俺の影
これは俺、中村 翔の不思議で恐ろしい、中学二年の夏の出来事
俺には毎日一緒にいた友達がいた
そいつの本名は知らなかった、でもキミコと呼んでいた
そして夏のある日、キミコは俺を森に連れていく
「面白い場所見つけたよ!」
キミコはいつもより、はしゃいでいる様子だった
俺は、言われるままについて行った
ついた時にはもう、周りに道はなかった
ただ、一件ポツンと神社があった
キミコはそこを、〘きおん神社〙と読んでいた
俺は謎の好奇心に襲われた、キミコは後ろから着いてきた
「なぁ、入ってみないか?」
俺はキミコに言った
俺は今思うと、おかしかったと思う
何故かあの時は、勝手に口が動いたと言うほどに、口が動いていた
そしてキミコは、少し間を開けてから頷いた
神社に足を踏み入れた
その瞬間俺の好奇心は、まるで二重人格のように、不安と恐怖にうつり変わった
俺は後ろを向き走った、俺は目をつぶってひたすら走った
そして目を開けた、目に映ったのは〘きおん神社〙だった
俺は何度も帰ろうとした、だが何度やっても同じ事
また戻るだけだった
数分たった頃に、奥に人がいる事に気づいた
俺とキミコは一緒に走った、この頃は何故か神主だと思っていた
「あの、ここから出たいんですけど」
俺は多少近ずき、大声で言った
すると神主のような人は、こちらに近寄り言ってきた
「かくれんぼ、しようよ」
まるで生きた人間の目ではなかった
俺は断った、だが神主は同じ事しか言わなかった
「かくれんぼ、しようよ」「かくれんぼ、しようよ」「かくれんぼ、しようよ」
俺は恐ろしくて、これ以上断れなかった
そして頷いてしまった、これが地獄の始まりだった
その神主はみるみる内に、人の物陰すら残さないような
鬼のような化け物に変わった
「10、、、9、、、8、、」
正常に戻った時には、もう数を数えていた
人間の声ではなかった、例えようの無いような恐ろしい声
俺とキミコは、すかさず走った
そして神社の中に入った
そして鬼が数え終わったであろう頃、俺達は見たくないものを見た
それは、沢山の子供の死体だった
その死体は、全て俺達を見ているようだった
だが、気にはしたが、生きるのが精一杯だった
キミコは冷静だった、この時キミコはとても心強かった
そう思っていられるのも、この時だけ
足音が近ずいてくる
俺の心臓の音と、金属が擦れている音がした
もう死ぬ事さえも、受け止めようとしていた
「きおんって鬼隠って書くんだよ」
キミコは何故か神社の、漢字を教えてきた
俺はゾッとした、何故キミコは冷静なのか
この神社は一体何なのか
俺は恐怖で震えていた、そんな時でも
空気を読まず足音は近づいてくる
ドォン
その時、神社のドアが壊された音がした
その時キミコは確かこういっていた
「君は僕だ僕は君だ、だから鬼は友達だ
僕の本名は、鬼ヶ密 鬼子だよ」
そして何故か音は止まった
俺はとても安心していた、多分馬鹿だからだろう
「みぃぃいつぅけぇた」
背後から化け物の声がした
キミコは笑いだし、同じことを言う
「たのしぃぃい」「たのしぃぃい」「たのしぃぃい」、、、、
俺は怖かった、こんなキミコは恐怖でしかなかった
だがキミコは友達だ、俺は手をとって走る
鬼は金棒のようなものを振るった
バキッィ
地面に金棒は突き刺さり
俺はチャンスだと思った
鬼に目掛け走った、この時俺は、人間の限界を超えると言うのを初めて感じた
開いていた股にスライディングをし、神社のドアまで走る
鬼は苦戦していた、そして音の通りドアはボロボロになっていた
そこを抜けた、すると鬼は消えた
助かったと思った、だがオニコはこっちを見て言う
「お前は鬼だ」
その時のオニコは、まるで生きた人間の目ではなかった
俺は恐怖で早く帰りたかった
オニコは数分後こう言った
「帰ろっか!」
とても笑っていた、さっきとは別人だった
そして俺達は帰った、時間はもう夜になっていた
そして今になって気づいく事がある
何かって?
それは、オニコが俺のイマジナリーフレンドだったってことだよ
終わり