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【神世界転生譚】 リセットしたいとは言ったけど、こうじゃないだろ?!神になるとか聞いてない!  作者: Resetter
第二章 : アースガルズ編

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2.23話 化物退治

前回の話:クレーム対応はいやだ


それはどうにも説明のしづらい"現象"だった。


「ね……ねぇ、レイ……」


ニケは怯えた様子である。そりゃそうだろうな。


「おぉ……話に聞くよりだいぶヤバそうだなぁ……」


川の水は、堰き止められていたワケじゃなかった。


盛り上がって膨れ上がっていたのだ。


――


巨人翁ガングから話を聞いた翌朝。


「ニケ、果物まだあるからな。ちゃんと食っとかないとだぞ?」


「むぐ……う……」


フェニヤにもらった果物は、まだまだたくさんあった。


なので、ニケにたっぷりな朝食として食べさせる。


で、その間にオレは聞く事を聞く!


「んで、出発前にガングさん! 昨日の続き! 化物について!」


例の巨木の背もたれから未だ1歩たりとも動いていないガング老。床擦れしても知らねーぞ。


「おお、覚えておるとも。」


覚えてんならさぁ、そんなもったいぶってないで、さっさと話してくれよなぁー。ぽけーっとしてないでさぁ。


オレたちさっきからずっと色々動いてただろー?


見えてるだろー? 目ぇでっかいんだからさぁー。


なんつーか、何となくだけど、神族といい、巨人族といい、長生き種族って……時間感覚がゆっくり過ぎる気がすんだよなぁ。


中々情報集まらないのも、そーゆートコなんじゃないかなぁ?


とか、近頃思ってる。


そりゃ平和な世界でダラっと暮らせてんならそれでもいいよ?


むしろそうしてくれよってまであるよ?


でもさぁ、なんやかんやと平和には程遠いよねぇ?


だから必要でしょーよ、情報。


全部説明してくれんし、聞いてもあんまり詳しく返ってこないからなぁ。


マジでRPGだわー。

決まったセリフしか喋れないNPCかっての……。


まぁいいけどさ!


世の中そんなに親切設計になってた覚えは無いからな!


「化物じゃったのぅ。アレは、神界大戦の時分に生み出された、兵……とでも言おうか。」


オレがあれこれ考えている間に、ようやくガングはゆっくりと語りだした。

口調までゆっくりである。


「兵……?」


確か、負の遺産……とは聞いてたが、生み出された?

生物の兵器利用みたいな事か?


ろくでもなさそうだなぁー。


「神力の塊として、神族やそれに類する強力な種族の遺骸を利用したりの……或いは、反抗的な者を造り変えたりの……。そういった類のもんじゃな。」


「はぁ?!」


神族やら……とかなら、そりゃ強力だろうよ。


つーかさ。アズ神族大丈夫なん?! マジでさ!! 何してくれちゃってんの?!


本当にろくでもなかったわ!!


「化物どもは、根源的な意思しか持たぬ。故に、自身の神力や形態に馴染みやすい場所を探して移動し、棲息地にするのじゃ。」


あー。

アマネが退治した化物は、岩みたいなやつとかいう話だったか?

だから、火の星に……


ん? てことは……


「川に棲んでるんなら、水関係ってことか?」


「まぁそうじゃろうな。」


ふむ……。なるほどなぁ。 妖怪な話かな?

んーまぁ造られたってんなら、ちょっと違うか。


は〜。


昨日に引き続き嫌な話を聞いたもんだぜ……。


てか、神族の話って大体嫌な話しか聞いてなくないか?!


うーん。


まぁ歴史あれば、勝者は敗者の上を踏みつけて歩むってのは、地球の人類と変わらんのかね。


まぁさ、地球で人生やってた時は、神なんて信じてなかったし、仮に居たとしても、ろくでもない存在なんだろうなぁってイメージだったから、こうして聞くと……ある意味まんまって感じだな。


なんだか色々納得したよ。


そうしてオレとニケは登山に挑む事となったのだった。


少し枯れ木の多い道なき道をひたすら登り、2時間くらいだろうか。


斜面ではなく、台地のように平坦になってて拓けた場所があった。


で、そこの中央に居たわけだ、化物。


川になっていただろう抉れている場所に、とんでもなく膨れ上がった水の塊。


とりあえず、今は場所が離れてるからか、動きは無い。


「ニケ。アイギスと……まぁ意味は無いかもだが、勝利の剣を展開しといてくれ。」


「う……うん。わかった。」


「いいか? アイツは水だ。取り込まれたら、窒息死するかもだからな、絶対近寄ったらダメだぞ?」


「う……うん。」


とりあえず、近付いてみるしかないなぁ……。


オレ、あんまり遠距離だと攻撃手段も無いし、リセットもツラいしなぁ……。


「ちょっとオレ近付いてみるからさ、ニケはそこで待機な?」


「えっ……? 大丈夫なの……?」


「いや……大丈夫もなにも……」


行ってみないと、やってみないと全然分からんって事、世の中にはわりとあるよ。


今、まさにそれ……。


事前に話聞いたけど、あの不可思議な物体? どうしたらいいんだかサッパリ分かんねえからな!


意を決してジリジリと近付く……


――ゴポポッ


何やら水の音が聞こえる距離まで来――


――ピッ


「ぐっ……?!」


小さく高い音が耳に届いたと思ったら……


腹に穴が空いていた。


いや、別に盲腸とかじゃねぇから! 要らないこんなサービス!


即リセットだわ、こんなん!


つーか、高圧水砲か……


ちょうど着物の薄いトコ狙いよってー!


「レイ?どうかした?」


「いや、なんでもない! ニケは絶対近付くなよ!」


アイギスでももしかしたら穴あくかもな威力だしな。


……もうちょいケチらずちゃんと神力防御しとこ。


――ゴポポッ


あ、あの音……


――ピッ


「っぶね!」


発射前の音に気付き、すんでのところで避けた。


今度はキッチリ避けてやったぜ! ギリギリだがな!


つっても、このまま避けてるだけじゃダメだな。


ダッ! と、一気に駆け寄りながら、背中の雪月花を抜き……


「おおぉぉらぁぁぁ! 凍っとけぇ!」


分子すら運動を止める絶対零度の冷気をぶちまけた。


――ピキピキッ……パキッ!


ふう……。凍ったようだが……?


いや、この塊をどうにかしないと、川の流れは戻らないよなぁ……。


しゃーないかぁ。


雪月花を納刀し、煉華を抜刀。


「ニケー! 離れてくれー!」


「わかったー」


ニケが離れたのを確認。超高熱の白い炎を遠慮なく……


――チッ……ドォーン!!!


水蒸気爆発を巻き起こし、塊がいたあたりは吹き飛んだ……


のだが。


ほわほわと、白い何かが集まってきて……


少しずつ……少しずつ……


水玉になり……


水球になっていった。


いや、なんでやねん!


ありがとうございました!今回はいかがでしたか?

少しでもご興味いただけた、ちょっとは応援してやってもいいかなというお優しい皆様!☆評価☆やブクマ、是非よろしくお願いします!

コメントなどもお待ちしております!

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