騒々しい創造神殿。焼き鳥未遂事件。
驚愕の事実。
神鳥フィーネイリオロス、竜族と戦いまくっていた!
という事が判明し、オレはものすごく問い詰めたい気持ちに駆られたのだが……
同時に話したくない気持ちも強かった。
だってなんかウザいんだもん。
そう、中身中年のオレが"もん"とか言ってしまうくらいにはウザいんだ。
しかし、聞かねばならぬのだろう。
漢にはやらねばならぬ時がある。それはいつ? 今でしょ?!
「あー、神鳥さん。何度も殺りあってる、とかさ。竜族の本拠地を攻めてるって意味か?」
「ちっが〜うわよぅ! フィーネちゃんよぅ! フィーネちゃんって呼ばないと答えないわぁ〜ん!」
チッ……このやろう……
「……ルビィ。」
「はーい。」
――グギョッ!
「あだだだだだだ! な〜にするのよぅ!? いったあ〜いじゃないのよぅ!?」
「いや、ほら。普通に会話……しようぜ?」
オレは会話が成り立たないタイプは苦手なのよ。今ちょっと急いでるしな。
母神様に頼みたいこともあるんだしさ。
はよ言えや。
今ならまだギリギリ間に合う。
「ひっど〜いわぁ〜ん! ワタシ泣いちゃうわよ〜ん?! いいのかしらァ〜ん!? 」
――ビュッ!
「ヒョッボッ?!」
「……ご主人様のお言葉が聞こえておられませんか?」
ああ、ダメだった。ついにアマネが動いてしまった……。
こうなる前にと思ったのになぁ……。
首が落ちてしまったら、さすがに話せないだろ……。
「けきょきょきゅわ〜ッ?!」
何やらまた神鳥はけたたましい奇声を上げておるな。
鳥……だからかぁ?
うーむ。うるさい。まぁいいや。
「あ、母神様。とりあえず頼みなんですが……」
「ああ、そうですね。なんですか?」
「ちょっとこの先を考えて、色々便利グッズとか……ルビィやウィトの装備とか……あと、アマネのオシャレ服とか欲しいなって……」
「ああ、そういうことですか。では、詳しく聞きましょうか。こちらへどうぞ。」
母神様は、奥の部屋へ向かうようだ。
まさか図面とか書かされるのか……?
それとも、気を使ってくれた……?
いや、母神様もうんざりしてただけかもな。
まぁ知らんけど、創ってもらう以上は従っとくのが得策だろうな。
「アマネ、ルビィ。ちょっと頼むわ。」
「お任せください。」 「はーい。」
「レイリィきゅ〜ん?! どこ行っちゃ……あだだだだだだ?!」
うむ。オレは雑音はあまり聞こえないタイプなんだ。あーあーきこえなーい。
――――
――
「……ふう、出来た! こんなデザインがいいですかねぇ」
オレは絵心はない。ないんだ。でも、頑張ったと思う。
神スマホで検索したやつ見せたのに……
なぜか描けって言うんだもんよー。
「あらあら。レイリィさんったら。ふふ……。」
ほらぁ! 笑ってんじゃんよー。レイリィ画伯だよーどうせよー。
「では、創造しますね。」
ソールフレイヤは、オレが描いた絵に、神力を通した。
立ち昇る光の粒子が、次第に絵を立体化した!
マジか!
