、その先を考える。




「ファルクス王太子、バーリアン第二王子。 どちらも次代の王と成り得ぬのでしょうか?」


「……そうさな。 まぁ、いずれ判ると思われるので、此処で云う。 若い者達が、何やら悪ふざけを考えておるのだ。 主導しているのは、クラージュ=エネスト=ウルガスト公爵。 前女公爵である、エミリーベル=レバルト=ウルガストが、心労のあまり既に明日をもしれぬ身となっておる事、お主の兄でもある、父エルネスト卿がエミリーベルの看病と、エバレットの廟を護る為に領政に手が出せない事を奇貨とし、公爵家に於いて専横を振るって居るのだ。 しかし、その策謀は、余りにも杜撰。 言うなれば、子供の遊びと同様。 しかし、あ奴めには、それが判っておらぬ。 ファルクスを抱き込んで、この国の王と宰相に成ろうと躍起になっておるのよ」


「馬鹿な…… そもそも、ウルガスト公爵家は、宰相位には就けぬ家柄ではありませんか」


「そこよ。 強権を以て、横車を押すらしいの」


「判っているのならば…… いや、判っているのは、それだけでしょうか?」


「いや、武力を以て事を成すには、軍務系の貴族を巻き込まねばならぬが、あ奴等には、その伝手が無い。 そして、甘言に乗せられたのだ。 ワリヤーグ帝国のな」


「グッ…… 潜在的敵国ではありませんか。 敵兵を国内に? 有り得ません。 いや、よしんば、協力を得たといっても、軍務系の者達が黙っては居りますまい」


「だから、云うたであろう、『策謀』と。 なにやら、色々と、情報を持ち出しておるらしい 国内への手引きは、ウルガスト公爵領を起点とするらしいな。 あ奴らしい」


「……明確な反逆行為に御座いましょう」


「あぁ…… その通りだ。 しかし、策謀はまだ動き出したばかり。 今問い詰めても、言を左右に出来るでな。 よって、泳がしてある。 これにバーリアンも一枚噛んでおるでな」


「なんと! 王家は! どうなっているのですかッ!!」


「そうだ、腐り切っておる。 そこでだ。 まだ、染まっておらぬ、ブルーガルスを、お主に預けようと、画策した。 最後の砦よの」


「…………まさか」


「五年。 そう、五年後には『事』を始めるとの…… あ奴等の計画ぞ。 全貌は各家に入り込んだ『影』共より、伝えさせておる。 王家の影を甘く見て居るのだ、あ奴等は。 が、猫が咬まれんように、鼠共を追い詰める為には、時間が掛かる」




 王太后陛下の相貌に、強い嫌悪の影が落ちる。 まるで、悪い魔法使いの様だ…… などと、ブルーガルスは、心内で嘆息する。 そして、自分の身の上に降りかかる、途轍もない責務に目の前が真っ暗になった気分もして来た。 何を云うのも今しかないと、彼は重い口を開く。




「あの、王太后陛下」


「なんじゃ、ブルーガルス」


「わたくしには、荷が重すぎます。 ご、ご容赦を」


「ならぬ。 王家に生まれし者、その責務は背負わねばならぬ。 覚悟せよ」


「……いや、その…… わたくしは、兄達と比べ平凡で、詰まらない……」


「エバレットが言って居った。 ブルーガルスは、研鑽を積まば賢王の素質が有ると。 努力を厭わぬ為人は、それだけで黄金の価値が有ると」


「あ、義姉(あね)上が?」


「エバレットは人を見る。 当人は云わぬが、余が質問すれば、答えたからな。 ファルクスと同じだと…… そう云っていた」



 深く首を垂れるブルーガルス。 まさか、そんな評価を受けているとは、思っても居なかった。 ただ…… ただ、褒めて欲しかった為に、エバレット嬢に何を学べば良いか、聞いただけ。 兄達とは違い、愚鈍な自分に何が出来るかを、聞いた迄。 そして、エバレットは云う。



 “諸国の情勢を読む為に、異国の言葉を学びなさい” と。



 それならば、出来るかもしれないと、教師に頼み外国語の授業を増やしてもらった。 エバレット程、才能に恵まれた訳では無いが、日々の研鑽は今も続けている。 言葉が理解出来れば、情勢も理解出来る。 多国間交渉も、通訳を介さず意思の疎通が出来る。 まして、王族たる者が言葉を濁してやり過ごす等、出来ようはずも無い。




