表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/58

アクティブな女とイケ面

 ちょっと小悪魔っぽい彼女の誘いを男は静かにかわしながら、綺麗に自分の泊まっているホテルへと帰って行った。

「ねえ、泊まってるホテルに帰らないと、ダメ?」

「まあ……」

「荷物とか置いてあるから?」

「うーん」

「ちょっとだけでも、寄ってかない? 大丈夫よ。最悪、明日の朝イチでホテルに戻ればいいんだし」

「そう……」

 時間は、深夜の1時をまわっていた。会社の懇親会で知り合った二人のようだが。

「君ほどアクティブな女に出会ったのは、久しぶりかも……」

 男は、なかなかのイケ面で、仕事もできそうだ。女はというと、ちょっと小悪魔っぽくて、男をそそる。普通なら、「ねえ、ちょっと寄っていかない?」と女の方から声を掛けられたら、男は多少の問題は乗り越えて、とっとと女の誘いに乗ってしまうものなのだが、このイケ面は違った。

 結局、女は根負けして、一人でタクシーを降りた。

 タクシードライバーは、ノドまで出かかっているコトバを必死にこらえた。

『どうして、彼女の誘いに乗らなかったんですか。据え膳食わぬは男のなんとやらで』

 男は静かに、自分のホテルの前でタクシーを降りた。なんら、動揺らしきものは感じられなかった。ただ、タクシーを降りるとき、

「あっ、領収書ください!」

 と。動揺したのは、その瞬間だけだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