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巻き込まれて男子校#1~眠れる森の悪魔~  作者: 四条雪月
もしかして巻き込まれた!?
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第二十一話 疲れは常に付きまとうもの

「そう言えば、あの三人は?」

先ほどまで一緒に居たクリーム色の髪の長い男達が居なくなっていることに気が付き辺りを見渡す。

「あいつらなら・・・ああ、戻って来たな」

翔の目線の先にはキッチンから戻る男達の姿が見える。

「僕ぅ部屋に戻って食べるからぁ…」

「僕もそうるすよ~・・・疲れたしね~。」

「・・・俺も部屋に戻る。」

そう言うとそのままやや重い足取りで扉を開け外へと出て行った。

「部屋で食べれるんだ‥‥」

その呟き翔が思い出したと言わんばかりに話し出す。

「ここで食べるか部屋で食べるか選べるようになってんだよ。料理選ぶ前に専用の機会があるからそれにカードを読み込ませると選んだ料理が全て部屋に転移する仕組みなんだよ」

・・・やっぱりここ色々な技術使い過ぎだと思う。

と、突然ボンッと爆発音が響き渡った。

「なんだ!?」

「今度は何…?」

もう反応するのも疲れて来たんだけど…

翔がすぐさま反応し音のした場所、キッチンへと向かう。仕方なく翔の後を追うと座っていた男達も集まり辺りは騒然となる。焦げ臭い様な匂いがした為押されながらも人混みをかき分け進んで行くとその匂いはさらに強くなる。人混みを抜けキッチンの中を覗き込むと小さく黒い煙が上がっているのが分かった。煙が上がっているのは食べ物を製造する方陣を組み込んだ機械だ。煙と共に何かが燃えるような音も聞こえる。先に来ていた男達がその機械の周りで復旧を試みている。

「プスプス言ってるんだけど・・・」

しちゃ駄目な落としてるのは間違いないだろうなこれ。完全に壊れてるんじゃ…?

「おいなんでお前が先に行くんだよ。ここの設備はお前じゃ分からねーだろ?」

真後ろで声が聞こえ振り向くと翔が呆れた様な表情で立っていた。・・・そう言えば翔ちゃん押しのけてきちゃったんだっけ

「いや、つい癖で・・・大体爆発音聞える時って悪魔に関係あることが殆どだったから」

「そんな癖いらねーな」

「本当に。・・・あの煙出てる方陣機械が食べ物製造してるのは分かったんだけど何を製造してた訳?」

煙が出ている機械を指差し聞けば翔は‶一瞬見ただけでそこまで把握できるのか‶と、驚いた表情でこちらを見る。と、機械の周りに居た男三人が足取り重く沈んだ表情でキッチン内部から戻ってくる。今壁すり抜けたよね?気のせい?

「直りそうか?」

翔の問いかけに戻って来た男達は首を横に振った。

「方陣が解けてた・・・」

「機械自体もショートしてとてもじゃないが俺達じゃ直せない。」

「今出てるやつを入れてもざっと15人分は足りないな…」

男三人の答えに周りに居た男達は騒ぎはじめる。

入ってきた時とはある意味違うざわつき方してるわ・・・これ間違いなくご飯食べれない奴だろ!

「マジかよ!!」

という訳で。翔ちゃんの心の叫びに便乗する様に周りの男達もかれこれ10分以上文句言ってるんだけど

「はぁ・・・」

夜ごはん食べれないならもう諦めて帰ればいいのに・・・習性?あ、じゃなくて癖みたいなもの?私は部屋が何処か分からないから帰りたくても帰れないんだよ翔ちゃん!!

文句を言い続ける男達だが、お互い一向に動こうとしないことに苛立ち始め言い争いにまで発展している。

なんかその内殴り合い始めそうだな・・・

それを眺め、否。言い争いをしている男たちの真ん中に居る困惑した表情をした翔の横顔を横目で見つめる。

私凄い放置されてるんですけど!!私だってお腹すいてるよ!!今日昼前に倒れたせいでお昼ご飯を食べそこなったからね!!

入学というか編入してからまだ半日も経ってないけど多分この中で一番疲れてるのもお腹好かせてるのも厄日なのも私な気がするよ…!

