田天を襲った悪魔の正体
マグニはまた別の紙を掴むと田天の前に広げた。
そして『セブンスペルズのメンバーたち♪』とタイトルをつけると、さらさらとメンバー名を書いていった。
田天はもちろん、フレイラや他のみんなも真剣に紙を見つめる。
シャーク
メリアーマ
ゴードン
キルキラ
ミュート
テトラ
???
「すまんな、セブンスペルズに一人だけ全く会議に出ないやつがいてな。そいつだけは名前が分からん。
だがもしあれからメンバーの入れ代わりがないとしたら、残りの六名はこの通りだ。」
マグニは紙をさっと田天の前に近づける。腕を組ながら名前の羅列を凝視する彼のために、マグニはペンで『テトラ』のところを丸で囲った。
「おそらくお前の夢に現れた二人の悪魔はメリアーマと、このテトラじゃろうな。
ヤツは白い肌の悪魔で冷静沈着。お前の言う情報とも一致する。」
「ではこのテトラは・・どんな能力を持っているんですか?」
ぐいぐい行く田天。マグニはもちろん答えてあげた。
「『精神交換』だよ。
ある人物の心だけを抜きとり、別の人物に移しかえるというものだ。」
「!!!」
みなが驚愕した。今の話が本当ならかなり凶悪な能力だからだ。
だが、だとしたら納得もできる。田天の「心」だけをルシフェルの「体」に埋め込んでいるという事実に。
「やつの、テトラの『精神交換』は悪魔的な能力ではあるがそのぶん制約が3つもある。
一つは『心を抜き取ってから誰かに埋め込むまでは他のいっさいの魔力が使えない』こと。
一つは『自分には使えない』こと。
最後の一つは、『対象者は『精神的にかなり弱っている』、または『もともと精神的に弱い』ものに限られる』ということ。おそらくルシフェルは前者だったんだろうな。田天はどっちもだろうが。」
ふふふと笑いながら、ペットボトルのコーラを飲みはじめたマグニ。田天はうつむきながら、いろいろなことに納得していった。
「ルシフェル様・・あれだけいつも豪快で無敵に見えても、やはり精神的な辛さを抱えていたのですか・・・。」
泣きはじめたマルク。マグニの言葉で、彼は初めてルシフェルの弱い面を知ることになったのだ。