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目覚めたら堕天使ルシフェル  作者: キメラテック
ポンコツ人間田天の仕事っぷり
90/147

新たな街・カッカセル

悪魔軍本部。

この世界のどこかに存在する、巨大な黒い城。ここには多くの悪魔軍の戦士たちがおり、幹部クラスの悪魔も例外ではない。

もっとも、悪魔軍の最高司令官である『サタン』はごく稀にその姿を見せるだけで、基本的にはここにはいない。


城の回りには腐りきった木々が立ち並んでおり、無数のコウモリの姿も見える。

そんななか、二人の悪魔が城へと戻ってきた。

メリアーマとベリアだ。彼らは田天らとの戦闘を終え、ここに帰還したのだ。


「ベリアよ、お前はとりあえず治療室でゆっくり回復するがいい。」

「はい・・・。」

ベリアを支えながら治療室へと向かうメリアーマ。その顔はどこか嬉しそうで、ベリアはそれを疑問に思っていた。



治療室の前まで来た。部屋の扉の前に誰かが立っている。

全身を禍禍しい紫の鎧に包み、うねった三本の角が特徴的な恐ろしい風貌の悪魔だ。

「誰かと思えばゴードンか。そこをどいてくれ、こいつが死にかけなんだ。」

「・・・・・・。」

気さくに話しかけるメリアーマに対し、三本角の悪魔ゴードンは彼を黙って睨み付けた。

その邪悪なオーラに、隊長クラスであるベリアでさえ恐れてしまう。

(メリアーマ様と同じくセブン・スペルズの一人、ゴードン様・・

つねに寡黙で凶悪なオーラを放っている・・あいかわらず恐ろしいお方だ・・。)


「・・メリアーマ、貴様なぜルシフェルを仕留めなかった?」

「おや?よくそんなことが分かるな。」

「雰囲気でわかる。貴様・・目的はなんだ?」

「さあな。お前に教える義理はない。ささ、どいてくれ。」

ベリアを支えたままゴードンの横を通り、扉を開けるメリアーマ。


ゴードンは彼らをすんなり通したが、一言だけ放って歩いていった。

「貴様がやらないのなら、俺がやる・・・。」




一方田天たちは新たな街を発見した。

このあいだの廃墟とは明らかに違う、温かそうな街だ。

田天は覚えたての「飛行」で一足早く街についた。置いていかれた仲間たちは若干あきれている・・。


「情報の街カッカセル。へぇ、なんなんだろう情報の街って。」

街の看板を読みながら腕組みで考える田天。

街を眺めてみるとあちこちの建物に「情報屋」と書かれた札が見える。

(なるほど・・この街の人たちは情報を売ってお金を儲けてるのかな。

面白いけど、儲かるのかなそれ?)


そんなことを考えているとマルクたちが遅れて到着した。

彼らも田天と同じように「情報の街」という文字に立ち止まる。



カレアが軽い足取りで田天の隣に歩み寄る。

「田天、これはチャンスじゃない!?」

「え?」

「情報屋がたくさんあるこの街なら、誰かあのことについて知ってる人がいるかもよ?」

「あのこと?」

「セブン・スペルズよ。あなたをここに来させたメリアーマと、もう一人の悪魔の情報も、もしかしたら手にはいるかも・・!」

(・・・たしかに。)

悪魔軍であったフレイラでさえよく知らないセブン・スペルズの情報をこの街の人がはたして知っているのかは心配だが、田天は望みを抱きながら探索を始めた。

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