1.46話 南への旅路
戦闘回なので、R15なんでしょうかね?
分かりませんが、苦手な方はご注意ください。
ナカツノ森から南を目指し、平原を進む。
どうやら、赤道ラインから南下すると、海があり、大陸を隔てているらしい。
その海の先に南大陸があるとの事だ。
今居るのは、北大陸。
地続きなんだと勝手に思い込んでたけど、そんなに甘くなかったらしい。
まぁ、それは、とりあえずいい。
そんな事より……
「次、右前ぞえ!」
「おう!」
フウカの声に、敵を視認。
巨大な蝗が、いちにーさんしーごー……たくさんいたので、数えるのを諦めて、煉華を素早く抜き放ち、火焔を巻き上げる。
――ゴウッ
と音を立て、激しく巻き上がる炎に纏わり付かれ、 見る間に蝗は炭と化していく。
やはり、恐ろしい威力だ。
だが、範囲から逃れた個体が居た。
「二匹逃した!ウィト!」
「んニャ!呀音!!」
ウィトの咆哮が、二匹の蝗を瞬時に砕いた。
ボロボロと、砂の様になって崩れていく蝗は、オレが燃え滓にした蝗よりショッキングな光景な気がする。
んー、まぁ、虫だかんな。
哺乳類みたいな動物系だと、燃やす方がグロそうだが……。
まぁ、それはさておき。
ウィトの手にしていた神能は、"波"。
波を操る力だ。
波状に伝播するものなら何でもいける。
音波でも電波でも光波でも、何でもだ。
その方向、距離、威力は調整可能で、何ともチートくさい能力だった。
まぁ、オレが名付けたんだが……。
余り離れてなければ、ウィトとはテレパシー的な通信も出来た。
ただ、ウィトはあまり賢くは無いので、指示を出す側には回れないという……。
まぁ、単純に強力な能力だから、OKだ。
ちなみに、この神能は名付けで得たものだが、固有能力に近いみたいで、オレ達が修行したところで、ウィトのレベルまでは使えないようだ。
殺傷能力を持たせるのは難しい、とは、フウカ先生談。
そうそう。
ウィトは、首飾りの神具のおかげで、こうして即戦力に成れてるという、ありがたーい話なのだが……
あーゆー神具、オレにも作れたりするんだろうかな?
刀を神具にした時は、素材の質と、名前が鍵って感じだったけど……
あんな能力にするには、なんて名前付ければいいんだろうなぁ。さっぱりわからん。
ま、なんにせよ。
二足歩行に慣れない感じのウィトは、修行の時間が出来るまでは白虎姿だな。
てか、それはそれとして。
「それにしてもさ、虫増えたな……。」
蝗を撃退……というか、殲滅し、一言疑問を呟くと。
「其の様ですね。」
アマネはふわっと肯定し
「えー?そうかなー?」
ルビィはちょっと疑問に思ったようだ。
こんなモンなんだろうか?
「レイ殿。クコの森は、虫はあまり居らぬぞえ。
だが、神泉の森は、時折大群が湧くらしいぞえ。
この辺りも、大猫族の縄張りを外れておるでの、繁殖しておるのであろうえ。」
「へー。そんなモンかー。」
ここまで来るにも、蟷螂に、蚤に、蝗にと出くわして……
まぁ、オレとウィト中心で片付けてきたのだ。
戦闘慣れてない組の練習だなー。
蟷螂は、あんまり徒党を組まないようで、出くわすとしても、単体ばっかりだった。
蚤も単体に出くわしたんだが……サイズ感がヤバかった。
1mくらいあった。
それが、とんでもない飛距離で跳躍するんだ。
某人気ゲームの竜騎士って、あんな感じなんだろうか?
まぁ、蚤は槍持ってなかったけど。
集団で来られたら、絨毯爆撃って感じになりそうで怖い。
蝗は、やたら集団なんだよな。
コイツらも、今のオレよりデカそうだったから、150cmはあるだろう……。
何が嫌って、巨大だと、ヤツらの顔とかがハッキリ判るんだよ。
物凄くキモいの。物凄くキモい。
テイルヘイム、良い環境だと思ってたけど、虫は要らないんだ……。
オレは繊細だからね。センシティブ。
「レイ殿!左後方ぞえ!」
「うわ、もう来た?!」
つっても、煉華は構えてるから、準備万端……んんんーー!?!?!!!
