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【神世界転生譚】 リセットしたいとは言ったけど、こうじゃないだろ?!神になるとか聞いてない!  作者: Resetter
第三章

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卵の行方



巨大な水晶の竜にリセットを使ったら、透明感溢れるすごく綺麗な感じの白い竜になった。


 

そこまではよかったんだが。


 

その白い竜は、この方が話しやすかろう的な事を言って、ドラゴン娘 (全裸美女) になってくれやがりました。


 

そういう接待は求めていなかった。違うんだよ。


 

もう堂々と腰に手を当てて、ドンッと見せびらかしてるみたいになってるけどさ……。


 

それは違うんだよ! そうじゃないんだ! そりゃ、めちゃくちゃ均整のとれた抜群のプロポーションだしな、凄まじいスタイルしてるよ? 恥ずかしい部分なんてないのかもな。確かに誇ってもいい美しさではあるよ。


 

でもさ、そんなに堂々とされるとさぁ、なんだかもう風景というか、石像とかの美術品鑑賞してる気分というか……


 

へー。きれいだねー。すごいねー。くらいな感じになっちゃうんだよ! エロスってのはさぁ、そういう感じじゃないんだよ……!


 

と、オレは心の中で涙するのだった。


 

 


「して、語り合いたいのであったな。」


 

「お、おん……。そ、ソウダヨ?」


 

まぁ、多分このドラゴン娘も獣族と同じで、服を着るという概念がないんだろうな。なんで人型っぽくなれるんだかは謎だが……。

 


「そうか。」


 

白竜娘は、短く答えた。何を考えてるのか分かりにくい瞳をしている。銀味がかった薄い蒼色の瞳は不思議な色合いである。縦に長い瞳孔は、ちょっと爬虫類チックだな。


 

「てか、その姿……なに?」


 

「ん? 何とはなんだ? この方が話しやすかろう。して、お前さんは何者か?」


 

話し合いには普通に応じてくれるみたいだな。だが、ちょっと噛み合わない感じではあるが……まぁ全然許容範囲だな。


 

「……オレはレイリィ。レイリィ・セトリィアス・ミデニスティース。アズ神族、創造の女神ソールフレイヤのニルヴァだ。」


 

「ふむ。ネイドスの直系神族か。」


 

ん? どういう意味だ……?


 

「……直系とかそうじゃないとかあるのか? てか、ネイドスの、って言ったな……。他の……ネイドスじゃない系統があるってことか?」


 

「我ら竜族の祖は、別の惑星から移住した別系統の神族だった……という話だ。随分前の事だから、本当の所は知らぬがな。」


 

……マジか?! 中々に衝撃の事実だな……。


 

確かに母神様からチラッと別系統がいるっぽい話は聞いた事はあったが、アズリア神族のことだと思ってたからな……。


 

いや……そもそも、別系統の神族の殆どは、大戦で滅ぼされたって話だったしな。生き残ってたのか……?


 

「で、アンタは、その別系統の神族ってことなのか?」


 

「そうと言えばそうであるな。違うといえば違うとも言える。我は、白き竜と思っておる故な。この神化の姿について問うておるなら、かつての親交の帰結であると言える。」


 

ふんわりした言い方だなぁ……。見た目はくっきりはっきり美女って感じだが。禅問答じゃないんだからさ。


 

「かつての親交……ってのは、繋がりがあったのか? 神族と。」


 

まぁ、神族に近い姿をしてる時点で、お察しではあるが。


 

「ああ。あったとも。我がまだ動き回れた頃よりさらに前の事だがな。しかし、いつしかここで寝ておる間に、すっかり固まっておったようだ。クハハ! 近く神族とまみえたのはいつぶりか……」


 

おいおい、寝てたら水晶まみれでカッチカチになったってか? 何年の集大成なんだよ、それ。鉱物ってそんな簡単に育つイメージないぞ……。


 

まぁそれはいいや。それよりも……


 

「てか、そこらの白い竜、全員寝てたけどさ。なんで?」


 

「うん? 用もなければ寝るであろうが。力も満たされるしな。」


 

当然だろ、と言わんばかりのドラゴン娘である。


 

「え、食わなくても生きられるってことか?」


 

「これだけ神力に満ちた星だぞ? じっとして吸収しておれば、それで事足りるであろうが。」


 

おー? 予想通りといえばそうだな。そうか。やっぱり白の一族は、食わなくてもいけるタイプか。なるほどね。


 

