各々が感じ取ったもの
「これは・・。」
立ち止まったカレアは自分の頬を触った。指を確認するが、なにもついていない。
「間違いない、これは田天の・・ルシフェルの魔力!」
カレアは田天の発する微弱な魔力の「粒」を肌で感じていた。彼女が止まった理由はこれだった。
(フレイラやサラも魔力を使うことができる。しかしそれは悪魔でも自分の魔力を武器として使えるに過ぎない。
言うなれば魔力が使える一般人。
私は違う。魔法使いである私は他人の放つ魔力にも人一倍敏感だし、その魔力の特徴も手にとるように分かる。
これが私と彼女たちの差!
この勝負、どうやら結果が見えたみたいね。)
感じた魔力の粒をたよりに、カレアはまた動き出す。
数分ほど時が流れた。
フレイラが気の向くままに歩いていると、サラの姿が見えた。彼女は目を光らせながらあちらこちらに飛び回っているようだ。
「いませんね・・いったいどこへ・・!?」
彼女の通ったあとは微かな光が残像のように残っている。
(ひ、必死だな・・。)
若干呆れながらサラを眺めるフレイラ。
「これは・・。」
マルクはようやくルシフェルの魔力を放つポイントまでたどり着いた。
彼の手には今、ルシフェルの羽が一枚乗っている。
(あの魔力をたどればルシフェル様に会えると思っていた・・
思っていたんだ・・
なのに行き着いた先には・・羽しか落ちてなかった・・
俺はずっと・・この抜け落ちた羽を探していたというのか・・・?)
「こんなものヒントにもなるかぁ!!」
羽をフルスイングで投げ捨てるマルク。
しかし我に帰ると彼はそれをまた回収した。
「まぁ、レアアイテムだし貰っておくけどさ。」