どうしよう・・・このテンションも既に疲れる。

言い争いをしている男達を冷めた表情で見つめ再び翔に目線を戻す

「はぁ…自分達で作ろうとか思わないのか。その発想が思い浮かばないだけなのか…」

「俺達が作れると思うか?」

ぼそっと呟いた言葉を拾った翔は、こちらを向く。その表情は真顔だ。

・・・以外。何でも出来るハイスペックな人間だと思ってた

「翔ちゃんでも、できないことがあるんだね!」

少し嬉しくなり笑顔でそう答えると、軽く頭をはたかれた。

「…そう言うお前は作れるのかよ」

いじけた様に唇を尖らせて言う翔は少し可愛らしい。

「毎日ではないけど自炊してたから簡単な物なら作れるよ」

自らがサラッといった言葉にはたと気が付く。・・・見てるより私が作った方が早いんじゃね?間違いなく早いだろ!

「・・・お前が作った方が早いんじゃねーか?」

翔も同じ様に思ったのか独り言の様に呟やくとこちらをちらちらと見つめながら

「今日は確かメイン料理が三種類あったな…。トマト煮込みハンバーグは一番人気だな。海藻サラダのドレシッングと卵と豆腐のスープはまだ余ってるはずだな」

これは・・・作れと??私に作れって言ってるのか翔ちゃん。それになんて分かりやすい程の酷い棒読み!

「あー・・・私ひとりじゃ人数分作れないなー」

翔と同じ様に言うと翔が面白い程驚愕した表情でこちらを見る。

「手伝うよね?むしろ手伝わないって選択をする訳が無いよな?」

表情全て‶嫌だ‶と語っていたが覚悟を決めたのか渋々頷いた。・・・一体料理を作るだけの何に覚悟を決める必要があるんだろう

翔が上着を肩にかけ、それを見て腕まくりをするとこちらと同じ様に腕まくりをする。制服のリボンを緩めると再び同じ様にネクタイを緩める・・・いちいち私の行動に合わせなくてもいいんだよ翔ちゃん!あとネクタイは緩める方が邪魔だと思う。

「お前等。手伝える奴はキッチンに行くぞ。こいつが作れる!!・・・ってなんて顔してんだ」

どんな顔だよ。それと翔ちゃんのせいだよ・・・なんて言ったら怒られそう

今までで一番声を出したのではと思うほどの大きさながら、元々声が通る性質なのだろう。翔の声はカフェテリア全体に聞こえたよう。

あれほど言い争い殴り合いに発展しそうなほどヒートアップしていた者達がピタリと止まり、諦め外へ出て行った者達が再び戻ってくるほどだ。

隣に居た私は何が起きたのか全く分からなかったけどね!!驚きすぎて心臓飛び出るかと思ったわ…!!

いざ中へ、とキッチンへ近づくが入る為の出入口が見当たらない。すると翔がキッチン外部から見て一番右端の柱の場所に近づき触れると壁が消え、そのまま内部へと入っていった。

壁に分かりにくいが機械が埋め込まれており幾つも重ねた方陣の一つ、気配感知が行われ近づいてきた者に認証がされる。ここでは、認証が二つある。掌と瞳だ。

あらかじめ機械に自身の掌の静脈と瞳を登録しておくことにより気配感知が行われれると同時に認証が始まる。掌を置く場所がほんのわずかに光り、埋め込まれている機械が瞳を検知、直ぐさま掌の静脈を照らし合わせ登録一致が完了すると壁が消える仕組みになっている。正確に言えば、柱と結界を融合させているため柱が消えた様に見えるだけであり、実際には存在している。

いやいや、え?なにそれ…つまり、柱と結界を融合させて認証?を得る事によって結界内に入る許可を得てるって事になる訳だ。多分・・・本当に男子校の設備異常なほど厳重で充実してるよな!スイッチすら女子校で最近導入されたばかりで話題になってたのに…なんか怖い!!

と翔の後に続いて中へ入ると音もなく柱に戻り、表情がひきつる。振り返り、これ心臓に悪い戻り方するな!!と柱を睨んでいると

「早く来いよ!」

翔が呼んでいる、否。叫んでいた為慌てて中へと進んで行った。


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