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目覚めたら堕天使ルシフェル  作者: キメラテック
城を守れ
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魔神の力vs堕天使の刃

田天の光る右腕から放たれた光刃。次元を引き裂く勢いでメリアーマの魔神衝に向かっていく。

それらがぶつかり合う瞬間、その一瞬をみなが待つ。

(メリアーマ様の魔神衝、俺のとは比べ物にならないほどの魔力だ・・


しかし田天の光の刃も・・・)

ベリアでさえその勝敗の予想がつかなかった。

しかしただ一人、メリアーマだけは未来が見えていた。その結果を目を輝かせながら待つ。


ついに光刃が魔神衝と衝突した。「ガガガガ!」と凄まじい衝撃音が鳴り響き、魔力の粒が地上に飛び散る。

全員が緊張感の中それを見つめるが、メリアーマは軽く笑いながらベリアに小声で呟いた。

「逃げるぞ。」

「えっ?」

ちょうどその時光刃が魔神衝を切り裂いた。切り裂かれた魔神衝は二つの魔力の塊になると、空中でバラバラになって消滅する。金や紫の光が宙に散乱する中、光の刃はメリアーマに迫る。


「ふふふ・・・やはりこうなるか。

田天!次に会える時を楽しみにしているぞ!!」

そう言うとメリアーマはベリアをつれてその場からパッと消えた。光の刃は空を切りながら天まで上昇すると、雲を切り裂く。そこから日の光がアムールの街に差し込む。


それはまるで天が、彼らの勝利を祝福しているかのようだった。




アムールの街は無事に魔の手から守られた。町の外で被害を受けた兵士たちも重症ではあるが死者は0だった。

街の中も目立った被害はなかったが唯一、フレイラとベリアの激闘によりアムール城が一部崩壊を見せている。


そんな中アムール王は田天、フレイラ、サラ、カレアの四名を広間に集めた。その後ろではマーカス含めた兵士たちが待機している。

「ありがとう!君たちのおかげで無事にアムールは平和を取り戻すことができた!」

「いやいや・・そんな・・。」

謙遜する田天を横に、フレイラはずんと前に出た。すごいどや顔である。

「私がいなかったらあんたとこの城はやばかったね。あのベリアという男が真の恐怖だったわけだ。」

「自分も城壊したくせに・・しかも負けたくせに・・」

サラの小言でまた喧嘩になる悪魔と天使。そんなにぎやかな様子をみんなで笑いながら眺めていた。

「またみなさんでアムールに来るといい。街を救った勇者として歓迎するよ。」



「さて・・」

集まりが終わると田天は城の地下、牢獄の部屋に降りた。暗く静かな空間。空気もなんとなく重い。

そんな部屋に田天と戦った男、バイスが捕まっていた。彼は田天を見るとニィと笑う。

「よぉ、田天。もう出発か?」

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