「わたしを、そんなに買って下さっていたのですか」


「あくまでも、素質ぞ。 『研鑽は終わる事無く、努力はどれ程重ねても尽きる事は無い』」


「エバレット義姉上の言葉ですね」


「時折、寂し気に呟いておったな」


「……はい」


「お前も、王家の血を受け継ぐ者。 ならば、応えてみよ。 出来る出来ないでは無い。 やるのだ」


「…………はい」




 王太后陛下はナクリーンに向かい、深く首を垂れる。 そして云うのだ。 




「済まぬ。 受け入れて貰えぬか。 これをゲラルディーニ侯爵領に。 そして、英俊たる其方の継嗣と共に、民草の為に出来る事を考えさせてやって貰えんか。 貴族たる矜持…… 王たる者の矜持を…… 見つけられるように」




 王太后陛下に頭を下げられ、懇願されるナクリーン。 表情は動かない。 これはダメかなと、ブルーガルスが思い始めた時、小さく息を吐きつつ、ナクリーンは応える。




「一つ条件が有ります」


「何なりと」


「その任に非ずと拙の息子が判断したら、我が領にて働いて貰います。 五年の内に、拙の息子が、ブルーガルス殿下に藩屏たるを誓えても良いと判断できれば、王都にお返しいたします」


「ブルーガルス。 良いな」


「王太后陛下。 わたくしには、選択権などないのでは?」


「生意気を云う。 そうだ。 やれ。 やり通せ。 それ以外、この国に光は無いと思え」


「御意に」





 ――――――― ☆ ―――――――





 ほぅっと、息を吐くアーレンハイト第一王子。 父王より告げられた、過去の話。 何故第三王子であった父が国王として立ったのか。 それが、詳らかにされた。 話の初めに、王太后陛下の掌の上に踊っただけと云った意味が、判る様な気がした。




「父上。 それで、五年間、ゲラルディーニ侯爵領にて研鑽を積まれ、現ゲラルディーニ侯爵が藩屏となる事を誓われたのですね」


「大甘な判定ではあったがな。 まぁ、仕方ないと、笑われた。 今も、兄のように思っている」


「左様に御座いますか。 それで、五年後の日に?」


「そうだ…… ゲラルディーニ侯爵領から王都に戻り、王太后陛下の元に伺候した。 満面の笑みで迎えて下さったよ。 その時を以て、我が国は古き酒袋に新しい酒を注ぎ入れたと言ってもいい」


「伯父上達は……」


「国家反逆罪に問われ、『静謐の間』に収監された。 泣き叫び、許しを乞い、無様な最期であった。 その亡骸は中央広場に於いて焼かれ、骨は民草に踏み折られた。 第一級の犯罪者としてな。 バーリアン兄上は、片棒を担いでいた。 つまりは…… ファルクス兄上の横に並んだと云う事だ。 国史には、単に逆賊として、毒杯を呷ったとしか書かれぬがな」


「背景には、全てを失いそうになった『愚か者』の…… 愚策が原因でしたか。 国史に書けようはずも有りませんね。 ……全てを画策した、ウルガスト公爵家は如何なりましたか? 未だ、貴族名鑑には、ウルガスト公爵家の家名(・・)は残っておりますが?」


「画策したのは、公爵のみ。 当然、処刑された。 爵位は剥奪され、国籍も剥奪され、流民の犯罪者として、磔に成った。 磔架の上で、泣いて許しを乞うたそうだ。 まぁ…… 是非も無し」


「成程、それで、二代続けて女公爵と…… しかし、それでは片手落ちなのでは?」


「あの男の妹は与り知らなんだよ。 ずっとファルクス兄上の横に立つと信じ、王宮にて、研鑽を積み努力を重ねてはいたようだが…… 五年では、モノに成らず、また、ファルクス兄上の『宸襟』に触れる事も出来ず、愚行を止める事も、叶わなかった。 それもあり、許しを与えられたな。 毒にも薬にもならん者は、放置しても、問題は起こらん」


