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空想の絵  作者: 白上 しろ
6/8

どうして怒っているの?

次の日。いつものようにこずえは老婆の家にやってきました。

「こんにちは。おばあさん」

いつもは素っ気なくても、素直にこずえを受け入れてくれる老婆ですが、今日は違いました。老婆は怒鳴りました。

「またお前か! 何しに来たんじゃ!」

老婆の言葉にこずえは驚きます。そして申し訳なさそうに言いました。

「あっ、あの、クッキー焼いたから食べてもらおうと思って」

老婆はあっさり断りました。

「いらんわい!」

いつもと違う老婆の態度に、こずえはオドオドし始めます。

「おいしくないかもしれませんけど、一つだけでも・・・・・・」

「いらんと言うたじゃろう!」

こずえは心配になって尋ねました。

「どうしたの? おばあさん。何かあったんですか?」

「何もない、お前には関係のない事じゃ」

「でも……」

老婆は一喝しました。

「帰れ!」

「え?」

「もう二度とお前の顔なんか見たくない! 帰れ!」

こずえは目に涙を浮かべていました。

「あの…… クッキーここに、置いておきます。良かったら…… 食べて……ください」

こずえは泣きながら老婆の家を後にしました。

こずえの姿が見えなくなると、老婆は力が抜けてため息を漏らしました。

「これで良かったんじゃ……。これ以上会っても辛い思いをさせるだけじゃ。これで良かったんじゃよ……」

老婆はこずえからもらったお守りを握りしめながら願いました。

「どうかあの子を助けてやってください。お願いします・・・・・・」


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