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1.32話 テイルヘイム

お越し頂きありがとうございます。

今話は、ほぼ説明回です。

テイルヘイム。獣族の住まう星。

神星ネイドスの中では、上空から四番目の位置にある、森林や草原、山に川と、自然豊かな星。

まだ見ては無いが、湖や海もちゃんとあるそうだ。少しイメージしにくかったが、陸地と海の割合が約半々らしい。


そして、テイルヘイム全体の大きさとしては、あまり大きくはないようだ。

獣族の徒歩での移動スピードだと、一周するのには、少なくとも1~2ヶ月はかかるだろうという話だ。

まぁ、確かにそう聞くと、地球よりは随分小さい気がする。が、獣族の移動スピードって、結構速そうな気がするからな。実は月くらいあるんだろうか?


テイルヘイムは基本的に温暖で、環境が良い。

そんな背景から、この星には、獣族のみならず、多様な動植物が生息している。

虫は……数や種類は少ないらしいが、どうやら、総じてやたらデカいようだ。オレが見た蟷螂も、3mくらいあったな……。時々徒党を組んで、郷を襲う事もあるらしい。ルビィの言ってた、襲撃は結構あるって話はそれの様だ。


テイルヘイムには、時折ではあるが、色々な神族が訪れ、各部族の手助けや、神族の遺跡を遺たりした事もあるそうだ。神泉や、転移石などがそれにあたる。リゾート地なのかねぇ……。まぁ、その時折訪れる神族にしか真意は分からないが。


獣族の興りは古く、アズ神族とは別の、神界の旧大戦で滅ぼされた、今は亡き一族が元になっているらしい。ちなみにこの話は、ルーヴは知らなかった。まぁ、そらそうかって感じだけど。態々(わざわざ)、『お前らの先祖は、俺達現神族が滅ぼしたんだぜ!』とか言わないだろうしな。


テイルヘイムに現存する獣族は、大狼族、大猪族、大猫族、大猿族、大兎族、大羊族、大馬族、加えて神狐の民という事だ。

ミノタウロス的な牛も居そうな気がしてたのだが、テイルヘイムには居ないらしい。


各部族には、それぞれに縄張りがあり、部族によっては偶に争う事もあるが、基本的には縄張り内で暮らしているそうだ。


環境はいい星だが、固体が強靭だからなのか、全体的に出生率自体は低目な様で、各部族の人口はそこまで多くないようだ。

だが、減少しているわけではなく、緩やかに増加しているらしい。

現在数としては、最小が大猪や大狼の100強、最大でも大兎の1万強という事だ。まぁ、緩やかな人口増加は、理想的なんだと思う。



神狐の民。

前身の獣神族としては、滅亡させられている。その際に、一度は大狐族として、造り替えられた。


それが何故、神獣になったのか。


初代神狐の姫は、獣神であり、前火神の妻の一人だった。

獣神は、獣の特徴を有した神族で、旧大戦に於いては、アズ神族からすれば、敵勢力である。が、初代神狐の姫は、前火神により匿われ、生き長らえた。前火神が最高神に謀殺されたのは、その辺りも関係有りそうだが……。


とにかく、その子孫と大狐族達が混血していき、今の神狐の民になった――という事だ。そして現在、その数は200弱まで増えたそうだ。


つまり、グエンとフウカは、遠い親戚なわけだね。本家と分家の子孫みたいな感じか。本家は二代目から代替わりしていないのだが。

しかし、分家は九代目。九代目ともなれば、血も薄まり、襲名で受け継げる力も、だいぶ衰えてきていたらしい。純粋な獣神というわけでも無いのだから、無理もない。神狐の民は、あくまでも神獣だからな。

