表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想の絵  作者: 白上 しろ
3/8

内緒にしないと


 こずえは家に着きました。母が待ちかねたとばかりに尋ねます。

「どうしたの? 遅かったじゃない」

「ごめんなさい。ちょっとお話していて」

「この時期は腐りやすいのよ。気をつけてね」

「はーい」

夕食時。こずえは父、母の家族三人で食卓を囲んでいました。母親が尋ねました。

「今日は誰とお話していたの?」

「ええと、買い物に行く途中に通る交差点の手前の・・・・・・」

「お米屋さん?」

「その向かいのお家のおばあさんと」

「あら?」

母が首を傾げます。

「あんな所におばあさんなんていたかしら?」

父が言いました。

「あそこは空き家で誰も住んでないはずだが。何かの間違いじゃないか?」

こずえはハッとしました。

「あっ!(おばあさんは死神だったんだ。だから他の人には見えないんだ)ええと、間違い・・・・・・ あの、嘘」

母が怒ります。

「こずえ!」

こずえは体が小さくなって頷きます。

「はい・・・・・・」

「いつからそんなこと言うようになったの?」

「ごめんなさい」

父は怒るわけでもなく、普段の様子で尋ねました。

「じゃ、誰と話してたんだ?」

「ええと、誰とだったかな? あはは・・・・・・ ごちそうさまでした!」

こずえは箸を置いて、急いで部屋を出ると二階にある自分の部屋に向かいました。

「こずえ!」

呼び止めようとする母を、父がなだめました。

「いいじゃないか、かあさん」

「えぇ?」

「こずえだって私たちに聞かれたくないことだってあるさ」

「もうそんな年頃かしらねぇ……」


こずえの部屋の中。

「はー・・・・・・ おばあさんの事は話せないわ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