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【神世界転生譚】 リセットしたいとは言ったけど、こうじゃないだろ?!神になるとか聞いてない!  作者: Resetter
第二章 : アースガルズ編

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2.29話 虹の上の旅

前回の話 : 水難事故多発注意


――ドズゥン!ドズゥン!


「ほらほら! ニケ! すげーぞ!」


――ドズゥン!ドズゥン!


「う……うん……す……すごい……けど……」


――ドズゥン!ドズゥン!


「だーいじょうぶだって! いざとなったらタラリアで飛べば平気だって! それよりほら! 虹! 虹渡ってんだぞ?! オレたち、今! すげーぞ!」


――ドズゥン!ドズゥン!


「う……うん。」


――ドズゥン!ドズゥン!


「ほっほっ。この舟を使う時が来るとはのう。生きておると何があるか分からんもんじゃて。ほっほっ。」


さっきから、ガングはドズゥンドズゥンと派手に爆音を撒き散らしながら、オレたちの乗る虹の舟を引っ張って (?) いる。


まぁ、舟を指で引っ掛けたまま、奴は地面を歩いてるだけなんだが。


地面歩きながらそんなこと出来るんなら、最初からそうしてくれっての……。


神具直すの、無駄に神力消費すんだぞ? 全く……。



この舟の神具、"虹に浮かぶ"という力を持った神具らしい。


さっきリセットした時に読み取れた情報としては、そんなところだ。


名前があるのかも分からん、ずいぶんと一芸に特化した神具である。


地球にある神話だと、虹の橋を渡るのは別に舟でも何でもなかったしなぁ。


馬だったり、神が直接渡ったり? だっけ?



ま、どうでもいいか! 地球の話なんてな! もう行くこともないしさ!


確かにメシは美味いし風呂もあるけど……


あんなとこオレにしてみたら、地獄にも近い場所だったわ!




そんな事よりも、だ。オレの眼下に広がる景色よ。


今はフルーデルのいた山をまた登ってる感じではあるが……


虹は山の向こう側へ延びているみたいだ。


荒廃しきってるアースガルズにあって、唯一なんだろうなぁとも思える木々、川、そんで後ろには泉 (さっき溺れた)


この、ツルッパゲかと思ったら少し残ってる感じ……


頭髪ならば潔くあれよ! って思うけどさ……

自然的風景だと、ただただ有難いって気持ちになるなぁ。


北斗〇拳みたいな風景だったもんなぁ、ずっと。


ま、アレは核戦争後の世界観らしいけど。

神々の戦いなら、もっと酷い事になってても不思議はないな。


オレですら、水蒸気爆発くらいわりと簡単に起こせるしな。

煉華を駆使すれば、核爆発的な事も出来なくはなさそうだしなぁ……。やりたくはないが。



と、考えごとをしていたら、すでに山頂付近まで差し掛かっていた。


さすがに巨人の脚。

移動ペース早いわ。一歩一歩がめちゃくちゃ広いもんな……。


ゆるゆると進む舟旅……という感じではないな。


衝撃や振動はないけど、移動速度は高速艇である。


そして……


「うお……マジか……」


山頂の裏側は、絶景というより……絶壁だった。


しかもなにか……人工的とでもいうか……


ああ、そうだ。

隕石のクレーターみたいに抉れ飛んでいる……そんな感じだ。


「ほっほっ。これもまた、大戦の傷跡じゃよ。」


ガングは、そんなことを言っていた。


またかよ……って感じである。



まぁそれはそうとして、ガングの身長が100m以上あるにしても。


山頂からゴソッと半分無い状態の山だぞ? 縦方向にkm単位だが……どうすんだ?


「ほっほっ。あそこを見てみぃ。」


遠くを指差すガング。その指し示す方向。


そこは、虹の橋の終着点……


そして……


「あれが……光の道か!」


「うわぁ……なにあれ……」


「ほっほっ。そうじゃ。」


淡く光る……そう、まさに"柱"だった。


確かに、光の道は……各星を繋ぐ柱とは聞いてはいた。


ただ……


「なぁ、ガングさんよ。あの柱の向こう側……地面無くない?」


「あぁ、そうじゃな。アースガルズは、真球ではないからの。あの先は、落ちるのみよ。」


はぁ?!


いや……それ……物理法則的にどうなんだ?


正しく重量が働かなくないか?


え? 星の中の星……だから成せるワザ?


「ふむ。お主、膝を抱えて座った事はあるかの?」


ん? 体育座りってやつだろ? 多分何百回とあるぞ? 前世でだが。


「まぁ……あるけど。それが?」


「あの状態は、球体かの?」


「そりゃ、真球なんかには程遠(ほどとお)……え、ま……まさか……」


「ほっほっほっほっ。」


ガングは、くしゃっと笑った。


いやいやいやいや、なんだその笑顔?!


これアレか……?


神だとか巨人だとかが星になったり大地になったり……とかいうやつ、形ほぼまんまってことか?!


で、まさか、あの柱に繋がってるとこ……


元頭の先っちょとか、そんな話か?!


えぇ……。


ホントにかよ……。ウソだろ……。


いや、おそらく……そう……なんだろうな。


球体にしよう! と、誰かがそう創ったものならそうなんだろうし……


そうじゃないなら、そうじゃないんだろうな……。


まぁ、そういう感じの部分は、前世で想像してた"神々"のイメージに符合するといえばする。


そうしたければそうする。そういう存在なんだろな。


母神様が言ってた、神族は各々が自由に暮らしてるって説明……。


意味が大き過ぎるわ!!


「ね……ねぇ……レイ……だ、大丈夫かな……?」


山頂から見える景色にすっかり圧倒されたんだろうニケは、不安そうに上目遣いである。


だが、実はオレの方が背が低いんだよなぁ……。


せっかくのあざといプレイも楽しみ半減だよねー。


「んー。まぁ……大丈夫……と言ってやりたいところだが。正直分からん。が、行くしかないから行く。」


「えっ……」


「さらに言えば……オレの力及ばずで、ニケを助けれない……って事もあるかも知れん。本当に、一緒に来るか?」


「……あ、うん。ごめんよ。そんな意味じゃなかったけど。……それに、レイに助けてもらったからアタシは今生きてるだけだし。だから、何かあって死んじゃうなら死んじゃうで、しかたないよ。」


んん? なんかちょっとズレてる……?


あれ? どんな意味……だったんだ?


んー、あ! アレか? 不安になったから、ただ慰めて欲しくなっちゃったってやつか?!


うーむ。


そりゃ、そういう部分にも配慮は出来るように努めてはいるが……


どうしても、説明しなきゃならん事がある時は、それが先立ってしまうんだよなぁ。


説明責任果たさないのは、無責任……という感覚が根底にあるんだろなー。


ふーむ。


許されよ! われ! 不器用なれば!


と、内心で武士っぽく言い訳しつつ、とりあえずニケを撫でておいた。

お読みいただけまして、ありがとうございました!

今回のお話はいかがでしたか?


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