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内容を 指令により、消去!!!タピオカミルクティー

(学校を出て、電車で数駅。新宿駅の東南口から徒歩3分。私は、金髪ツインテール、ニーハイ美少女の汐海 クリスティーナ 凪沙さんと、タピオカの列に並んだ。


 移動中、電車に乗っていも、歩いていても、男子の視線が汐海さんに吸い込まれていくのを目の当たりにした。当然のように女子の視線も汐海さんに吸い込まれていく。


 私は何か話さなきゃ、と焦れば焦るほど沈黙。


 視線は、無意識に汐海さんの胸にむかうありさま。)



(学校を出て、電車で数駅。新宿駅の東南口から徒歩3分。私は、透明感のあるミディアムヘアがふわっと揺れる鶯菜乃葉さんと、タピオカの列に並んだ。


 驚いたのは、電車に乗っても、歩いていても、男子の視線が私よりも先に鶯さんを捕らえることだ。その顔が一瞬ぱっと明るくなるのを見逃さなかった。

 クラスのぼっちという先入観を持たずに鶯菜乃葉さんを見ると、とても可愛い人なのだ。


 先ほどから鶯さんの視線が分かりやすく、胸にくる。


 男子はいつもそう。私の胸をよく見てる。

 もしかし、鶯さんって男子だったりして……。)



「で、菜乃葉さん! どれ飲みたい? おごりだら好きなの頼んでいいわよ。」


(汐海さんに聞かれて、カウンターに身を乗り出しメニューを見る。どれも美味しそう。それじゃ、)


「私は乳頭にゅうとうミルクティー。」


「……?!」


乳頭にゅうとう、なんだか美味しそうな響きだけど。周囲がクスクス笑い始めている。えっと、乳頭って乳首じゃん!!!)


「間違えたっ! そんなのないない。タピオカミルクティーお願いします!」


(汐海さんの胸を見ていたら変なこと言っちゃった。タピオカの見た目って、乳首にそっくりな気はするけど……。)


(必死に誤魔化そうとしているが、発言は取り戻せないよ。大人しい見た目で、頭の中は乳首のことばかり考えてたりするのかな?)


「乳頭とタピオカが似てるか、私も実際に確かめてみたくなったよ。あはは。」


「だから、似てないって……。」


「ねぇ私も、菜乃葉さんと同じミルクティーにしようと思ってたから、一つを半分こしない?」


「い、いいですよ。でも、いいの?」


(それって同じストローってことだよね?)


(鶯さんが、上目遣いでもじもじしてる。もしかして、何か期待してるなぁ? 意地悪したくなってきた。)


「店員さん、ストロー二つください!」


(その手があったか。

 汐海さんがストローをくわえる唇に、思わず視線がむかう。


 あの唇だ。私の唇を奪ったのは。)



「――――汐海 クリスティーナ 凪沙さんだよね?」


(突然、汐海さんを呼び止める声に、はっとした。

 汐海さんも驚いている。)


「隣の学校の安藤です。汐海さんの名前は俺の学校でも超がつくほど有名ですよ。出会えて嬉しいです。」


(そう言うと男の子は手に持っていたタピオカを飲みながら、自己紹介を始めた。爽やかで、背が高くてイケメン。サッカー部でキャプテンをやってるらしい。


 汐海さんは、表情を変えずに男の子の話を黙って聞いている。男の子は、私をまるで空気のように扱い、視線を合わせてこない。


 楽しそうに話すイケメン男子と、美少女の汐海さん。

 どこから見てもお似合いだ。


 なんだか私、邪魔者みたいな気がしてきた。


 そっと、距離を置いて手すりに座る。

 男の子のキラキラした目。自信に満ち溢れた表情。2人は私とは生てる次元が違う。)



「これから俺と遊びに行かない――? あの子みたいな、影の薄い子と一緒にいたら、学園一の名に泥がつくよ。そう思わない?」


(私は汐海さんの返事を待たずに、静かに立ち上がる。

 これ以上は、耐えられなかった。


 目の前が涙でかすんでる。

 タピオカなんて、汐海さんなんて、嫌い。

 ヒロインなんて大嫌い。)


「ほら、邪魔者は帰って行くみたいだよ。」


「――ごめんなさい。」


「っえ?」


「私、あなたみたいなデリカシーのない人がダメなの。」


(背中から聞こえてくる汐海さんのピシャリとした声に、私は振り返る。)


「君さ、タピオカの列に並んでる時、順番を抜かしてたでしょ。それに見ての通り、私は今、お友達との時間を楽しんでいたの。その時間を邪魔してるのは、君。邪魔者は、君の方なの。上から目線で何様のつもりかな? 偉そうにしたいなら、他でやってくれるかしら。」


「――はぁああああ! 邪魔して悪かったな! 金髪ハーフだからっていい気になってんじゃねぇよおおおおおおおおお!!!!」


(っ……。

 男の子が汐海さんの胸ぐらを掴み、その勢いのまま壁に追い詰める。

 そのまま拳が汐海さん目掛けて――)


「止めてぇぇえええ!!!」


(叫んだ瞬間、汐海さんが微笑んだように見えた)


 拳を交わすと、男の子の手首を手に取り、そのまま体を反転させながら、くるっと関節を決めた。


 いとも簡単に男の子を押さえつけたのだ。)


「いってぇぇええよお! なにすんだよね!」


「君、どこの学校の安藤君だっけ? きちんとうちの学校の先生にも紹介させて欲しいわ。それから、私の悪口ならまだ許せるの。でもね、友達を悲しませるような発言は絶対に許さないから」


「おーい、安藤ー! どうかしたのか!!!」


(駅の方から数人の男の子が安藤って子を助けに走ってくる。汐海さんは咄嗟に、私の手を握ると、駆け出した。


 新宿の路地を右に左に。大通りを渡って、気がついたら、)



 ……ガチャ。(扉の開く音)



「ここって。」


「ラブホ。」


(照明は淡く、部屋には大きなベッドがひとつ。枕の近くには、コンドームも。

 私は、男の子じゃないから、ぞうさんはついてないので必要ない。


 ごめんよ、コンドームくん。

 次回のカップルに使ってもらってね。



以下、消去!!!

指令により、


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