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【神世界転生譚】 リセットしたいとは言ったけど、こうじゃないだろ?!神になるとか聞いてない!  作者: Resetter
第三章

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いざ! 空の果て!

 


  一夜明け。


  結局方針は固まらないままだったが、フィーネが案内……


  というか、乗せてってくれるということで、空の浮島を目指して出発したわけなんだが。


「うニャ〜……高いニャ……ここどこニャ……怖いニャ……レイリィ様……もっとしっかり抱いて欲しいニャ……」


「ふむ。此度はフィーネ殿が風を操ってくれておるえ。こなたは楽が出来てよいぞえ。さ、レイ殿。もそと(ちこ)う、()へ寄りゃえ。」


「たかーい! ボスー? あれなにー?」


「ご主人様。少々揺れておりますね。お支えいたします。」


「ちょっとぉ〜! ワタシの上でイチャつかないでちょ〜だいよぉ〜ん?! ワタシが乗せてあげてるのにぃ〜! 仲間はずれはイヤイヤよぉぉぉん!」


  この調子である。


  はぁ〜。そうだったわ。ウィト高いとこ苦手だったわ。アマネ龍に乗ってゆっくり空飛んだ時もガクブルしてたもんなぁ。


  他はまぁ大体普段通りかねぇ。


  現在絶賛星間飛行中なのである。


  地面? ずいぶん古い話だぜ。遥か彼方のアレとかアレとかのことかな?


  そんな過去にばっかり囚われてたら未来は掴めないんだぜ? なんてな! 言ってみたかっただけだ!


  と、まぁ冗談はさておき。


  テイルヘイムからずいぶん飛んで来たわけだが。こりゃ一方的に攻められるわけだな。


  感覚的には、星の間を抜けてきたって感じだ。火の星(フランマール)、アルヴヘイム、エルヴァルドの隙間というか。


  上空から見ると、全部綺麗に見えたな。火の星は、降り立つと酷いけど。


「場所が変わってなければもうすぐよぉ〜ん!」


「場所が変わる?」


「そうよぉ〜? 空の"う・き・し・ま"だからねェん? たまぁにフラッとお出かけしちゃうのよぉ〜? ん〜根無し草ッ!」


  うるせえ。


  まぁ、声量と言い回しはともかくとして。情報自体は貴重ではあるな。


  それに……今回用意した便利グッズならば……くくく……。


「うん? レイ殿や。何やら企んでおるのかえ? ずいぶんな顔をしておるではないかえ」


  気付いたらフウカが覗き込んでいた。オレの横顔を、後ろから。


  そう。オレは……オレたちは今、フィーネの上に座ってるわけだ。


  オレが中央に配置され……右はアマネ、左はルビィ、前にウィト、後ろにフウカなのである。


  フィーネの背中……広いっても、5人もいたら狭いわけでして。ぎゅうぎゅうでござるのよ。


  なぁんか後ろに配置となったフウカが……


  やわらか〜い枕をめっちゃ押し付けてきてる気がするんだが……


  おちけつ! おちけつんだオレ!


  とても大きくやわらかい枕が2つあるだけ……


  それだけのっ……! 話っ……!


  心頭滅却すればっ……枕また自ずからやわしっ……!


  ………………


  ……うん。低反発枕よりよく眠れそうだ。まぁ寝ないんだけどな。


  なんかおちついてきた気がするぜ。


 


「見えたわよ〜ん!」


  フィーネの声に、視線を前方遠くに向けると……


「おお……アレか……」


  空の浮島というだけあって、巨大な島が浮いていた。


  下側は、岩肌が所々雲に覆われてるが……おそらく地球の雲ではないな、アレ。


  多分エルヴァルドの歩ける雲みたいな感じだろな。


  幾重にも折り重なった巨岩の上に、草原やら小山やら洞窟やら泉やら……


  中々に風光明媚ともいうべきか……想像より全然綺麗な風景である。なんなら神秘的まである。


「よし、フィーネ。あの誰もいなさそうなところに降りてくれ!」


「フィーネちゃんよぉ〜! フィーネちゃんって呼ばないとイヤイヤよぉぉぉ!」


  ……う、うぜェ! この期に及んでなんなん! 焼鳥め!


  と、思ってたら、隣からチキッという音が……そして、とんでもない殺気が……


  待て待てアマネ、今はマズイ。ソレをしたらオレたち真っ逆さまよ!?