「ご、ご、ごき……」
2mくらいありそうな黒光りしたアレが、地面を這うように……宙を飛び……凄まじいスピードで迫って来ていた……。
20匹くらい居そう。
「くっそー!何なんだここはァァ!!!」
背中の雪月花を抜き放ち、神力を込め、一閃。
迸る冷気は吹雪となって、黒光り集団に襲いかかる。
――ビュオォォォ!!
黒光り集団の進軍は、停止。
ガチガチに凍り付き、白っぽく濁った。
「くぅーたーばーれーやー!!!」
ガチガチに凍り付いた黒光り集団に、淡墨と煉華の合わせ技"雷焔"をぶち込む!
――カッ!!!ゴッッ!!!チュドーン!!!
爆音が響き渡り、黒煙が吹き上がる。
その煙が霧散し、晴れると……
黒光り集団のいたであろう辺りは、地面がスケートリンクのようにツルツルのガラス状に仕上がっていた。
……ふっ。これで、オレの平和は守られた!
サラバダー!黒い悪魔めー!この星は渡さんぞー!
「……レイ殿よ。」
「ん?」
「やり過ぎではないかえ。」
「えっ……」
「ご主人様。」
「ん?」
「刀術は遣われないので?」
「ゔっ……」
「ボスー。」
「ん?」
「さっきの、あんまりつよくないよ?」
「くっ……」
「レイリィ様……」
「ん?」
「ちょっと怖かったニャ……」
「なっ……」
散々だった。
でも、ほら、しゃーないやん?テラフォー〇ーズ知らないの?
アイツらほっとくと大変な事になるんやで?
大変な事になるんやで?侵略されちゃうんだからね!
めっ!しなきゃ!滅!
とはいえ、二度と出会う事の無いように、神に祈る!
……ん?
……あぁー!?
神に祈るのって、無駄な事だったのかぁー……!!!
なんてこった!!!気付いちゃったよ……!!
オ レ が 神 じ ゃ ね ー か!!!!
いやまぁ、前々から無駄かなーとは、思ってたけどね。
オレ、祈られても、分かんねーわ。
ふーむ。
ま、そんな事はどうでもいいかー。
先を急がねばな。
戦闘の為に散開していたが、再びルビィに乗り、南へと向かう。
平原は、見渡しも良い。
ルビィやフウカは索敵能力が高いからなぁ。
何か居たら教えてくれるしな。
次はやり過ぎないように注意しよう。
――
どこまでも広がってるんじゃないかという、蒼々とした草の海原を、ルビィの背に跨ること二時間程。
今、オレは、岬に立っている。
潮の香りが海風で運ばれてくる。
そして、心地の良い波の音。
うーむ……。海苔食いたい。
確かに、海を挟んで向こう側に陸地は見える。
案外近いのだろうか。
猛者なら泳げそうな距離に見えるな。
海峡って感じだ。
とはいえ、もう辺りは薄暗い。
浜辺の方でキャンプでもするか。
と、岩と土の坂を下りていく。
目線が海岸線に近付くにつれ、足元は白い砂地に変わっていった。
「あ、ボスー。さかなとれたよー!ししょーがとったー!」
浜辺では、既に夜営の準備が進められていた。
皆さん手際がよろしいでございますな!
「師匠ではありません。アマネです。」
アマネは、ルビィの言葉に即座にツッコんだ。
「アマネがとったー!」
中々に微笑ましいではないですか。
頭でも撫でとくかね。
と、アマネとルビィをなでなでしていると。
「火の準備も出来ておるぞえ。」
フウカからのお知らせが。
「お。さすが。」
「む。こなたには無いのかえ?」
「ん?」
「ほれ、ご褒美ぞえ。んっ」
と、頭を突き出してきやがりました。
オレの方がだいぶ背が低いから、お辞儀してるみたいになってるけど。
えー……これ、しといた方がいいのかぁ?
「早うするぞえ。」
何だか急かされたので、軽く頭を撫でておきました。
サラサラとした手触りの銀髪は、上質な絹のようで、とても触り心地が良かった。
でも、オレとしては……
あのスーパーモフりヘブンフィーバー・ナインスペシャルの方が気になるんだよなぁー。
いつか堪能出来る機会は訪れるのだろうか。
むー。
……ん?
「あれ?ウィトは?」
そういえばウィトが居ないなぁ……と、思ったら。
「レイリィ様ぁ~~~」
と、海の中から声がした。
振り向くと……
――ビシャビチャ……
と、嫌な音を立てて、ゆっくりと黒い何かが……
近付いて来ていた……
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