神様相談会。冷房はもう少し弱めを所望する。
創造神殿まで、母神様に相談しに来ていたはずだったんだ、オレは……
「もぉ~~う! 探しちゃったじゃな~い! ほんとっ! ぶりざ~どなんだからっ! ぷんすこしちゃうわ~ん!」
なぜ、なぜコイツがここにいる!
この喋り……この派手な見た目の鳥……火の星で会ったアレしか知らねぇ!
いやむしろ、こんなのがもっといるとか地獄過ぎる!
せめてコイツだけにしといてくれ!
くっそー! なにしに来やがったんだ!
いや……それよりも……
「……てか、どうやってここが分かったんだ……?」
「え~~? レイリィきゅんが言ってたんじゃなぁい。創造の女神のニルヴァだって~。だから来てあげたのよ~ん? うれしい?」
いや、頼んでない。お帰りください。あ、お出口はあちらです。
ごきげんよう。また来世。
「あら、神鳥ですか。お久しぶりですね。」
「あらぁん。ソールフレイヤ様ぁん。お久しぶりぃ~。いつの間にこぉんな可愛らしい子創っちゃったのぉん?」
む? 知り合いか? 和やか……? に挨拶しておるな……?
あ、うん。いいんだ、アマネ。やめるんだ、刀は。
チラッと見たらアマネがまた神鳥を斬ろうとしていたっぽいが、母神様の知り合いと分かってか、自重したようだ。
鯉口を切りかけていたが、チンッと戻してる。
あ、ルビィは初見だったな。無言で首傾げとるわ。
うむ。そうだろうな! オレもそうだよ! マジで意味わかんねぇもん!
そっとルビィの頭を撫でておいた。少ししっぽが振れるのは仕様だな。
「それで、今生の名は前回と同じですか?」
「そりゃそうよぉ~~。消されちゃったらさすがのワタシもまずいわぁん。」
「フィーネイリオロス。今ちょうど、あなたの敵である竜族の話を、私のレイリィさんとしていたところです。」
「あらぁん? そぉなのぉん? それよりも~フィーネちゃんって呼んでちょおだい~」
なんだコイツ……
ちらちらこっち見んじゃねぇよ……焼き鳥にすんぞ。
美味くはなさそうだが……
「フィーネちゃんって呼んでちょ~だぁ~……あぶなっ!?」
何だか名前を呼べとか言ってこっちに近寄ってきた神鳥を……
「ご主人様に近寄らないでくださいませ。」
アマネが牽制斬撃放ってるんだけど……
あ~あ〜。揉め出しちゃった~。
はぁ……。
「アマネ、あとでいっぱい撫でてやるからさ、ちょっと我慢しような?」
「……! は、はい……!」
よし。これでいいはずだ……
「えぇ~? ワタシにはないの~ん?」
黙れ小僧!! お前にオレが救えるか!!
……いや小僧はオレか。
「いや、てか、別に仲良くもなんでもないだろ……」
なぜそのように荒ぶるのかっ……
「いやぁ~~ん! ぶりざ~~~どっ! つめたっ! つめたいわ~! ぎょぶっ?!」
あ……
「ボスー! へんなとりつかまえたー!」
「ちょ……なんなのよぉ~?! 離しなさいよ~ん!」
ルビィが、神鳥を捕まえてしまった。
……ま、いいかぁ。うん。鎮まりくだされ。
ルビィ。そなたは美しい。GJ!!
「で、母神様。竜族なんですがね、火神さん的にもフウカ的にも、再来がずいぶん早いとかなんとかで。なんか起こってるんじゃないか……みたいに言ってたんすよ。何か掴んでたりしないすか?」
「ああ、郷で襲われたのでしたね。大変でしたね。よく倒せましたね? まだまだあなたには手にあまりそうだと思っていましたが……」
ふーむ。
グエンさんも驚いてたが……
母神様もか。竜族、よっぽどだな。噂通りだいぶヤバいらしい。
「ちょ~っとぉ~! なぁんで無視するわけぇ~~?! ぷんすこしちゃうわ~~!」
「や、まぁ、アマネと二人がかりでやっと、って感じでしたがね。」
「あら、アマネさん。頑張りましたね。」
「……あ、いえ……ご主人様にお尽くしする事は……私の存在意義ですので……」
いや、存在意義とは? ちゃんと自分の神生をだね……
「聞こえな~いのかしらぁ~ん?! もしも〜し……あ、ちょ……いたたたたたたたぁ?!」
――ビタァン! ビタァン!
ルビィは神鳥咥えて振り回して床にぶつけてるな。
うむ。犬ロールだな。
そう言えば昔……ルビィがやっと元気になった頃、ロープをビタンビタンして遊んでるのかなーって思って見てたら蛇だった事あったよなぁ。
ますます野性味に磨きがかかったな!
「私のレイリィさんのためにそこまで……うふふ。」
あ、こら、意味深な笑顔はやめなさいってば!
あ、アマネ……い、痛いから! もうちょい優しく……し、しがみつくのはもう諦めたからっ
「竜族は、大体そうですね……いつもお腹が空く頃に狩りに出るのですが……その周期が大体100~200年くらいというのが通例なのですがね……」
「狩り……か。ということは、栄養摂取が目的ってことですよね?」
「そうですね。」
うーん。急に栄養が必要になった……?
「繁殖期とか、そういうのあるんですかね? 子供が生まれたとか……」
「ああ、その可能性はありますね。竜族も繁殖頻度に関してはかなり緩慢なのですが……たまにはそういうこともあるでしょうね。もしそうなら、まだまだ頻繁に来るかもしれませんね。」
神の言うたまにはって、どうせ1000年単位とかなんだろうけどさ。
ふーむ。竜族の生態かぁ……。
倒した奴は言語能力なんてなかったけど、もしその子供のためにって話なら、それなりに知性は有してんだろな。
つってもまぁ、さすがにこっちも食われるのは勘弁だしな。
知性があろうがなかろうが、食いにくるんなら逆に食って……は、ダメなんだったな。
そうだったわ。竜化するんだっけ。
ドラゴンレイリィ爆誕はちょっと望んでない。
はぁ~。もっとさー、平和に生きさせてくれよなぁ~。オレの望みは平和で平凡で平穏なライフなんだよ。
何だよ食いにくる竜ってさ。QOL爆下がりだよ。ふざけんな。
まぁ何にせよ、そういう生態なんだったら、共存は難しそうだなぁ。
「や、やつらは野放しにしたらダメなのよ~~う!」
「あ、そうだ。母神様。竜族って、空の浮島? とかいうとこにいるんですか? どこの星なんです?」
「ああ、空の浮島ですか。星ではありませんね。空の浮島です。文字通り浮いていて、どの星にも繋がっていません。星間飛行能力がある竜族にはうってつけの住処ですね。」
なぬ?! マジか。向こうは来放題で、こっちは行けないってか。それ、戦争だったら即詰みだぞ? 本土上陸されてからしか攻撃できねーとか、どんな縛りプレイだよ。
「だぁからぁワタシがぁ~~何回も何回も殺られながらも攻めてるんでしょうがぁ~~」
なぬ?! おま……焼き鳥?!
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