便利なアイテムを便利に創ってもらうには、やっぱり試練が付き物な件
やって来ました時の神殿。
とりあえず神鳥フィーネイリオロスは、ルビィとアマネに運搬及び連行を頼んどいたから、いいとして。
まぁ……多分大丈夫だろ。
さすがに火の海に戻したりはしないと信じよう。
はぁ……。
とはいえ、時の神殿も全く気乗りしないんだ。
なんつってもなぁ。
時の女神アイカフィアーも……かなり濃いめだからさ。
われにがて。
とはいえ、便利グッズの仕上げにはどうしても来なくてはならなかったんだ……!
ああ……神よ! 我に力を与えたまえ……!
って言いたい。
まぁ無駄だけどな! オレも神なんだしよ!
なんだこのセルフ感。自己解決しか手段がないってさ。人も神もその辺は同じだよなー。
はぁ。
ま、あんまりアマネを待たせるとマズイからな。
んー、神スマホ新機能チャットアプリ的なやつ教えとこうかなぁ?
いや、鬼連打されそうだしやめとくか……?
ま、いいや。
とにかく伏魔殿……もとい姉呼び強要叔母神殿に……いざ!
と、一歩神殿に足を踏み入れると……
「レイく〜ん! いらっしゃい♡ 来てくれたんだぁ〜? うふふ。おねぇちゃんうれしいなぁー。んー」
すでにアイカフィアーの目の前にいるわけなんだ。
本当に目の前。
てか、腕の中。
初手から抱き締められとーる。
「んーちゅっ」
逃げ場ナッシング。
まぁ、これしきは犬だとでも思えば……なんてこともない!
こちとらルビィに舐められ続けてんだ! ふやけるまでな!
「アイカ姉さん……」
「なになにー?」
「ちょっと頼みがあって……」
「うんうん。あ! お姉ちゃんとイチャイチャしたいの? いいよー? 可愛いレイくんだもん。いっぱいしよ? たーくさん力、分けてあげるー。んーちゅ」
ん? なんつった? 力を分ける……だと? イチャイチャ……してか?
どういうことだ……? そういう仕様なのか……?
いや、先ずは本題だ。
「いやぁ、お姉ちゃんは可愛いんだけどさ……」
はぁはぁ……ヤバい、ダメージがっ……! 耐えろ……! マイハート! ビジネスの基本は煽てる事だ……! 思い出せ社畜根性……! 震えるぞボディ……! 燃え尽きそうなソウル……!
「えぇ〜? レイくんったらぁ……」
ぐっ……! 頬を染めるんじゃあねぇ……!
クソッ……チョロい系突き抜け距離バグ女神め……!
お前そんなんでも、見た目の破壊力エグいんだからな!
「この、袋……無限収納にして欲しいなって……」
「えー? そんなのレイくんがお姉ちゃん♡ と〇←したら、一発で創れるようになるのにぃ〜? お姉ちゃんにさせたいの〜?」
おい、サラッとなんかすげぇこと言ってないか?
ま、まぁ今はいい……
さぁ、いけ! マイハート! お前はやれる! オーバードライブだッ!
「オレ、アイカ姉さんのすごいとこ見たいなぁ……」
グハッ……! 思いのほかダメージが深刻だ……
か、仮面……仮面はどこだ……石のヤツ……
「えー?! いいよいいよー、かしてっ!」
アイカフィアーは、袋をバッと受け取ると、中に手を突っ込んで……
いや、なんかヒジまで入ってグリグリ回してるな……
10cm程度の小さい袋なんだが……
いやそうはならん……
まぁ、なるんだろうなぁ……神様だしなぁ……
そして、淡く輝いたかと思った次の瞬間に、閃光が走った。
ぐぁーっ!? 目が! 目がぁー!
「はい。できたわよー?」
「あ、ありがとう……」
と、言ってもだな。目が開けれんのよ今。じっと見てるんじゃなかった。
ちょっと今、ムス〇ってる。
「ん? レイくんなんで目つぶってるの? あー? ちゅっして欲しいんだ? んふふー」
「……いや、ちが、眩しくて!」
ぎょんっと気合いで目を見開いた!
あんまりハッキリ見えてないが、ボヤっとアイカフィアーの輪郭がすごいスピードで迫ってきていた!
バッと身体を翻す。
刹那の交差。
「あれ? レイくんったら、結構素早いのねー。」
ふっ……。そりゃ必死だからな!
まさか化物や竜族の攻撃躱す時より集中する事になるとはな。
恐ろしいぜ……。マジで敵じゃなくてよかった。
「あ、アイカ姉さん。袋、ありがとうね。ちょっと竜族の問題があるからさ、色々準備しないとなんだ。」
「え? もう行っちゃうのー?」
「ま……またくるよ……」
「えー。もー。はやくしてねー?」
アイカフィアーは頬を膨らませていた。
「じゃ!」
が、オレはババッと手を振り、ササッと回れ右!
ダッと走りだした瞬間――
やっぱり神殿の外にいた。
うーむ。これは送ってくれてんだろかなぁ?
まぁ、感覚は少し狂うけど、時短はありがたいわな。
出来ることなら、ご本人との面会も時短したい……
と、ご本人に言ったらオレは多分死んでしまうから言わないが。
まだ少し冥土の旅編には早いしな。
さーてと。ミッションクリアだ。
神狐の郷行こっと。
あーあ。ゆっくり風呂にでも浸かりたいぜ……。
――――
――
神狐の郷。
転移石繋がってる場所は便利だね。
と、早速帰ってきたわけだが……
あー……このまま森に包まれたこの神秘的な和風建築群を眺めていたい……
と、めちゃくちゃ思うけど、カオスになるだろうこと請け合いな場へ……オレは向かうのだった。
「ご主人様……おかえりなさいませ……」
お、アマネが一番のお出迎えか……
ルビィじゃないのはちょっと珍しいかも?
「ただいま」
とりあえず軽く撫でておいて、と。
うん、一旦アマネも満足そうだな。目を閉じて微笑んでる感じだ。
そんなわけで奥に進む。
そして謎は全てとけた。
じっちゃんの名にかけなくても、ひと目でまるっと全部お見通しだ、コレ。
神鳥……ルビィに組み敷かれとるわ。
「あだだだだだっ?!」
そりゃ、ルビィが出迎えないわけだな!
「あー、ボスー! おかえりー!」
「ただいま」
ルビィ……それ、放ったらかして走ってきたらダメじゃ……
ま、いいか!
押し付けちゃってたしなぁ。しっかりムツゴ〇ウスペシャルで……
「うひひ〜」
うむ。ルビィはもふもふであるな!
「あぁん。レイリィきゅんじゃなぁい! やっと……」
「静夢幻、壱の型"静調子"」
すうっと幻のように現れたフウカが、優雅な動きで薙刀を振るった。
それは能楽の舞のような、ゆったりと見えるほどの動きだった。
「……」
そして神鳥フィーネはすっかり大人しく……いや、音無しくなった。
「フウカ、短時間で型まで創ったのか?」
「ふふ。こなたもやるときはやるのえ。」
「そ、そうか……」
「そうぞえ。……ん。」
そう言って、頭を突き出してくるフウカ。
……撫でろってことね。
まぁ、はい。
とりあえず軽く撫でる。
人型のフウカはサラッとした髪なんよな。まぁこれはこれでいいか。
だが、またいつかスーパーモフりヘブンフィーバー・ナインスペシャルを堪能したい次第である。
たまには静かなる癒しを所望するんだ。
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