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目覚めたら堕天使ルシフェル  作者: キメラテック
ポンコツ人間田天の仕事っぷり
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恐るべき田天の仕事っぷり

作業開始から一時間。てきぱきと種を植えていくメンバーたち。

特にブレイズとフレイラは作業スピードが速い。穴をあけ種を植え、土で埋めるまで0.5秒もかかっていない。ものすごい早さにマグニも感心していた。

・・が、よーくフレイラの作業を見てみるとなにかに気が付き、彼は注意しに行く。

「フレイラ!お前さん四センチのルール守っとるか!?見たところ三センチや五センチとばらばらに見えたが・・・。」

「ちっ、ばれたか。でも四センチも三センチも変わらないだろ?」

「変わるわ!この「四センチ」が重要なんじゃ、やりなおしだ!」

「さ、最初からか!?鬼!悪魔!」

「ワシもお前も悪魔じゃろて。」


そんなやり取りを終えマグニがふと田天のほうを見てみると、信じられないことが起きていた。

なんと田天はスタートの位置から一メートルほどしか動いていないのだ。サボっていると思い駆けつけると、どうやらそうではないらしい。

なにやらぶつぶつつぶやきながら集中してはいるようだった。


「四センチ・・四センチ・・このくらいか?いやこれは深すぎる、五センチだな。やり直しやり直し・・。

正確にしないと怒られるし・・・。」

マグニが横にいることにも気づかずに独り言を続ける田天。穴をあけては埋め空けては埋め、この微妙な調節に時間をつかっているようだ。

そして納得がいく深さが完成したのか、彼は種を入れ土をかぶせた。それを黙って見るマグニ。その遠方でブレイズも見ていた。

「・・・うーん。」

田天がいきなり悩みだす。そして、

「・・いや、やっぱさっきのは三センチっぽいな。掘り起こしてもう一回やり直そう!このままじゃ怒られそうだし。」

「いい加減にしろー!!」

田天を蹴り上げるマグニ。老体から放たれたとは思えないほど吹き飛ぶ田天を、他のメンバーは口をあけながら眺めていた。

「・・・・。」

そんななかブレイズだけは険しい顔で、吹き飛んでいる後輩を見つめていた。


種植えが一通り終わると休憩タイムに入った。せっかくの休憩の時間をアロマは料理に使い、みんなにルビーンを使ったお菓子を作ってあげた。

この世界特有の作物であるルビーンは、野菜でありながらその甘味からよくデザートに使われている。アロマもよく料理に使ったことがあったため、この程度のお菓子作りは朝飯前なのだ。

「おいしい・・!」

全員が感動する中、マグニとブレイズはあまりの美味しさに泣き出してしまう。

「こ、こんなうまいもの食ったの・・いつぶりだろうか・・!ぐすん」

「ほんとじゃのう・・ブレイズが作るものはいつもまずいかなのぉ・・。ぐすん」

「もう二度と作んねぇぞジジイ。」

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