 


「あ、そうだわ。名前聞いてなかったな。なんて言うんだ?」


 

「おお、名か。我は……ん? なんだったか? (おさ)と呼ばれてからは長としか呼ばれておらんな? はて? そういえば、一族の者どもと最後に話したのはいつだったか……?」


 

おっと? ちょっと雲行き怪しいぞ? 記憶障害レベルなこと言い出してんぞ……? 何年固まってたんだよ。最早封印されてただろ、それよー。

 


いや、まぁいいさ。普通に話せるだけでも貴重だわ。


 

「ま、まぁ……それは思い出したらってことでいいや。それより、緑っぽい竜族が、白の一族を敵対視してたっぽいのはなんでだ?」

 


大事なのはコレ! コレですよ! これを聞きにわざわざ来たんだしな。オレの平和を維持するんだ!


 

「おお、その件か。まぁ端的に言わば……方針の違いだな。我ら白き者は、神力を得さえすれば良い。だが、他の竜族は、そうではない。奴らも亜種族なのだがな。いつしか、考え方も種としても、遠きものとなった。どうも我らを食う事が出来れば、力を得られるとも考えておるようだしな。」


 

ずいぶんと物騒な関係だな。亜種ってことは、どこかで分岐した元は同種、みたいなことだろ? どの程度の濃さかは分からんが、さすがに人間とニホンザル程には違わんだろうと思うんだが……どうなんだろ。


 

「そうか。まぁ今回来たのはさ、白の一族と他竜族の関係性の確認と、場合によっては共闘できないか……とか、あと、竜族についてもっとちゃんと知りたいな〜的な感じなんだよ。」


 

「我らを知りたい、か。変わった奴よ。まぁ見ての通り時間はたっぷりと有る故な。語り合いは吝かではないぞ。近頃は一族の者どもすら話にも来ぬしな。」

 


暇を持て余した神々の黄昏じゃねえか……。


 

いやまぁ暇つぶしでもなんでもいいよ? 話してくれるのは都合いいしな!


 

 「じゃあさ、聞きたいんだが、白の一族的には、他の色の竜族については詳しいのか? あと、敵対的なのか? たとえばオレたちが奴らを倒すとしたら、どうなんだ? どう思う? あと――」


 

 「ま、まてまて。話すのは久方ぶりなのだ。もう少し加減してくれまいか。」


 

 「おっ、すまん。つい。」


 

 ドラゴン娘がちょっとテンパった感じになっていた。

 

 

 しまった。話が通じるぜと思ったら、ついつい焦ってしまったようだ。くそ、気を付けてんだがなぁ。たまにやってしまうな。

 


 「他の竜族についてだったか。奴らも元は、我らの祖と同じ星からきたと聞いておるな。色が様々なのは、元となった鉱物が異なるからだ。」

 


 なぬ?! 鉱物……だと?! 鉱物から有機的な生命体みたいになってんのか?! はぁー。マジかぁ。


 

 うーん。まぁ、今のオレがどう構成されてるか知らんけど……。もしかしたら……やたら丈夫なのも、人間的な有機的な構成じゃないのかも知れんしなぁ。

 


 「して、色はといえば、赤、緑、青、黒、と、我ら白だな。」


 

 5種類か。意外と少ない……のか?


 

 「敵対的かと言われれば、我らから仕掛けることはないがな。奴らから仕掛けられた事は……いつだったか……? はて……?」


 

 いや、ちょっと"はて"が多いわ。


 

 「うぅむ。記憶は少々曖昧だが……お前さんらが奴らと事を構えようが、我らが関与することは無いな。好きにするがよい。奴らも好きにやっておろうよ。」


 

 「なるほど。もうひとつあるんだ。共闘なんかできないか?」


 

 「ん? 共闘とな。ふーむ。何故だ?」


 

 「ある程度利害は一致してんのかなぁってさ。この緑の奴も、神族とか食って力を付けたらここを攻めるって言ってたしさ。」

 


 すっと卵を差し出す。


 

 「そんなことがな……。ふむ。」



 差し出した卵を手に取るドラゴン娘。


 

 そして……光を集めるように卵へと神力を注いでいく。



 「我は面倒故な。ほれ、こいつを好きにするがよいぞ。白に変えておいた故な。」



 ふぇ?!

お読みいただけまして、ありがとうございました!

今回のお話はいかがでしたか?


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