これが仕事だ。
うわあ、ここで仕事って言っても何すればイイの⁉︎
「そこは説明するから落ち着け」
…はい。
「お前の仕事はここにある本の修理だ。
ここには病気にかかってしまった本が集まり廃棄を待っているはずだった。
しかし、ここに本に干渉はできるが本は病気にならないという稀有な存在がいる。
そいつに本への干渉を行ってもらいなんやかんやしてもらうことで、本の病気を治す。
つまり、この本たちは治せるかもしれないということだ。」
「えっと…本に干渉ってどうやるんですか?」
「さあ?その意思を持って触れるやら何かしら手段はあるだろう」
つまり丸投げっていうことか…。
「本を修理するって具体的にどうするんですか?」
「んん…物語をハッピーエンドにすること、かな」
物語をハッピーエンドに…?
「お前がわかっていないのはわかる。
つまりお前がサブキャラとしてこの物語に入り、主人公を幸せにできれば成功。
この病気は物語が完全なるバッドエンドになることによって起こるからな」
本に入る⁉︎
私に物語のサブキャラになれ⁉︎
意味がわかんない。
館長は口元をひきつらせるように笑いながらいう。
「さあ、仕事にかかりたまえ。」
この混乱した状況で言うそれ。
…うちの上司はなかなかにイイ性格をしているようだ。