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プロローグ

(私は、うぐいす菜乃葉なのは


 高校三年生。ドキドキしたことがない。


 告白された経験は、3回。


 好きって気持ちが分からなくて、お断りした。


 時々――。

 クラスでぼんやりしていると、ふと視線を感じる。


 あっ、やっぱりだ。


 数秒間、汐海しおうみ クリスティーナ 凪沙(なぎさ)と視線が重なる。


 そして、心臓が締め付けられ、何かが弾ける。


 なにか……分からない。


 我に戻ると、また視線がすれ違う。

 

 汐海 クリスティーナ 凪沙は、スイス人と日本人のハーフで金髪ツインテール、ニーハイの太股に揺れるスカートが刺激的。おそらくはかなり際どいパンツを履いている。


 成績は全教科において常にトップ3に入り、スポーツだって水泳、球技、陸上、どれをやっても優秀。まさに松濤学園が誇る超人気アイドル。


 でも、恋人の噂は入ってこない。


 また、汐海さんと目が合った。)



(私は、汐海しおうみ クリスティーナ 凪沙(なぎさ)


 高校三年生。まだ男子にドキドキしたことがない。


 男子に告白された経験は、9回。


 興味がなくて、断った。


 気がつくと――、自分でも知らないうちに視線だけが、ある人を捉える。


 私の視界に映る女の子。


 彼女の名前は、うぐいす菜乃葉なのは


 数秒間、鶯菜乃葉と視線が重なる。


 心臓が高なった。

 そして、何かが溢れ出す。


 我に戻った時には、また視線はすれ違う。


 鶯菜乃葉は、肩から鎖骨まで伸びたミディアムヘアがふわっと揺れる雰囲気が透明感を引き立てている。


 どんな時も、周囲と一歩距離をおき、後ろの方でにこにこしているイメージ。

 

 線は細く、風が吹くと飛んでしまいそう。凝視すると、透けてしまいそうな白い肌。


 書道が得意。いい意味で古風。


 でも、勉強とスポーツは苦手。


 悪く言うと、目立たない女の子。

 

 当然、恋人の噂は入ってこない。


 また目が合う。すぐに、すれ違う。


 おはよう。


 と、声を掛ければ、友達になれるのだろうけれど。


 まだ、一度も会話をしたことはない。)




(男の子はひとりエッチをする、と聞く。


 エッチな動画も見る、と聞く。


 それについて男の子を責めるつもりはない。


 ただ私がそういうのに興味がもてないだけ。


 私は学園で有名なタイプじゃない。特徴がないのが特徴。


 どこにでもいる普通の女の子。


 そんな普通の私が、そういうのに興味がないのだからきっとクラスの。ううん。大半の女の子は興味がないと思う。


 あの人。

 汐海 クリスティーナ 凪沙さんは、どうなのかな?)




(男子はエッチな動画を見てひとりエッチをする。


 弟のそれを目撃したこともある。


 それについて責めるつもりはない。

 

 私も見るから。

 

 エッチな動画を見る方が気持ち良くなる。


 家に帰ると、いつも部屋の鍵を閉めて、イヤホンをつけてエッチな動画を見ながら、パンツに手を入れる。


 好きなタイプの女の子がバックで突かれているシーンがある動画は特にお気に入り。


 私は学園アイドルであり、金髪ハーフのお嬢様として位置づけられている。


 学園中の生徒、いや先生も含めて全員が私を優等生だと言う。


 そんな私がエッチなのだから、きっとクラスの。ううん。世界中の女子高生はエッチだと思う。


 あの人。

 鶯菜乃葉さんも、エッチだろうか?

 透き通った瞳に吸い込まれそうになるのは、彼女だけ。)



カクヨムで連載中

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