だが、衰えてしまった神力を再び高めようにも、力を封印されている火神は頼れない。

そこで、偶々都合良く来たオレに、少し力を分けてもらおう――みたいに考えたようだ。まぁ、その辺は大いに世話にもなってるから、全然いい。というか、当然とも思う。


ルーヴ達、大猫族。

神狐の郷から、南に徒歩二日程の、森と平野が混雑するエリアが拠点らしく、普段は平野に住む者達と、森に住む者達と分かれて暮らしているという。


今は平野のルーヴが長だが、以前は森の者が長だったらしい。長の立場は決闘で決める事が多いそうだ。


大猫族の人口は、獣族としては多い部類で、全体で千くらいの規模らしい。


大猫族は、獅子、虎、豹、etc.....色々な個体がいる。それぞれ生活様式が違うらしく、大猫族同士でも争う事があるらしい。まぁ、決闘で長を決めるくらいだしな。然もありなん。

そんな理由でなのか、戦士が半数以上を占めるそうで、戦時にも思ったが、結構な戦闘民族って印象だ。敵対してしまえば、面倒臭い事この上ないだろうな。



同盟関係としては、大狼族と神狐の民は、同盟関係にある。

大猫族と大猪族、大羊族は、独立部族。

他は、大猿族と大兎族、大馬族で三部族同盟を結んでいる様だ。

同盟間には、それなりに交流があるらしいが、基本的に住処が離れている事が多いので、他部族に関しては詳しい情報は無いようだ。


まぁ、肥沃な土地があって、人口増加率も大した事が無いなら、わざわざ住処から出ようと思う事も無いのかね。

戦争や戦乱の原因になるのは、生活の困窮ってパターンが多い気がするからな。


分布域的には、大猪族、大狼族、大羊族、神狐の民は北半球。

大猫族は赤道ライン。

その他は南半球に分布しているようだ。

とはいえ、気象条件に関しては、あまり大差が無いらしい。特別な事といえば、赤道ラインの碧夜くらいだろうか。この星の赤道ラインは、光の柱には隣接してはいるが、光の柱は、熱を帯びてはいないという事だ。だから、特に暑かったりはしないらしい。


ここまで聞いた感じ、概ね平和そうな気がするのだが……。そうばかりでは無いらしい。

テイルヘイムには、数十年に一度くらいの頻度で、天災が舞い降りるという。


竜族だ。


それに対抗する為には、戦力がいるそうだ。


竜族は、星と星の間を自由に飛べる。そんな事が可能なのは、一部の神族と、竜族、神鳥のみらしい。

ちなみにオレは、飛べない神族。ただの神族。


竜族は、総じて巨大で凶暴で、強いらしい。そして、貪欲だそうだ。まぁ、概ねイメージ通りではあるな。

襲撃を放っておくと、その地は喰い尽くされてしまう。だから、決死で追い返す。倒す――のは、かなり難しいらしい。多数の犠牲を出しつつ、何とか追い返すのだ。

先代神狐の姫は、竜族との戦いで没したそうだ。

今から約三十年前、リンコが生まれた頃の事らしい。


「竜族って、怖いのね。」


「そうぞえ。力無き神族では、勝てぬというえ。」


「マジかー。じゃあ、獣族同士で争ってる場合じゃないんじゃないの?」


「うむ。来たるべき日に、備えねばならぬぞえ。何処に降り立つかは、分からぬ故。」


ふーむ。なるほどなぁ。そんな事もあって、大猫族を生かして返したのかもなぁ。


「まぁ、色々分かったよ。ありがとう。

で、ルーヴ。お前、どうすんの?」


「な、何がだ……?」


「え?落とし前ってやつだな。」


「も、勿論、今後、攻めたりはせん!」


「いや、それは当然だろ。そんなもんが落とし前になるかよ。

フウカ。希望はある?」


「む。特に無いぞえ。帰りたくば、帰るが良いぞえ。」


あらヤダ。優しいわねぇ。とはいえ、不戦条約みたいなのは結んだ方がいいと思うけどなぁ。


「んじゃ、残る全員、子供くらいに戻すから、連れて帰りな。

ただし、不戦を誓えよ?」


「わ、分かった。」


そうして、不戦協定を結び、大猫族は帰って行った。


ありがとうございました。

またよろしくお願いします。

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