「ひゃああ〜?! んなぁ〜にする気よぉぉぉ〜?! やめてやめてしまってそれ〜?! けきょきゅきゃわ〜!!」


  うるさっ!


「ガルルゥ……」


  あ、ルビィまで牙向いてるわ。まぁ、うるさかったもんなぁ。耳いいとなぁ……。


「ふむ。こなたに任せるぞえ。静夢幻……」


「ああ〜ん?! だまるぅ〜! だまるからぁ〜! それやだァ〜!」


  だったら大人しく降りてくれっての……。敵地なんだぞ?


  全く……。騒ぎよって。


  バレたら囲まれてピンチ! とかになんだろよー! 隠密行動基本だろー。


  そうして、やっとこオレが指定した地点に降り立つフィーネ。


「ココでいいのよねぇ〜? ほら、レイリィきゅ〜ん? ご♡ほ♡う♡び♡ はァ〜ん?」


  ……チッ。懲りねぇヤツだな……。全く。


「ほら。コレやるから大人しくしろよ?」


  便利グッズ、少し余分にあったやつを1個差し出してやった。


「えぇ〜? ワタシをモノで釣ろうとしちゃうわけぇ〜? やぁだぁ〜! レイリィきゅんのモノにしてぇ〜ん!」


  断じてお断りだ! オレはアイテム設置で忙しいんだ!

  早よ作業させろや!


「いや、オレは作業がだな……。竜族に見つかる前によ……」


「グオオオオ!」


  こ、この聞き覚えある感じ……


  チラーりと声のする方を見ると、小山の上から覗いてた。竜族。緑っぽいやつ。


  ほらみろ! 見つかったやんけ! バーカ! 焼鳥! うるさくすっから!


 ――チキッ


「黒極」


「……グ? ゥゥゥ……」


  いち早くアマネの重力で縛ったようで、竜族はペタンと腹を地面に付けた。


「静夢幻……壱の型・静調子(しずかなるしらべ)


「……」


「お、無音か。」


「これならば他に音は漏れぬぞえ。」


「ウィト、電波で奴の感覚を奪え! 静かにな?」


「はいニャ! 呀音(がおん)!」


「ルビィ、ヤツを引きずり下ろしてくれ!」


「はーい!」


  ててっと小山に跳び移って、竜族の翼に齧り付いたルビィ。ググーっと引っ張り……


「アマネ、重力解除!」


「はい!」


  アマネの重力が解除されたと同時に、スポーンと引っこ抜けた大根みたいに竜族が降ってきた。


「フィーネ。アレキャッチしてそっと下ろしてくれ」


「えぇ〜? なぁんでぇ〜? 殺っちゃえばいいじゃないのよぅ〜!」


  フィーネは不満顔である。


「隠密行動だっての……。そっと音を立てずにだな……。」


  オレも不満顔……というか最早呆れとるわ。


  そりゃこんな感じなら、何度も何度も突っ込んでは死んで生き返って……ってなるよな!


  脳筋焼鳥め! はっ?! まさか……ダチョウ的な?! なんで走り出したか忘れちまった的なアレか?!


「もう〜。わかったわよぅ〜。」


  じとーっと見てたら、そう言って空を舞うフィーネ。竜族フライングキャッチ。


「アマネ、竜族降ろされたらまた重力縛りな!」


「はい。」


  はぁー。オレの腕でやれるかなぁ……。


 ――ドスッ……


  無音とまではいかないが、それなりにソロッと置かれた竜族に、再びアマネが重力で縛る。


  スウッと野太刀雪月花を抜刀する。切断にかけては、三振りの中で一番適してるしな。


  神力を身体中に流し、纏い……刃にも通して……

 

  スっと走りよりながら……左方から横薙ぎに竜族の翼の根元を狙って振り抜く。


  手応えは、軽いものだった。すうっと竜族を通過していく刃。


  よし、もう一枚……


  右脚を踏み込みながら、右方より刀を返す。翼無し竜の出来上がりである。


  これで一応……飛べはしないだろ。


  さて。じゃあ少しだけ対話を試みてみるかね。

お読みいただけまして、ありがとうございました!

今回のお話はいかがでしたか?


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また、連載のモチベーション維持向上に直結いたしますので、すぐ下にあります☆☆☆☆☆や、リアクションもお願いいたします!


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