「公爵家の存続は、やはり、色々と柵も有ったのでしょう。 それに、あの家は……」


「そうだ。 エバレット嬢の生家と云う事もあり、褫爵(ちしゃく)も出来ない。 が、公爵家の中では最下位となった。 既に前代公爵エルネスト卿は、エバレット嬢の廟にて、神職となり貴族籍を抜けた。 エルネスト卿が生きている限り、公爵家として残置する。 今のウルガスト公爵家は『抜け殻』同然よ。 連枝の者で婚姻予定者のいない男が、配となり公爵家に入る事になった為、ようやっと名跡だけは残せるのだ。 愛も無く、信頼も無く、ただ、家名を繋ぐ為に子を産む…… その為だけに…… な」





 やり切れぬ話に、自然とブルーガルス陛下の口は重くなる。 今一つ明らかにしておきたいアーレンハイト第一王子は、そんな父王に最後の質問をぶつける。 誰が先王を蟄居させたか。 前国王の『権能』を剥がし、何の力も発揮できないようにしたのは誰なのか で、あった。





「先王の禅譲も? その後、療養地に王妃殿下と共に蟄居させたのもまた、王太后陛下の御指示ですか?」


「王太后陛下は、その式典は見ておられぬ。 既に死の床に就かれておいでであった。 あの判断は、私がした。 古く腐った酒は、流すしかない。 愚かな王に、王宮に居て貰ったら、何もかも台無しに成るからな。 説き伏せたと云うより、脅した。 ゲラルディーニ侯爵の領兵を借りる事が出来たのでな。 兄と慕う、ゲラルディーニ侯爵の力添えよ。 ただ、私が王の装束で、王太后宮に伺候し、事の次第をお話し出来たのは、僥倖であったと云える。 その時、初めて王太后陛下が私に礼を述べられた。 『自分の代わりに成してくれて、済まなかった』、と」


「左様でしたか……」


「エバレット嬢の死から国の混乱に至り、それを平定するまで、長き時が掛かった。 反発もあった。 反乱の予兆もあった。 しかし、切る者は切り、繋ぐ者は繋ぎ、残った高位貴族達の努力と協調が無ければ、今に至る事は無いのだ。 王は一人では何も出来ぬ。 しかし、率いねば成らない。 よって、王家は未だ試されている。 今後も、未来永劫、試されているといっても良い。 『王』たる者は、その矜持と権能は、持って生まれた者では無いと心得よ」


「御意に。 まさしく…… 王室典範の神髄とも言えましょう」


「エバレット嬢の事跡について、公開するのもしないのも、全ては国王が決めると、そう王室典範付記に規定されている。 其方に、その権能を譲渡する。 この教訓が風化せず、いついつまでも、国の根幹で在り続ける事が…… この国の安寧に繋がると、そう確信する。 ……やっと。 やっとだ。 この重き荷を担える者が三人に成った」


「三人?」


「そうだ。 私と、お前。 そして、我が妃だ。 アーレンハイトよ、語るべきは語った。 覚悟は出来たか」


「元より。 その為に、陛下に『お話』戴いたのです」


「宜しい。 ならば、アーレンハイトの立太子の予定を組む。 『言祝ぎ』だ。 受けなさい」


「ハッ」


「『エバレット嬢の死の真相を知る者は、その重みに耐えねば成らない』 王太后陛下(祖母様)より伝えられし、立太子する者への御言葉である。 心せよ。 国の礎となった、可憐な淑女の『矜持と誉れ』を胸に刻み、この国の未来に光を置くのだ」


「身命を賭して、承りました」




 膝を突き、胸に手を当て、首を垂れるアーレンハイト。 重々しくそれを見詰め、頷くブルーガルス国王陛下。 同じ重さを担った二人の漢達。  



 それは、まさしく……




 誰も知らぬ、王と、王太子のみの、立太子の儀であった。













                               fin

                       © 龍槍 2023 1 26

三部作です。 ようやっと、綴り切る事が出来ました。 

長文短編でした。 読んで頂いた事に、最大限の感謝を!

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― 新着の感想 ―
エバレット嬢を悪者にせず、物語を終わらせれいただき、ありがとうございます。 少し風変わりのハッピーエンドでした。
いつも楽しく拝読しております もし可能でしたら、親世代にあったことを小説として書いていただけないでしょうか 婚姻していたエルネスト卿がどういう経緯と流れでウルガスト公爵家の配偶者とならなければいけなか…
[良い点] 苦味たっぷりの重厚なファンタジー政治モノ。ここまで読み応えのあるフルボディなお話は短編では珍しい! [気になる点] 何度も読み返している記憶に残る作品なんですが、何度読んでも親世代の状況と…
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