「はぁー。これが創造の神能ですか……。」
「ふふ。本当は絵からでなくともいいのですが、レイリィさんの想いと神力が籠ったものから創る方が、良いものになるのですよ。」
「なるほどー……」
それでか。オレのリセットとは結構勝手が違うんだな。
つーか、真逆な感じだな。
オレのリセットは、相手の神力や想いが強いと大変だしな。
ルーキスナウロスの呪い的なやつとかさ。
創造の神能は……ケースとしては、名付けの感じと同じか。
どういう能力にしたいか、どういう存在かを定義するアレ。
ふーむ。あれは創造に近いのか。
てかまぁ、神具にしてたアレとかはそうか。ある意味創造してんだもんな。
神能、何となく理解出来てきたな。
ふむぅ。今後の神具創造だとか名付けの際はより一層意識してみようかな。
とりあえず、今回は色々揃えてもらったし……これで戦力的には結構アップするだろ。
とはいえ、使いこなせないと意味ないものもあるからな。
修行は必須かなぁ。
あ、ついでに色々聞いとくか。
「そういえば、母神様は何でも創造出来るんですか?」
「なんでも……というと?」
「いや、例えば……竜族殲滅装置……とか?」
「ああ、出来なくはないですが、やりませんよ?」
「あ、そうなんすね。まぁ、例えなんで、別にそういう殺戮兵器はいらないんすけどね。」
「ええ。それでこそ私のレイリィさんですね。さすが、増幅者でも腐らなかっただけありますね。ふふ。ご褒美にまた何か創ってあげますね。それとも、私がいいことしましょうか?」
お、おい母よ。とんでもないこと言うんじゃねぇぜ! そんなこと言うんなら子供らしくミルクを所望すんぞこら!
「あら。その顔、冗談だと思ってますか? うふふ。」
HAHAHA!! 今は魂の状態ではないから思考はだだ漏れじゃないはずだがな!? なんっでこんな今生の母は毎度毎度こうなんだよ!!
「あ……そうだ。そろそろ味噌が切れそうなんだった。味噌ください。赤味噌で。」
「あら、そんなものでいいのですか。はい、どうぞ。」
とりあえず、いとも簡単に味噌を出してもらった。
――――
――
「アマネー、ルビィー。話聞けた?」
焼き鳥……もとい神鳥フィーネイリオロスのいた部屋に戻ると……
「ご主人様。」 「あ、ボスー。」
……おん?
鳥の羽が少し散らばっていた……。
ま、まさか……
「あらぁん。おかえりなぁ~い! レイ……リュギュボッ?!」
あ、いたわ。よかった。処されてなかったわ。今のも峰打ちだしな。
っていうか……アイツ、人型になれたのか。
神鳥は、背に派手な色の翼が生えた派手な髪色の美女……であった。
まぁ、もちろん全裸なんだが……な。
そりゃあさ、変身して都合よく服が出てくるわけないんだけど。
はぁ……。しっかしまぁ、神と名の付く奴は、見た目だけはいいんだよな、性格がどうであれ。
「どうも神鳥様は、大戦後辺りから何度も竜族に挑んでいて、時折空の浮島に攻め入っていたようです。」
「おお、マジか。場所知ってんのか。」
「ちょっと~~! ワタシに話させなさいよぉ~~! あだだだだだっ!?」
うむ。ルビィめ。中々のハントっぷりではないか。
飛べないように翼を齧るんだな。なるほど。こうやってちょっとづつ羽が抜けたんだな。
「はぁ~。ま、しかたないから、神狐の郷に連行だな。で、オレちょっと時の神殿に行くからさ。先戻っててよ。」
「……えっ?! そ……そのような……ご無体な……」
「ええー。やだー。」
あはは。ソレをアイカフィアーの前に連れてくとかさ、オレまじで嫌なんだが!
ううむ、どうすっかぁ……。
あ、そうだ。
「ふふ。そんなキミタチにとってもいい話があるんだ。コレ!」
ててーん!
オレはさっき母神様に創ってもらった便利グッズのひとつを早速取り出した。
神スマホ分機~!
「ほら、これ、オレとおそろい。ここ押すと繋がる。つまり、いつも一緒。」
「……ここ……押すと……繋がる……いつも……一緒……」
よぉし、アマネはいけそうだ! ルビィは……ああっ?! 首傾げとーる!
「これ、ボスのやつー?」
「そ、そうだぞルビィ。オレと同じやつだ。コレあげるから……あ! 味噌ももらったんだよルビィ。これで先に帰ってさぁ、調理部のみんなに渡してご飯をだな……」
「わかったー!」
ようし!
「じゃ、2人とも頼んだぞー」
そうして2人の頭を軽く撫で、隣の神殿に向かった。
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