1.51話 二度目のフライト
PV数3000超えてました!
ありがとうございます!
身体に神力を込めると、身体能力が爆上がりする。
所謂、バフという便利で強力なヤツだ。
実はオレ、それ出来たらしい。
今まで知らんかった……!なんてこったい!!
いや、まぁ、確かに、長時間歩いても走っても疲れないなぁーとか思ってたけど。
便利な身体になったなぁーとか思ってたけど。
まさか攻撃力までこんな事になってるとは……。
……アレ?もしかして、防御力もか?
そういえば、空から落とされても怪我してなかったな……。
「そなた、本当に知らなんだのかえ……。」
「ま……まぁ。そうね。知らなかったかな……。」
「ふぅむ。道理でのう。」
いや、まぁ、ね?
何かを破壊する目的で触ったりだとか、した事無かったからさ?こんな威力になるだなんてさ、思わないよね!?
「フウカ様。ご主人様は、お優しい方ですから。
神力を通して他者に触れるなど、治療しかされておられませんでしたので……。詮無き事かと。」
そそそそれだ!オレ割とヒーラーだった!
最近は刀持ってるけど、マジシャンだかソーサラーだかだったし?
そもそもだ、オレにはリセット能力しか無いと思ってたんだよ!戦闘には不向きだとばかり思ってさぁ……。
まぁ、身体強度とか全く試さなかったのは、オレの落ち度かぁー。
「ふむ。確かにレイ殿は、余りに神族らしく無いえのう。」
「そりゃまぁ、庶民だったからなぁ。」
「しょみん?とは、何ぞえ?」
むっ……?またこれ説明難しいヤツなんじゃ……。
「えーと、突出した能力も無くて、目立たない普通の人間って感じかな?」
「ふむ?在るではないかえ。膨大な神力と、不思議な神能が。」
「いや、まぁ、今はそうかもだけどさ。前世は違ったのよ。」
「ふむ。だが、今は在るではないかえ。であるにもかかわらず、無闇にひけらかそうともせぬ。偉ぶる事もせぬ。自らこなたらに手料理を振る舞うなども、変わっておるぞえ。」
「いや、料理はさぁ、皆が喜んでくれたら嬉しいじゃないか。」
「神族は、其の様な考え方は持ち合わせておらぬ事が多いと聞くぞえ。グエン様も、立派な方ではあるが、やはりそなたの様な考えはお持ちでは無い。
のう、アマネ殿。」
「はい。私は、神族については疎いのですが……。
グエン様は、もう少し支配者らしく振る舞われておりました。ご主人様は、何と申しますか……とてもお優しいのです。」
「ボスはやさしーよー!なでなできもちーしー」
「ウィトにはちょっとイジワルだけどニャー
ウィトもなでなでして欲しいニャー」
「確かに、オラ達にもやたらと親切だったッキ。オラも傷を治してもらったッキ。」
「バーナも、たくさんくれたッキ。」
えーと……何なの?この流れ。
身体強化を知らなかった話から、どうしてこうなった?!
なんか吊し上げされてるような気分だ!
やめてくれぇー……。
「や、まぁ、分かった!分からんけど!とにかく分かった!山!山登る準備しよう!」
「急にどうしたのえ?」
フウカはきょとんとした顔で見詰めてくるが、もう無視だ!無視!
「オラ達の村に来るなら、オラ達が来た道筋でなら案内出来るッキ。」
と、ハヌマから提案があった。
地元民の案内なら、まぁ安心かな?
「お、じゃあハヌマ達に頼もうかな?」
と、思ったのだが、他方からとんでもない爆弾が投下された。
「ご主人様……。もう、私の上には乗っては下さらないのですか……?」
え、ちょ……?言い方!言い方がちょっとおかしくない?!
てか、アマネはちゃんと回復したのかな?
龍の飛行スピードは、そんなに速くは無いけど、確かに乗っていけば、道中の戦闘は避けれるし、滑落の危険も無いけど……。
「アマネは、神力大丈夫なの?」
「山頂までくらいでしたら、大丈夫かと。」
「そうか……。じゃあ、アマネに飛んでもらって、ハヌマの案内をウィトがアマネに伝えてくれるか?
で、フウカはまた風でサポートを頼むよ。」
「ニャ……分かったニャー。
でもニャ……ちょっと怖いからニャ、レイリィ様に抱っこしてて欲しいニャ!」
なんて事言いやがんだコイツは?!
「む、ウィトよ。こなたを差し置いて、其の様な事を申すのかえ。レイ殿、こなたには何も無いのかえ?」
コイツも何言い出してんの?!
「えー?ボスー、ルビィはー?」
ルビィ……お前もか?!
えぇ……なにが始まってんの、これ?
何やら面倒臭い事を皆して言い出しやがりましたので、可能な限り要望を叶える事にした。
アマネには、龍になってもらい、ハヌマ、クウ、フウカ、ウィト、オレ、ルビィの順に乗る。
ウィトは今回はチビ虎で、フウカに手を伸ばしたオレの隙間に収まってもらう形だ。
ルビィは、オレに好きに掴まってもらう。
全く……。
これ、揉めてるフリして、オレ、からかわれんじゃないの……?
まぁ、虐められてる訳じゃないから、いいけどさ……。
という訳で、二回目のフライトである。
「じゃ、アマネ!よろしく頼むよ!」
「お任せ下さいまし。」
そう言うとアマネは、ふわ~っと浮き上がり、上空20mくらいの低空で、森の上を進みだす。
眼下に広がる緑の絨毯は、中々に壮観で爽快である。
前回の海越えと違って、今は高度が無い分、風は強くなさそうだな。
速度も速くは無いので、恐怖感は薄い……と、思うのだが……。
「ニャ……ニャ……ニャ……!と、飛んでるニャ……!高いニャ……!」
ウィトは、カタカタ震えている。
やはり高い所は苦手らしい。まぁ、気持ちは解るけどな。
前世では、オレも高所はダメだった。
今は何故か平気なんだが……。
多分、落ちても平気だからなんだろうなぁ……。
そうだよなぁ。
この星に落とされた時だって、地面も分からない遥か上空からだったもんなぁ。
あまりの衝撃で、ついブラックアウトしちゃったけど、普通に無事だったんだもんなぁ。
改めて考えたら、有り得ない頑丈さだな。
「おお……!すごいッキ!飛んでるッキ!空飛んでるッキ!」
と、ウィトと対称的に、クウは大はしゃぎしている様だった。
見た目厳ついけど、無邪気な感じである。
すぅ~っと空中を進んでしばらくすると、森は段々と斜面になっていき、次第に少しずつ、昇っていく感覚になってくる。
しかし、近付くと余計感じるが、中々デカい山である。
まだまだ森が切れる様子は無い。
「フウカ!風はどうだ?」
「海より全然弱いぞえ。問題は無いぞえ。」
「ん。じゃあ、キツくなったら言ってくれ。
ウィト。アマネにも、キツくなったら降りれる所に降りていいって伝えてくれ。」
「分かったニャー!」
ウィトも少し慣れたのか、割と元気そうだった。
オレは犬派だが、猫は猫で悪くないのかもなぁ。こうしてみると。
まぁ、白虎だがな。
ありがとうございました!
またよろしくお願いします!




